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序章 あるいは、太陽と向日葵
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1999年7月のなかば。まるで自覚症状もないまま進行していく病のように―――――ぼくの町、杜王町でひそかに行われていた奇妙な連続殺人事件は、その真犯人である「吉良吉影」の死で、ともかくの終わりを迎えた。
吉良の死因は『不慮の事故』。7月16日の朝、青葉区の住宅街でたまたま発生したガス漏れ火災(ということになっている)の現場に駆け付けた救急車に、運悪く頭部を轢かれてしまったのだ(ということになっている)。
もちろん、町のほとんどの人達は、事件の真相を何も知らない。
学校は例年通り休みに入り、みんな海に出かけたり、山に出かけたり―――――ごく当たり前の夏を過ごしている。
当たり前の夏―――――それはぼく、広瀬康一(まー、覚えてもらう必要はないですけど・・・)と、ガールフレンドの山岸由花子さんにとっても同じで、ぼくたち2人は夏休みが始まってからも、カフェや図書館でよく一緒に勉強をしていた。
8月も中旬に近づいたその日は特に暑い日だったので、ぼくたちは「レインボー・アイスクリーム」で夏期限定のスペシャルサンデーを食べながら宿題をするつもりで、駅裏の通学路を歩いていた。そして、「国見峠霊園」のすぐ近くのT字路で、その店を見つけたのだった。