学生限定アイドルガール
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2一人暮らし
父の手紙に書かれていた住所の最寄り駅は天鵞絨駅 。
アナウンスが流れると目的の天鵞絨駅 で電車が停まった。
重いリュックとキャリーケースを持って、よいしょ。と電車から降りる。
ぐーんと背伸びをして目的地へと足を速めた。
目的地へ向かう道で”ビロードウェイ”という文字を見かけた。
たくさんの劇場が立ち並んでいて、道のところどころで数人が集まり何かをしている。
さらに進むと、MANKAIカンパニーという劇場の前に怖そうな人が2人立っている。
怖そうな人達の正面にはもわっとした髪にメガネをかけた男性がペコペコ謝っている。
も、もしかしてカツアゲされているのでは……?
私の中の正義が考えるよりも先に行動に移していた。
「あ、あの!」
「あ?」
「アニキ。なんすかこのガキ?」
もわっとした髪の男性の前に立ちはだかってそう告げると、黒づくめの人にすごく怖い顔で睨まれて今にも泣きだしてしまいそうだ。
「か、カツアゲはッ!ダメッ!絶対っ!」
「はぁ…。ガキはすっこんでろ。テメェには関係ねぇことだ。」
「え、えーっと……?」
黒づくめさんの迫力に身体がプルプルと小刻みに震え、怖くて変な日本語に……。
隣の人もポケットに手を入れたまま睨んでいる。
そして間抜けな声を出すもわっとした髪の男性。
「か、関係なくありません!私…今日からこの町に暮らすんです。み、見逃せません。」
手に持っていた手紙が震える手からするりとすべり落ちてしまう。
その手紙を地面に落ちる前に手に取ったのは、目の前の黒づくめの人だった。
「…お前……。」
「ご、ごめんなさっ!!」
「……はぁ。行くぞ迫田。」
「あ、あいあいさー!」
黒づくめの人はその手紙をもわっとした髪の男性人に渡すと、その場から立ち去っていった。
「…え…ええぇえええええ!?」
モワッとした髪の男性は突然大声を上げた。びっくりして少し離れて振り返る。
「た、立花幸夫さんの、娘さん____!?」
「…え?父をご存じなのですか?……何かご存知であれば教えてください!6年前に突然連絡が取れなくなってしまったんです……!」
父の名前を言う男の人。
彼は父を知っている?この人は父とはどういうつながりなのだろう。
「え?自宅にいらっしゃらないのですか?……そうですか。幸夫さんの行方は私もご存じなくて…6年前に突然姿を消したっきり、音信不通なんですよ。それから劇団員も次々に辞めて閉まって……。」
「そう、ですか。」
彼の話から、父は6年前までは劇団で監督をしていたという。
じゃあ彼は父の友人…?
「そうそう!先ほどはありがとうございました!」
「いえ!もしかしてもうカツアゲされてお金取られちゃいましたか?」
「あー…。……実は_____」
劇団員がいなくなった今MANKAIカンパニーは公演をしていないため収入が入ってくるところがなく、なんと借金をつくっていて返せていないらしい。たまる一方のようで。
その為あのヤクザさんが取りに来ていたという。
ということは、私勘違いを……うぅ、穴があったら入りたい…。
「えーと。この手紙によると、うち団員寮の事みたいですね。あ!申し遅れました!私、幸夫さんの劇団の支配人、松川伊助と申します!よろしくお願いします!」
「私は、立花名前です!支配人だったんですね!」
「そうなんです!うちの寮から高校に通うように書いてありますので、幸夫さんの部屋まで案内しますね!…でも、なんで急にこんな手紙を送ってきたんでしょう?」
「父は昔から私が悩んでいることがお見通しなんです…。今回も進学する高校に悩んでいたら父からこの手紙が届いたんですよ。」
「そうなんですか!幸夫さんにそんな能力が…。あ、じゃあ寮まで案内しますね!こっちです!」
支配人についていくと大きな建物が見えてきた……。
この大きな建物がMANKAIカンパニーの劇場の専用劇団員の寮。
今日からこんなに大きな寮に住むことを想像しただけで胸が弾む。
「ここの二階に幸夫さんの使っていた部屋があるんですが、かなり広いんです…。荷物を置いたら、寮の中を案内しますので、お待ちしてますね!」
「広いんですか!部屋を見るのが楽しみです!じゃあすぐに荷物置いてきますね!」
二階の元父の部屋は確かにとても広かった。
ベットと机を二つずつ置いてもまだ広そう…。
こんなところに一人はさみしいな…。
部屋の隅に荷物を置き、支配人に寮の中の案内をしてもらった。
お風呂、トイレは共同。
