学生限定アイドルガール
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17・苦手なこと
__談話室
「ただいま~。」
「…おかえり。」
あれ、真澄くんひとりかな?
向かい側のソファーに座って、脚本を読み始める。
「……。」
「……。」
あれ…なんか今日の真澄くんすごい静か……。
なんかあったのかな。
「名前、おかえり。」
「あ、密さん。ただいまです!_____おやすみなさい…。」
そしてすぐ私の太ももで眠る密さん。
少しあたたかい。
「……。」
「……?」
いつもなら何か言ってくるのに、真澄くん本当にどうしたんだろう?
__103号室
「至さん、真澄くんと何かありました?」
「真澄…ね。あんまり話したりしないから分からないかな。」
「それって、稽古に影響しないんですかね…。」
「……さー、どうだろうね。」
真澄くんと至さん、そんなに話さない仲なんだ……。
______
「おい真澄。」
「……。」
「真澄って。」
「俺にかまうな。」
あれ、あんまり話さないとは言ってたけど、なんか至さん真澄くんにすごくさけられてる。
公演までに、仲直りできると良いけど……。
___8月 ライブ会場
「今日のライブは、私たちともう一組で行います!テレビにも出ているような有名なアイドルみたい。どんな人たちなんだろうね?」
「ライブ後、挨拶に行かなくてはいけないのだ!」
「そうね。」
「アイドルにもいろいろあんだな。ま、メイクするから座れよ。」
「お願いします~!」
___
うん。
私たちよりも長くやってるアイドルなのもあって、踊りのキレもすごくいい。
私も、もう少し振り付け頑張らないと……。
___
「あれ…お手洗い行ってたらみんなとはぐれちゃった…。」
この後、挨拶に行こうと思ってたのに。
「なにあの素人。」
「スクールアイドルRYANとか。」
「うちら、本物のアイドル舐めてるよね。」
「リーダー頼りなさそ~。」
あれって、さっきのアイドルの人たち。
あれってもしかして私たちのこと…?
「___あの!」
私はもう、一年の時の様に何も言えない自分ではない。
逃げないで、ちゃんと言わなきゃ。
「あー…。名前さん?ライブお疲れ様です~。」
「今の会話聞いちゃったんですけど、なんでそんなこと言うんですか?」
「…なんだ、聞こえてたんだ。」
「アイドルやめなよ。向いてないし。」
「それでもリーダー?ってくらい頼りないよね。」
「私たちと同じステージに上がるなんて100年早いわよ。」
「…確かにあなたたちのライブには感動しました。ですからアイドルなら、周りを見下すのではなく、さらに上を目指すことを考えるべきだと思います。」
かげ口なんて、ファンのひとが知ったらファンをやめてしまうかもしれないのに。
せっかく人気のアイドルだというのに、なんで…。
「何コイツ。」
「まじうけるね。」
「調子乗ってんじゃねぇよ!」
「モブは引っ込んでろ!」
ドンッ!
「わっ__!」
身体をおされてバランスを崩し、後ろに倒れてしまう__!
____ザクッ
「ぃっ___!!」
なにかが右側の二の腕に刺さり、鋭い痛みが走る。
「あ、あれやばくね?」
「なんでそんなとこにガラスの破片が。」
「結構でかいし、めっちゃ血出てんじゃん。」
「…っしらない!行こ!」
彼女たちは走って立ち去ってしまう。
腕を見るとおおきめのガラスの破片が刺さっている。
「っ……。」
「___名前!」
____莇くん。
「…怪我してんのか!?おい、立てっか?」
私は横に首をふる。
力を入れると刺さったガラスが動いてさらに痛む。
「っえ、えーと…どうすれば…っ!」
莇くん何かしてくれようとしてるけど、手も握れないんだっけ…
誰か呼んできてくれるだけでも___
「~~~っわ、わわるいっ!も、もも、持つからなっ!!」
え___!
