学生限定アイドルガール
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
28・決意
(ザザァー……)
「…夏に来た時より少し肌寒いな。」
海を目前に裸足で砂浜に立っていた。
万里にもらったネックレスを両手で握りしめて、波打つ海の中へと歩く。
「ッ…つめたい……。」
でも、このくらい苦じゃない。
みんなが傷つくのを見ている方が辛い。
海水が腰のあたりになると、さすがに足が重たい。
波が来る度に海の方へ身体が連れていかれる。
「まるで手招きされてるみたい…。」
目の前に現れた大きな波と私の名前を呼ぶ声。
そんな幻聴が聞こえてしまうほど、私はまだみんなと一緒に居たかったんだね。
来世でまた、万里と出会えるのなら。
今度こそきっと______
暗い、何も見えない…?
しんでも苦しいんだ。
これで良かったんだよね。
もし万里がしんだら、私はきっと生きられない…。
(…!……!)
なんだろう?遠くで何かが聞こえるの。
これがお迎えみたいなものなのかな。
(…!___!)
だんだん近づいてくるけど何を言っているのかな。
近づく度に、どんどん苦しくなってくる。
(__!___ッ!)
この声、どこかで聞いたことある。
聞くと安心する声、大好きな声。
「___名前ッ!」
「ッ___ゴホゴホッ!」
ハッキリと私の名前が聞こえたと同時に、海水を吐き出した。
咳き込みながら起き上がる。
「けほけほッ!…あれ?私___」
状況が把握出来ないまま、私の身体が誰かに強く抱きしめられる。
だれ…?
……この香りって、もしかして。
「…万里?」
「ッ__てめぇッ!何してんだッ!!」
「__ッ!」
怒鳴り声とともに抱きしめる腕がさらに強くなった。
なんで万里がここに?
病院で目が覚めなかったはずなのに。
「なに勝手に、しのうとしてんだよッ!!」
「だ、だって、みんなが危険にさらされるかもしれないし…!私、万里がいなくなったら生きていけない____」
「そんなの俺だって同じだっつーのッ!」
……。
__私、
残された人たちのことなにも考えてなかった。
・・・そうだよね。
自分がしんだら何もかも丸く収まるなんて、ずっと思ってた。
「…お前が波にさらわれる所を見て、すぐに駆け寄ったけど抱き上げた時点で息してなかった。」
やっぱり、私しんだの…?
でも、今万里が目の前にいるし、私を強く抱きしめる腕の痛みもある。
「すぐに胸骨圧迫したけど全然目を覚まさなくて、生きた心地がしなかった…。やっと目、覚ましてくれた…ッ。」
あ…前に人命救助の授業したっけ。
少ししかやってないのに、出来るなんてやっぱり万里はすごいな…。
でも、抱きしめる腕が身体が震えている。
泣いている。
「頼むから、もう俺から離れんな。勝手に居なくなんじゃねぇよ……名前ッ。」
万里は微かな嗚咽を漏らして泣いている。
こんなに悲しませてしまったんだ、私。
愛してる人を傷つけてしまった。
「…め、なさ……ごめんなさ…ごめんなさい…万里……ッ。」
瞼が熱くなって、次々に涙が溢れてくる。
こんなことをしてしまったこと、万里を悲しませてしまったことの後悔、自分への怒り全てが涙になって溢れだしてくる。
ヒックと、しゃくりあげて泣きながら、万里を強く抱きしめ返した。
「もう二度とッ、万里の前から居なくなったりッ、しないから。本当に、ごめんなさい。」
「馬鹿でガキでお菓子魔人で、何考えてんのか分かんねぇ変わったやつ。そんな名前に好きにさせられたんだ、最後まで責任持てっつーのッ…。」
「…!ヤンキーで、口が悪くて、ケンカばっかして、意地悪で……かっこよくて、優しくて、私を好きになってくれた私の愛してる人。万里も最後まで責任もってよね…。」
