学生限定アイドルガール
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「っ天馬くん!」
「…お前、こんなとこでなにやってんだ?」
「迷子になったんだよ…。」
「迷子かよ……。」
天馬くんは呆れたような顔をする。
「ほら、置いていけないだろ。」
天馬くんが、手を差し出し私はその手を掴んだ。
「ありがとう、天馬くん。」
「!……天馬でいい。」
顔は見えないが、耳を赤くしてそういった。
「うん、天馬!」
知ってる人に出会えて、とても心強くなった。
「天馬は、コンテスト終わったの?」
「おう、いまから花火見るとこだったんだ。」
「すごい!おめでとう!」
「…と、当然だろ!」
すごいな……。
あれ…?
な、なんか、進んでも進んでも一向にどこにもつかない…。
「…天馬、もしかして迷子______」
「ち、違うぞ!迷子なんかじゃない!」
前に、万里が天馬は迷子魔って言ってた気がする……。
「な、なんか誰もいないね…?」
「……。」
あ、天馬黙っちゃった…。
天馬は、先ほどから一度もこちらを向いていない…。
「で、でも、人並の中にいるの疲れちゃったしちょうどいいかな!?」
「…好きだ。」
え?いまなんて____
天馬はやっとこっちを向くと、顔が少し赤く見えた。
「俺、お前のこと好きなんだよ。」
「え!?」
て、天馬なに言ってるの!?
「ま、迷子になっておかしくなったんじゃ___!?」
「違う!オーディションの時。あんなボロクソ言ってやったのに、まっすぐ俺を見て言い返してきたのは名前が初めてだった。」
あ____。
そうだったんだ…。
「その時から気になってて、撮影で会うたびにどんどん好きになって。…万里さんと付き合ってるのはわかってる。けど___」
「___!」
グッと私を引き寄せて、抱きしめる。
「けど、やっぱり名前のこと諦めきれない…。」
…天馬。
私、ずっと気づかなかった。
「絶対俺のこと好きにさせるからな。」
天馬は両手で私の頬をなでて、額を合わせる__
「て、んま……?」
「名前どのぉおお!!」
あ、みんなだ!
「……行こ、天馬?」
「ああ。」
「迷子になんなよっつたろ!」
「ほ、ほへふははひ(ご、ごめんなさい)。」
万里に片手で頬を掴まれた。
「天馬も一緒だったんだな。」
「まーな。」
「天馬くーん!って、名前たちも来てたの?」
遠くからお姉ちゃんが手を振って来た。
「お姉ちゃん!」
「じゃ、一緒に花火見に行こうか!こっちだよ!」
私たちは、お姉ちゃんのあとをついていった。
_____
万里_side
「天馬といれば迷子にもなるだろーな。」
「迷子じゃない!」
「へーへー。」
っつーか、なんで名前のやつ顔赤くなってたんだ…?
「…万里さん。」
「ん?」
「俺も名前のこと狙ってるからな。」
「は?」
狙ってるって。
天馬が、名前のことが好きっつーことだよな…?
「万里さんより、俺の方が好きにさせてやる。」
宣戦布告っつーわけか……。
「は、やってみろ。」
まさか、天馬がアイツのこと好きだったとはな__。
___河原付近
名前
「あ、名前ちゃん達も来てたんだ!」
紬さんに、真澄くん、咲也くんまで!
そっか、コンテスト優勝者には花火が一番見える特等席が景品に入ってたんだっけ。
「私たち、コンテスト出てないのに良いのかな……。」
「当たり前。名前のためにも頑張った。」
そういって真澄くんは私の手を引く。
「ちょ、真澄くん!名前ちゃんには万里くんがいるから駄目だよ!」
「俺の方が名前のことが好き。万里にも渡さない。」
「あ、はは…。」
「(真澄はもうあきらめてるようなもんだしな…。)」
花火が始まって、幸くんと太一くんとも合流した。
突然、腕を掴まれたかと思うと、立ち上がらされて後ろに引き寄せられた。
「__!天馬?」
「こっちの方が見やすいんだよ。」
そうなんだ。
「いや、こっちの方が見やすいな。」
今度は万里の方に引き寄せられる。
「…?……?」
結局、天馬と万里の真ん中で見ることになった。
__中庭
「打ち上げ花火もいいけど、手持ち花火もいいよね!」
寮に戻ると、みんなで手持ち花火をすることになった。
「ほら、名前。花火。」
「あ、ありがとう!天馬。」
なんか、突然優しくなったような……。
「ほら、よそ見してっとあぶねぇぞ。」
「あ、うん。」
「……。」
万里が後ろから、花火を持つ私の手を握る。
「あ、椋くんのそれ線香花火?」
「そうですよ!やりますか?」
「うん!」
「……。」
やり終わった手持ち花火をバケツに入れ、椋くんから線香花火を受け取る。
「こんなに小さいのにきれいだよね。」
「そうですね。あ!線香花火といえば、少女漫画の定番ですよね!」
そうなんだ…!
初めて知ったな……。
「俺もドラマの撮影でやったな。」
「そうなの?じゃあどっちが長くできるか競争だね!」
「おう、望むところだ。」
三回勝負で、天馬の線香花火が一番早く落ちた。
「ポンコツ役者は花火もポンコツなんだ。」
「うるさい!」
「っぷ、あはは!」
「そんなに笑う事かよ……。」
「ふふ、ごめんね。天馬があまりにも真剣にやってたから。」
「……。」
あ、天馬に目をそらされてしまった……。
「おい、天馬。俺と勝負しろよ?」
「万里さんには負ける気がしないな。」
どこからそんな自信が……。
「……なぜだ。」
「よゆ~よゆ~。」
やっぱり負けてる。
「ふふ、天馬面白いな~。万里、私より長かったね!」
「まーな。」
「くっそ……。」
「あれ、太一く____」
「しぃー。」
太一くんは、天馬くんの近くでねずみ花火に火をつけた。
「うおっ!た、太一!!」
「あははは!!」
天馬のことあんまり知らなかったけど、面白い人だなぁ。
「……名前。」
「ん?どうしたの万里。」
「ちょっと、バルコニーんとこで休もうぜ。」
確かに、ずっとゆっくりできてないな。
「うん。」
「……。」
__バルコニー
「夏の星空もきれいだねー!」
夏の大三角が見える。
三角くんが見たら喜びそうだな~。
「あ!ブレスレット、忘れてた!」
箱から出して、万里に差し出す。
__?
受け取ってくれない…。
「名前がつけて。」
「え、いいけど。」
私の方に向けている手首にブレスレットをカチッと止める。
万里の手、やっぱり男の人の手だなぁ…。
私よりも大きくて______
「なに見とれてんの。」
万里の指が私の指に絡む。
「み、見とれてないよ!」
頬杖をついて私を見つめていた。
「今日の名前、綺麗だな。」
「へ!?」
「っぷ、顔真っ赤じゃん。」
なんか遊ばれてるような…。
「ば、万里もいつもより…かっこいいよ?」
「は…。」
「万里も顔赤いね!」
「……うるせぇよ。」
ふと、万里のピアスが目にはいった。
私もあけたいな…せっかく買ったピアスはやくつけたい。
「ピアス、自分で開けたんだよね?自分でって難しそう。」
「んじゃ、俺やってやろーか?」
「うーん、じゃあお願いしようかな。本当は高校卒業してから開けようと思ってたんだけど、付けたいピアスがあるんだ。」
「ふーん。」
万里は経験者だから、心配いらなそうだな。
痛かったらいやだな……。
「……。」