劇団の練習場が2つ。中庭の花壇には花が咲いていて、何か育てたいものがあれば自由にしていいみたい。
バルコニーにはテーブルと椅子があった。
寮の中は本当に広かったが、記憶力には自信がある。
一度案内してもらっただけですべて把握できた。
荷物の整理が終わると支配人から夕飯ができたと呼ばれた。
すぐに階段を降りて一階へ向かう。
「さぁ!召し上がってください!!」
「えっと…これは……?毒とか入ってないですよね…?」
「失礼な!私が腕によりをかけてつくったんですよ!さ、おかわりもありますよ!」
はっきり言って食べれそうには見えない…。
きっと見た目が悪いだけ…味に期待する。
思い切ってパクと料理を口に入れた。
「んっ!!」
「どうですか!!」
「はっきり言って一口でもう充分です……。」
「えぇええ!!そんなにひどい味ですか!?」
見た目の通り味もひどい。
これを毎日は命の危機を感じる…。
「明日から料理は私がつくります。今日は姉からお祝いに預かった秘伝のスパイスを使ってカレーにします。」
合格祝いにくれた秘伝のスパイスシリーズがこんなに早く役に立つときがくるとは思わなかった。
姉に心から感謝してこの料理を姉に学んだカレーに変身させた。
「お!おいしいですね!!こんなカレー初めて食べました!!!」
「姉がカレー大好きでよく作り方を教わっていたんです。姉のカレーは天下一品ものなんですよ!」
姉の秘伝のスパイスを使ったカレーを支配人に褒めてもらえて、わたしも鼻が高い。
次の日から朝晩の食事は私の担当になった。
というかいつの間にか洗濯、掃除、水やりすべてが私の担当になった……。
支配人はいったい何をするのかな…。
チューリップに水をあげていると、オウムの亀吉が私の頭にとまった。
「オイ。俺のメシはまだカ。」
「あー!ごめんなさい!!」
「腹へっタ!忘れルナ!」
ほかの事で頭がいっぱいで亀吉のご飯のことをすっかり忘れていた。
亀吉にツンツンと頭をつつかれるが、手加減をしてくれているのか全く痛くはない。
____そして、ついに明日は入学式。
父の手紙に書かれていた住所の最寄り駅は
アナウンスが流れると目的の
重いリュックとキャリーケースを持って、よいしょ。と電車から降りる。
ぐーんと背伸びをして目的地へと足を速めた。
目的地へ向かう道で”ビロードウェイ”という文字を見かけた。
たくさんの劇場が立ち並んでいて、道のところどころで数人が集まり何かをしている。
さらに進むと、MANKAIカンパニーという劇場の前に怖そうな人が2人立っている。
怖そうな人達の正面にはもわっとした髪にメガネをかけた男性がペコペコ謝っている。
も、もしかしてカツアゲされているのでは……?
私の中の正義が考えるよりも先に行動に移していた。
「あ、あの!」
「あ?」
「アニキ。なんすかこのガキ?」
もわっとした髪の男性の前に立ちはだかってそう告げると、黒づくめの人にすごく怖い顔で睨まれて今にも泣きだしてしまいそうだ。
「か、カツアゲはッ!ダメッ!絶対っ!」
「はぁ…。ガキはすっこんでろ。テメェには関係ねぇことだ。」
「え、えーっと……?」
黒づくめさんの迫力に身体がプルプルと小刻みに震え、怖くて変な日本語に……。
隣の人もポケットに手を入れたまま睨んでいる。
そして間抜けな声を出すもわっとした髪の男性。
「か、関係なくありません!私…今日からこの町に暮らすんです。み、見逃せません。」
手に持っていた手紙が震える手からするりとすべり落ちてしまう。
その手紙を地面に落ちる前に手に取ったのは、目の前の黒づくめの人だった。
「…お前……。」
「ご、ごめんなさっ!!」
「……はぁ。行くぞ迫田。」
「あ、あいあいさー!」
黒づくめの人はその手紙をもわっとした髪の男性人に渡すと、その場から立ち去っていった。
「…え…ええぇえええええ!?」
モワッとした髪の男性は突然大声を上げた。びっくりして少し離れて振り返る。
「た、立花幸夫さんの、娘さん____!?」
「…え?父をご存じなのですか?……何かご存知であれば教えてください!6年前に突然連絡が取れなくなってしまったんです……!」
父の名前を言う男の人。
彼は父を知っている?この人は父とはどういうつながりなのだろう。
「え?自宅にいらっしゃらないのですか?……そうですか。幸夫さんの行方は私もご存じなくて…6年前に突然姿を消したっきり、音信不通なんですよ。それから劇団員も次々に辞めて閉まって……。」
「そう、ですか。」
彼の話から、父は6年前までは劇団で監督をしていたという。
じゃあ彼は父の友人…?