「ぷっ。最後の方悪口じゃねぇだろ!」
抱きしめる腕を離して、お互いの顔を見た。
「ははっひでぇ顔。」
「ふふっ万里こそ。」
万里の頬を両手で包んで、キスをした。
「私、高校卒業したら、天美に進学するよ。アイドルはやめようと思って…。」
「…それがいいかもな。」
優しく微笑んで、キスを返してくれた。
「___名前ッ!」
「お姉ちゃん…。」
「バカっ!何でしのうとなんかしたのッ!万里くんも病院抜け出したりしてッ!」
「監督さん、二人とも濡れてるみたいだし、いったん寮に戻ろう。」
至さんまで来させちゃったんだ。
そうだ、手紙のことお姉ちゃんと万里は知ってたから私がここにいること分かってたんだ……。
「はい。車に置いてあるタオル一枚しかないから、シート濡らさないでね?」
「…はい、ごめんなさい。」
「まあ、無事でよかった。さすが万里。」
「車で来た割に俺より遅いんすね。」
「お前、歩いて帰れよ。」
「さーせん。」
「万里?手、握る力なんか強くない………?」
「もう逃がさねぇからな。」
「束縛系彼氏ktkr 。」
「あはは…。名前がまたいなくなるかもしれないって不安なのかも…?」
「そうなの万里?」
「ちょ!監督ちゃん…!?」
疑問に思って万里の顔を覗き込むと少し赤くなっているように見えた。
私も強く握り返す。
「ふふ、万里が嫌がっても離れてあげないんだから。」
「…は、上等だ。」
「監督さん、この二人降ろしてもいいかな?」
「大人げないこと言わないでください。」
__談話室
私と万里を待ち受けていたのは、左京さんの説教だった。
「お前はなぜ誰にも言わずすぐに行動に移すんだ。だいたいお前は、うんたらかんたら____」
「う”…ごもっともです……。」
「摂津、おまえもだ。点滴の針引き抜いて病院を抜け出したそうだな。あの後俺がわざわざお前のために病院にいってどうたらこうたら____」
「…すんませんした。」
やっぱりみんなのお父さんみたいだ。
またパパ呼び始めようかな。
「さ、左京さん。結果的には二人とも無事ですし、私からもあまり怒らないであげてください…。」
「…はぁ。次、勝手な行動をしてみろ。これだけで済むとは思うなよ。」
…左京さん、犯人よりも怖いかもしれない。
「名前がしんだら、おれもしぬ。」
「ご、ごめん。だから、生きてね。」
「何でもできるネオヤンキーのくせに、なんで刺されたの?」
「名前に見とれてたんでしょ。バカップルだし。」
至さん本当に変わらないなぁ…。
「……。」
「あ、黙った。お菓子魔人に見とれてて気づかなかったこと、図星なんだ?」
「っるせーよ!次はぜってぇ油断しねぇし。」
「万チャン…そういうところは弱いんスね……。」
見とれてたって……。
なんかうれしいような恥ずかしいような__。
・・・あ。
そうだ、目の前が見えなくなってしまっていたのは。
____私の方だった。
私が助けるって言っておきながら、また万里に助けられちゃったんだ。
万里の手をぎゅっと握る。
「ん?どーした?」
「…もう、間違えない……からね。」
声が震える。
大丈夫、きっともう誰にも負けない。
今度は私が万里を助けるから___
「んなこと、させねぇって。」
ふっ。と、笑って手を握り返してくれる。
「…?あれ、なんか二人とも顔赤くない……?」
「そーいや、なんかクラクラするっつーか__」
「うん、身体が熱いような___」
バタッ
「た、倒れたッス!」
「…熱、あるみたいだな。」
「風邪ひいたみたいっすね。万里は俺が運んどきますんで、名前は……。」
「俺が運ぶ。」
濡れたまま長時間いたからかな…。
って、左京さんが私を抱きかかえてる…?