焦った様子のまま、スッと私を持ち上げる。
顔が真っ赤で、本当に無理してくれてるんだなってわかった。
__病院
おおきなガラスの破片を取りのぞいてもらうと、縫う代わりに使う手術用テープで傷口を固定させる。
やよいちゃん達には先に帰ってもらうことにした。
「ごめん、莇くん。迷惑かけちゃって……。」
「い、いや、いい。…俺も持ったりして、悪かったな…。」
「ううん、おかげで命拾いしたよ。前も怪我した時も迷惑かけちゃったね…。気をつけるよ!」
「……。」
タクシー代もないので、トコトコ歩いて帰ることにした。
「…アイドルって……危険なのかな…。」
いっそやめてしまおう、とは思わない。
3人で、ここまで作り上げてきたものを壊したくない。
「?」
不自然に車が、歩く私の横に止まった。
「名前?」
「あれ、真澄くんと至さん。」
車を運転する至さんと、助っ席に乗った真澄くんだ。
「こんなとこトボトボ歩いてなにしてんの?今から寮帰るとこだし、乗ってく?」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
後部座席に座って、シートベルトをつける。
「なんで右腕抑えてるの?」
「…中二病ごっこです。」
「本当は?」
「至さん鋭くなりましたね。ちょっとした事故があって、ガラスの破片が刺さったんです。」
「…名前怪我したの?怪我させたやつコロス。」
また物騒なことを……。
「大丈夫ですよ。お二人が一緒に居るの珍しいですね?」
「まーね。ちょっと遊びに。」
「無理やり付き合わせられただけ。」
うーん、でも前より話せているならいいか。
__自室
今日のは、手紙の人とは関係なく普通に事故だったのかな。
でも、室内なのにガラスの破片が壁に立てかけてあるのは、すごく不自然だった。
「……結構痛いなぁ。お風呂の時は防水シート貼ろう。」
ライブ終わったばかりだから、次までに治さないと。
__談話室
今日の夕飯は秋組と一緒だ。
お、おおお……
腕に力が入らなくて、スプーンがうまく持ち上がらない。
頑張れ私___。
「ぅ____っ!」
スプーン超重ーい……。
「…なに遊んでんだ。さっさと食べろ。」
「……はーい。」
お姉ちゃんのカレー、冷めちゃう。
・・・…諦めて左手で食べよう。
「あれ?名前チャン左利きだったんスか?」
「あ、ああ、今日から利き手変えようかなって?えへへ。」
「なんのために変えんだよ。」
「万チャンのから揚げいただきッス~!」
「あ、太一!てめ!!」
トンッ
「あ、名前チャンぶつかってごめんッス。」
「っ~~~!」
隣に座る太一くんが私の右腕に少し当たったはずが、思った以上に腕が痛む。
右腕をおさえて俯く。
「名前チャン!?そんなに痛かったッスか!?」
「だ、大丈夫!平気!オーバーにリアクションしたかっただけ____」
ガシッと左京さんに右腕を掴まれた。
「いっ!っああ!!」
ひ、ひどい!乱暴な!ヤクザ!
「右腕、出せ。」
「おなごに服を脱げというのですか____」
「いいから出せ!」
「……。」
しぶしぶ長袖のパーカーを脱ぎ、半そでのTシャツになる。
「…そんな大きなケガどうしたんだ?」
「ちょっとした事故で……。」
「全部話せ。」
横暴な……。
____
「室内にガラスの破片か……。確かに不自然だな。」
「名前チャン、命狙われてるッスか!?」
「名前……。」
ああ、そんな心配そうな顔しないで…。
「狙われている心当たりはないのか。」
「え、ないかな_____」
「冬組千秋楽後、差出人不明で名前宛ての手紙が届いてる。」
万里はウソをつこうとした私をにらんだ。
ごめんて…。
「名前、もってこい。」
「……はい。」
「実力行使すか?」
「はぁ……。お前は昔から人に頼ろうとしないで無理ばっかしてうんたらかんたら____。」
うわああ説教が始まったあ__!
「こ、これってやばくないッスか…?」
「今回のケガもかなり大きいしな。」
「私なんかよりも、あの二人に何かあったら大変です。何か考えないと_____」
「いい加減自分のことも考えろよ!」
「ば、万里……。」
「いつもいつも他人ばっか気にして、自分のことは後回しにして……。まずは自分の身の安全を考えろ!」
万里は、談話室からでていった。
「……。」
「名前チャン…。」
「……私、誰かに危害が及ぶかもしれないことで、誰かを頼るのが嫌いで、苦手なんです。だから、どうしてもみんなに知られないようにウソをついてしまって。万里には前に話したんですけどあまり分かってもらえていない様です……。」
「……。」
自分でわかっていても昔からのくせはそんな簡単に直るわけじゃない
。
もし私のせいで周りの人たちがケガや事件に巻き込まれたとしたら、私も気が気じゃないのだ。
__談話室
「ただいま~。」
「…おかえり。」
あれ、真澄くんひとりかな?
