第三章 闇
夢小説設定
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そんな桜の気持ちは置き去りに、また旅は進む。
桜は阿吽に乗り、ぼーっと前を眺めながら蹄の音を聞いていた。
「なんじゃい桜、先程休憩したばかりではないか!もっと、しゃきしゃきせんか!」
「はーい……」
邪見がきーきーと騒いでいたが、桜は聞き流す。
----------駄目だ、私…
すぐ悪いことばかり考えて、こうやってへこんじゃう。
邪見も、邪見なりに気を遣ってくれてるのに。
「…よしっ」
-----------決めたっ!
殺生丸さまも昨日、余計なことは考えるなって言ってくれたし、もう考えない!
「邪見、ちゃんと前見て歩きなよ~」
「んなっ!誰のせいだと思っておるのじゃ!!」
「りんちゃんの方がしっかり歩いてるよ?」
「歩いてない貴様に言われたくないわ阿呆!」
「邪見って面白いね~」
「おまっ本性を現しよったな!小娘のくせに!!」
「くすくす…」
隣で聞いているりんが笑う。
つられて桜も笑い出し、邪見だけが未だジタバタとしていた。
「でも、良かったぁ」
ふいにりんが桜の方に話しかける。
「え?」
「桜ちゃんが元気になって」
「あ………」
-----------そんなに私、暗かったかな…
りんの優しさにふいに涙腺が熱を帯びてくる。
----------突然やって来たこんな世界だけど、りんちゃん達に会えて良かった…
桜は涙を吹っ切るほど大きな笑顔でりんに返した。
「ありがとうっ」
空を仰ぐと、相変わらずの青が輝いている。
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