「…ほぼ、骨みたいに・・・細いのに……。」
「落とされたいのか?」
「ごめんなさい……。」
「二人の夕飯はお粥とかにしておきますね。」
「臣くんありがとう。」
もう絶対に負けない間違えない____。
「…ばん、り。」
「こんな時まで摂津か。はぁ…、最近のガキはよくわかんねぇな……。」
(ザザァー……)
「…夏に来た時より少し肌寒いな。」
海を目前に裸足で砂浜に立っていた。
万里にもらったネックレスを両手で握りしめて、波打つ海の中へと歩く。
「ッ…つめたい……。」
でも、このくらい苦じゃない。
みんなが傷つくのを見ている方が辛い。
海水が腰のあたりになると、さすがに足が重たい。
波が来る度に海の方へ身体が連れていかれる。
「まるで手招きされてるみたい…。」
目の前に現れた大きな波と私の名前を呼ぶ声。
そんな幻聴が聞こえてしまうほど、私はまだみんなと一緒に居たかったんだね。
来世でまた、万里と出会えるのなら。
今度こそきっと______
暗い、何も見えない…?
しんでも苦しいんだ。
これで良かったんだよね。
もし万里がしんだら、私はきっと生きられない…。
(…!……!)
なんだろう?遠くで何かが聞こえるの。
これがお迎えみたいなものなのかな。
(…!___!)
だんだん近づいてくるけど何を言っているのかな。
近づく度に、どんどん苦しくなってくる。
(__!___ッ!)
この声、どこかで聞いたことある。
聞くと安心する声、大好きな声。
「___名前ッ!」
「ッ___ゴホゴホッ!」
ハッキリと私の名前が聞こえたと同時に、海水を吐き出した。
咳き込みながら起き上がる。
「けほけほッ!…あれ?私___」
状況が把握出来ないまま、私の身体が誰かに強く抱きしめられる。
だれ…?
……この香りって、もしかして。
「…万里?」
「ッ__てめぇッ!何してんだッ!!」
「__ッ!」
怒鳴り声とともに抱きしめる腕がさらに強くなった。
なんで万里がここに?
病院で目が覚めなかったはずなのに。
「なに勝手に、しのうとしてんだよッ!!」
「だ、だって、みんなが危険にさらされるかもしれないし…!私、万里がいなくなったら生きていけない____」
「そんなの俺だって同じだっつーのッ!」
……。
__私、
残された人たちのことなにも考えてなかった。
・・・そうだよね。
自分がしんだら何もかも丸く収まるなんて、ずっと思ってた。
「…お前が波にさらわれる所を見て、すぐに駆け寄ったけど抱き上げた時点で息してなかった。」
やっぱり、私しんだの…?
でも、今万里が目の前にいるし、私を強く抱きしめる腕の痛みもある。
「すぐに胸骨圧迫したけど全然目を覚まさなくて、生きた心地がしなかった…。やっと目、覚ましてくれた…ッ。」
あ…前に人命救助の授業したっけ。
少ししかやってないのに、出来るなんてやっぱり万里はすごいな…。
でも、抱きしめる腕が身体が震えている。
泣いている。
「頼むから、もう俺から離れんな。勝手に居なくなんじゃねぇよ……名前ッ。」
万里は微かな嗚咽を漏らして泣いている。
こんなに悲しませてしまったんだ、私。
愛してる人を傷つけてしまった。
「…め、なさ……ごめんなさ…ごめんなさい…万里……ッ。」
瞼が熱くなって、次々に涙が溢れてくる。
こんなことをしてしまったこと、万里を悲しませてしまったことの後悔、自分への怒り全てが涙になって溢れだしてくる。
ヒックと、しゃくりあげて泣きながら、万里を強く抱きしめ返した。
「もう二度とッ、万里の前から居なくなったりッ、しないから。本当に、ごめんなさい。」
「馬鹿でガキでお菓子魔人で、何考えてんのか分かんねぇ変わったやつ。そんな名前に好きにさせられたんだ、最後まで責任持てっつーのッ…。」
「…!ヤンキーで、口が悪くて、ケンカばっかして、意地悪で……かっこよくて、優しくて、私を好きになってくれた私の愛してる人。万里も最後まで責任もってよね…。」
「ぷっ。最後の方悪口じゃねぇだろ!」