向かい側のソファーに座って、脚本を読み始める。
「……。」
「……。」
あれ…なんか今日の真澄くんすごい静か……。
なんかあったのかな。
「名前、おかえり。」
「あ、密さん。ただいまです!_____おやすみなさい…。」
そしてすぐ私の太ももで眠る密さん。
少しあたたかい。
「……。」
「……?」
いつもなら何か言ってくるのに、真澄くん本当にどうしたんだろう?
__103号室
「至さん、真澄くんと何かありました?」
「真澄…ね。あんまり話したりしないから分からないかな。」
「それって、稽古に影響しないんですかね…。」
「……さー、どうだろうね。」
真澄くんと至さん、そんなに話さない仲なんだ……。
______
「おい真澄。」
「……。」
「真澄って。」
「俺にかまうな。」
あれ、あんまり話さないとは言ってたけど、なんか至さん真澄くんにすごくさけられてる。
公演までに、仲直りできると良いけど……。
___8月 ライブ会場
「今日のライブは、私たちともう一組で行います!テレビにも出ているような有名なアイドルみたい。どんな人たちなんだろうね?」
「ライブ後、挨拶に行かなくてはいけないのだ!」
「そうね。」
「アイドルにもいろいろあんだな。ま、メイクするから座れよ。」
「お願いします~!」
___
うん。
私たちよりも長くやってるアイドルなのもあって、踊りのキレもすごくいい。
私も、もう少し振り付け頑張らないと……。
___
「あれ…お手洗い行ってたらみんなとはぐれちゃった…。」
この後、挨拶に行こうと思ってたのに。
「なにあの素人。」
「スクールアイドルRYANとか。」
「うちら、本物のアイドル舐めてるよね。」
「リーダー頼りなさそ~。」
あれって、さっきのアイドルの人たち。
あれってもしかして私たちのこと…?
「___あの!」
私はもう、一年の時の様に何も言えない自分ではない。
逃げないで、ちゃんと言わなきゃ。
「あー…。名前さん?ライブお疲れ様です~。」
「今の会話聞いちゃったんですけど、なんでそんなこと言うんですか?」
「…なんだ、聞こえてたんだ。」
「アイドルやめなよ。向いてないし。」
「それでもリーダー?ってくらい頼りないよね。」
「私たちと同じステージに上がるなんて100年早いわよ。」
「…確かにあなたたちのライブには感動しました。ですからアイドルなら、周りを見下すのではなく、さらに上を目指すことを考えるべきだと思います。」
かげ口なんて、ファンのひとが知ったらファンをやめてしまうかもしれないのに。
せっかく人気のアイドルだというのに、なんで…。
「何コイツ。」
「まじうけるね。」
「調子乗ってんじゃねぇよ!」
「モブは引っ込んでろ!」
ドンッ!
「わっ__!」
身体をおされてバランスを崩し、後ろに倒れてしまう__!
____ザクッ
「ぃっ___!!」
なにかが右側の二の腕に刺さり、鋭い痛みが走る。
「あ、あれやばくね?」
「なんでそんなとこにガラスの破片が。」
「結構でかいし、めっちゃ血出てんじゃん。」
「…っしらない!行こ!」
彼女たちは走って立ち去ってしまう。
腕を見るとおおきめのガラスの破片が刺さっている。
「っ……。」
「___名前!」
____莇くん。
「…怪我してんのか!?おい、立てっか?」
私は横に首をふる。
力を入れると刺さったガラスが動いてさらに痛む。
「っえ、えーと…どうすれば…っ!」
莇くん何かしてくれようとしてるけど、手も握れないんだっけ…
誰か呼んできてくれるだけでも___
「~~~っわ、わわるいっ!も、もも、持つからなっ!!」
え___!
