第一章 出会い
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キーンコーンカーンコーン……
東京のとある公立高校にチャイムが響き渡った。
どの教室も騒がしくなり帰り支度を整える生徒の姿がある。
1年A組でも各々終礼までの時間を気ままに過ごしていた。
こげ茶の髪を肩の少し下まで伸ばした彼女も例外ではなく。
明るく、穏やかな雰囲気を漂わせている彼女は後ろの席の友達と談笑していた。
彼女、蒼井桜はくりくりとした瞳に笑みを宿し、会話の一言一言にコロコロ表情を変化させている。
彼女はほとんど聞き役なのに会話が弾んでいる様に見えるのは、彼女が聞き上手だからだろう。
程なくして担任が教室に入ってくる。
立ち歩いていた者は席に着き、喋り声は徐々に小さくなった。
年配で白髪交じりの男の担任は淡々と諸連絡を済まし、ものの五分程で終礼を済ます。
普段なら生徒達は部活やらですぐに教室を飛び出すのだが、今日はその姿が見られない。
というのも、定期テスト一週間前に差し掛かり部活動は停止中なのだ。
「桜~!一緒に帰ろう?」
「ん、いいよーっ!
あっ、部室寄っても良いかな?竹刀持って帰りたいんだけど…」
「うん、良いよっ」
「ありがとう!」
剣道部に所属する彼女は、テスト期間中も時間があれば家で自主練習をする。
そのため竹刀を持って帰るのである。
そして、桜は教室を後にするのだった。
それは、何気ない日常の風景で。
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