「そうそう!先ほどはありがとうございました!」
「いえ!もしかしてもうカツアゲされてお金取られちゃいましたか?」
「あー…。……実は_____」
劇団員がいなくなった今MANKAIカンパニーは公演をしていないため収入が入ってくるところがなく、なんと借金をつくっていて返せていないらしい。たまる一方のようで。
その為あのヤクザさんが取りに来ていたという。
ということは、私勘違いを……うぅ、穴があったら入りたい…。
「えーと。この手紙によると、うち団員寮の事みたいですね。あ!申し遅れました!私、幸夫さんの劇団の支配人、松川伊助と申します!よろしくお願いします!」
「私は、立花名前です!支配人だったんですね!」
「そうなんです!うちの寮から高校に通うように書いてありますので、幸夫さんの部屋まで案内しますね!…でも、なんで急にこんな手紙を送ってきたんでしょう?」
「父は昔から私が悩んでいることがお見通しなんです…。今回も進学する高校に悩んでいたら父からこの手紙が届いたんですよ。」
「そうなんですか!幸夫さんにそんな能力が…。あ、じゃあ寮まで案内しますね!こっちです!」
支配人についていくと大きな建物が見えてきた……。
この大きな建物がMANKAIカンパニーの劇場の専用劇団員の寮。
今日からこんなに大きな寮に住むことを想像しただけで胸が弾む。
「ここの二階に幸夫さんの使っていた部屋があるんですが、かなり広いんです…。荷物を置いたら、寮の中を案内しますので、お待ちしてますね!」
「広いんですか!部屋を見るのが楽しみです!じゃあすぐに荷物置いてきますね!」
二階の元父の部屋は確かにとても広かった。
ベットと机を二つずつ置いてもまだ広そう…。
こんなところに一人はさみしいな…。
部屋の隅に荷物を置き、支配人に寮の中の案内をしてもらった。
お風呂、トイレは共同。
劇団の練習場が2つ。中庭の花壇には花が咲いていて、何か育てたいものがあれば自由にしていいみたい。
バルコニーにはテーブルと椅子があった。
寮の中は本当に広かったが、記憶力には自信がある。
一度案内してもらっただけですべて把握できた。
荷物の整理が終わると支配人から夕飯ができたと呼ばれた。
すぐに階段を降りて一階へ向かう。
「さぁ!召し上がってください!!」
「えっと…これは……?毒とか入ってないですよね…?」
「失礼な!私が腕によりをかけてつくったんですよ!さ、おかわりもありますよ!」
はっきり言って食べれそうには見えない…。
きっと見た目が悪いだけ…味に期待する。
思い切ってパクと料理を口に入れた。
「んっ!!」
「どうですか!!」
「はっきり言って一口でもう充分です……。」
「えぇええ!!そんなにひどい味ですか!?」
見た目の通り味もひどい。
これを毎日は命の危機を感じる…。
「明日から料理は私がつくります。今日は姉からお祝いに預かった秘伝のスパイスを使ってカレーにします。」
合格祝いにくれた秘伝のスパイスシリーズがこんなに早く役に立つときがくるとは思わなかった。
姉に心から感謝してこの料理を姉に学んだカレーに変身させた。
「お!おいしいですね!!こんなカレー初めて食べました!!!」
「姉がカレー大好きでよく作り方を教わっていたんです。姉のカレーは天下一品ものなんですよ!」
姉の秘伝のスパイスを使ったカレーを支配人に褒めてもらえて、わたしも鼻が高い。
次の日から朝晩の食事は私の担当になった。
というかいつの間にか洗濯、掃除、水やりすべてが私の担当になった……。
支配人はいったい何をするのかな…。
チューリップに水をあげていると、オウムの亀吉が私の頭にとまった。
「オイ。俺のメシはまだカ。」
「あー!ごめんなさい!!」
「腹へっタ!忘れルナ!」
ほかの事で頭がいっぱいで亀吉のご飯のことをすっかり忘れていた。
亀吉にツンツンと頭をつつかれるが、手加減をしてくれているのか全く痛くはない。
____そして、ついに明日は入学式。