焦った様子のまま、スッと私を持ち上げる。
顔が真っ赤で、本当に無理してくれてるんだなってわかった。
__病院
おおきなガラスの破片を取りのぞいてもらうと、縫う代わりに使う手術用テープで傷口を固定させる。
やよいちゃん達には先に帰ってもらうことにした。
「ごめん、莇くん。迷惑かけちゃって……。」
「い、いや、いい。…俺も持ったりして、悪かったな…。」
「ううん、おかげで命拾いしたよ。前も怪我した時も迷惑かけちゃったね…。気をつけるよ!」
「……。」
タクシー代もないので、トコトコ歩いて帰ることにした。
「…アイドルって……危険なのかな…。」
いっそやめてしまおう、とは思わない。
3人で、ここまで作り上げてきたものを壊したくない。
「?」
不自然に車が、歩く私の横に止まった。
「名前?」
「あれ、真澄くんと至さん。」
車を運転する至さんと、助っ席に乗った真澄くんだ。
「こんなとこトボトボ歩いてなにしてんの?今から寮帰るとこだし、乗ってく?」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
後部座席に座って、シートベルトをつける。
「なんで右腕抑えてるの?」
「…中二病ごっこです。」
「本当は?」
「至さん鋭くなりましたね。ちょっとした事故があって、ガラスの破片が刺さったんです。」
「…名前怪我したの?怪我させたやつコロス。」
また物騒なことを……。
「大丈夫ですよ。お二人が一緒に居るの珍しいですね?」
「まーね。ちょっと遊びに。」
「無理やり付き合わせられただけ。」
うーん、でも前より話せているならいいか。
__自室
今日のは、手紙の人とは関係なく普通に事故だったのかな。
でも、室内なのにガラスの破片が壁に立てかけてあるのは、すごく不自然だった。
「……結構痛いなぁ。お風呂の時は防水シート貼ろう。」
ライブ終わったばかりだから、次までに治さないと。
__談話室
今日の夕飯は秋組と一緒だ。
お、おおお……
腕に力が入らなくて、スプーンがうまく持ち上がらない。
頑張れ私___。
「ぅ____っ!」
スプーン超重ーい……。
「…なに遊んでんだ。さっさと食べろ。」
「……はーい。」
お姉ちゃんのカレー、冷めちゃう。
・・・…諦めて左手で食べよう。
「あれ?名前チャン左利きだったんスか?」
「あ、ああ、今日から利き手変えようかなって?えへへ。」
「なんのために変えんだよ。」
「万チャンのから揚げいただきッス~!」
「あ、太一!てめ!!」
トンッ
「あ、名前チャンぶつかってごめんッス。」
「っ~~~!」
隣に座る太一くんが私の右腕に少し当たったはずが、思った以上に腕が痛む。
右腕をおさえて俯く。
「名前チャン!?そんなに痛かったッスか!?」
「だ、大丈夫!平気!オーバーにリアクションしたかっただけ____」
ガシッと左京さんに右腕を掴まれた。
「いっ!っああ!!」
ひ、ひどい!乱暴な!ヤクザ!
「右腕、出せ。」
「おなごに服を脱げというのですか____」
「いいから出せ!」
「……。」
しぶしぶ長袖のパーカーを脱ぎ、半そでのTシャツになる。
「…そんな大きなケガどうしたんだ?」
「ちょっとした事故で……。」
「全部話せ。」
横暴な……。
____
「室内にガラスの破片か……。確かに不自然だな。」
「名前チャン、命狙われてるッスか!?」
「名前……。」
ああ、そんな心配そうな顔しないで…。
「狙われている心当たりはないのか。」
「え、ないかな_____」
「冬組千秋楽後、差出人不明で名前宛ての手紙が届いてる。」
万里はウソをつこうとした私をにらんだ。
ごめんて…。
「名前、もってこい。」
「……はい。」
「実力行使すか?」
「はぁ……。お前は昔から人に頼ろうとしないで無理ばっかしてうんたらかんたら____。」
うわああ説教が始まったあ__!
「こ、これってやばくないッスか…?」
「今回のケガもかなり大きいしな。」
「私なんかよりも、あの二人に何かあったら大変です。何か考えないと_____」
「いい加減自分のことも考えろよ!」
「ば、万里……。」
「いつもいつも他人ばっか気にして、自分のことは後回しにして……。まずは自分の身の安全を考えろ!」
万里は、談話室からでていった。
「……。」
「名前チャン…。」
「……私、誰かに危害が及ぶかもしれないことで、誰かを頼るのが嫌いで、苦手なんです。だから、どうしてもみんなに知られないようにウソをついてしまって。万里には前に話したんですけどあまり分かってもらえていない様です……。」
「……。」
自分でわかっていても昔からのくせはそんな簡単に直るわけじゃない
。
もし私のせいで周りの人たちがケガや事件に巻き込まれたとしたら、私も気が気じゃないのだ。