抱きしめる腕を離して、お互いの顔を見た。
「ははっひでぇ顔。」
「ふふっ万里こそ。」
万里の頬を両手で包んで、キスをした。
「私、高校卒業したら、天美に進学するよ。アイドルはやめようと思って…。」
「…それがいいかもな。」
優しく微笑んで、キスを返してくれた。
「___名前ッ!」
「お姉ちゃん…。」
「バカっ!何でしのうとなんかしたのッ!万里くんも病院抜け出したりしてッ!」
「監督さん、二人とも濡れてるみたいだし、いったん寮に戻ろう。」
至さんまで来させちゃったんだ。
そうだ、手紙のことお姉ちゃんと万里は知ってたから私がここにいること分かってたんだ……。
「はい。車に置いてあるタオル一枚しかないから、シート濡らさないでね?」
「…はい、ごめんなさい。」
「まあ、無事でよかった。さすが万里。」
「車で来た割に俺より遅いんすね。」
「お前、歩いて帰れよ。」
「さーせん。」
「万里?手、握る力なんか強くない………?」
「もう逃がさねぇからな。」
「束縛系彼氏
「あはは…。名前がまたいなくなるかもしれないって不安なのかも…?」
「そうなの万里?」
「ちょ!監督ちゃん…!?」
疑問に思って万里の顔を覗き込むと少し赤くなっているように見えた。
私も強く握り返す。
「ふふ、万里が嫌がっても離れてあげないんだから。」
「…は、上等だ。」
「監督さん、この二人降ろしてもいいかな?」
「大人げないこと言わないでください。」
__談話室
私と万里を待ち受けていたのは、左京さんの説教だった。
「お前はなぜ誰にも言わずすぐに行動に移すんだ。だいたいお前は、うんたらかんたら____」
「う”…ごもっともです……。」
「摂津、おまえもだ。点滴の針引き抜いて病院を抜け出したそうだな。あの後俺がわざわざお前のために病院にいってどうたらこうたら____」
「…すんませんした。」
やっぱりみんなのお父さんみたいだ。
またパパ呼び始めようかな。
「さ、左京さん。結果的には二人とも無事ですし、私からもあまり怒らないであげてください…。」
「…はぁ。次、勝手な行動をしてみろ。これだけで済むとは思うなよ。」
…左京さん、犯人よりも怖いかもしれない。
「名前がしんだら、おれもしぬ。」
「ご、ごめん。だから、生きてね。」
「何でもできるネオヤンキーのくせに、なんで刺されたの?」
「名前に見とれてたんでしょ。バカップルだし。」
至さん本当に変わらないなぁ…。
「……。」
「あ、黙った。お菓子魔人に見とれてて気づかなかったこと、図星なんだ?」
「っるせーよ!次はぜってぇ油断しねぇし。」
「万チャン…そういうところは弱いんスね……。」
見とれてたって……。
なんかうれしいような恥ずかしいような__。
・・・あ。
そうだ、目の前が見えなくなってしまっていたのは。
____私の方だった。
私が助けるって言っておきながら、また万里に助けられちゃったんだ。
万里の手をぎゅっと握る。
「ん?どーした?」
「…もう、間違えない……からね。」
声が震える。
大丈夫、きっともう誰にも負けない。
今度は私が万里を助けるから___
「んなこと、させねぇって。」
ふっ。と、笑って手を握り返してくれる。
「…?あれ、なんか二人とも顔赤くない……?」
「そーいや、なんかクラクラするっつーか__」
「うん、身体が熱いような___」
バタッ
「た、倒れたッス!」
「…熱、あるみたいだな。」
「風邪ひいたみたいっすね。万里は俺が運んどきますんで、名前は……。」
「俺が運ぶ。」
濡れたまま長時間いたからかな…。
って、左京さんが私を抱きかかえてる…?
「…ほぼ、骨みたいに・・・細いのに……。」
「落とされたいのか?」
「ごめんなさい……。」
「二人の夕飯はお粥とかにしておきますね。」
「臣くんありがとう。」
もう絶対に負けない間違えない____。
「…ばん、り。」
「こんな時まで摂津か。はぁ…、最近のガキはよくわかんねぇな……。」