紫紺のライラックを君に
名前
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日曜日は学校が休みな為、一日中家で本を読んで過ごしたいと思った。紅茶やちょっとしたお茶菓子なんかも用意して、リラックスしようと思っていた筈なのに。
「え?郵便物ですか?」
「はい。昨日も伺ったんですが、その時は不在でしたので。」
「はぁ、そうですか。」
取り敢えず、笑顔で接客をする配達員から郵便物を受け取った。
何も頼んでいない筈だが__しかし郵便物の宛名にはしっかりと僕の住所と名前が書かれている。
発送先は__【名前】?誰だ?
身に覚えのない名前だったが、もし開けてみて危険物だったりしたら警察に出そう。
そう思い開けてみると、中にはシンプルな白色の封筒と淡い白藍色の箱が入っていた。
何だこれと警戒心と好奇心が入り乱れる中、封筒を開けた。
【愛しき先輩へ】
あいつだ。
書き出しでわかった。というかなんで僕の家の住所知ってるんだ。教えてないだろ。ストーカーか?
正直鳥肌が立った。
【愛しき先輩へ】
【お元気でしょうか?きっと今頃××州××番地の××、××号室にて寛いでいると思います。】
おい僕の住所。
【まぁきっと愛しの名前ちゃんがお陀仏してしまって悲しみに打ち震えていると思います(笑)】
何笑ってんだ、舐めてんのか。
【私は先輩の事よ〜く知ってますが、先輩は私の事何も知らないでしょうから、優しい名前ちゃんが教えてあげますね。】
怖っ。別に知りたくないし__と呟きかけた時、確かに僕はお前の事何も知らないな、と思った。
何故か胸がキュッと締め付けられた気がして、黒い霧のようなものが胸元でモヤモヤと動いているような、そんな感覚がした。
【私はね、苺が好きです。何故かって?先輩の名前がパンナコッタだからですよ。それに美味しいですしね。という訳でお供え物は苺でお願いします。あ、一粒5000円するやつで。】
いやお供え物に生物希望するなよ。あと贅沢言うんじゃない。
【あと先輩が好きです。何故かというと、まぁ__一目惚れってやつですよ。名前ちゃんそこからの行動は早くてですね、当たって砕けろ精神で先輩に近づきました。男らしいでしょ?惚れました?】
君、全然砕ける気配なかったけどね。
【まぁ、それくらいですかね。】
少なっ。いや好きな物少な過ぎでしょ。二つってなんだよ。片方僕だし。もっと他に好きな物とか__。
【先輩、好きですよ。もっと私の事知ってください。】
そんな事言ったって、君はもういないじゃないか。馬鹿な事言うなよ。
【先輩を一人にさせたくないので、生まれ変わってまた付き纏っちゃいますね。】
お前いつまでも僕が一人だと思うなよ。僕だって仲間の一人や二人くらい、作ってみせるからな。今に見とけよ。
【__死にたくない。】
【怖い、怖いよ】
【なんで私が死ななきゃいけないの?】
視界が霞んだ。
あんな能天気なくせに、こんな事考えてたんだなと思った。
__あいつも、怖かったのか。
というかお前、文章矛盾し過ぎだろ。
置いてかないって言いながら実際置いてったし、私の事知って欲しいって言いながら三つしか教えてくれないし、お墓の場所だって書いてないんだ。こんなんじゃお見舞いになんて行けないだろ。
そんな言葉が心の中で木霊する。
力の限りに握り締めていたせいで、皺でぐしゃぐしゃになってしまった手紙を見た時、視界に淡い白藍色の箱が映った。
震える手で、でも出来るだけ丁寧に蓋を開けると、白いシルクの上に紺色の生地に可愛らしい苺の刺繍が施されたネクタイが入っていた。
【先輩はパンナコッタさんですからね。可愛い苺にしときました。私だと思っていつでも着けてください。Tシャツの時も、裸の時も__このネクタイは私ですので、いつでも先輩に抱き着いていられますね!】
うわぁ__。
それにしてもセンス悪いな君__しかもなんでレシート入れてるんだよ、意外と高いなこれ。
高級そうな箱に入っていたのはレシートで、裏に文が書いてあった。普通ちゃんとした紙に書くだろ。プレゼントにレシートを入れるな。
はぁ__と溜め息をつくと、気づけば視界は元に戻っていた。あいつのおふざけがこんな所で役に立つとは__。
ふっ__と何故か顔が綻んだ。
最後まで、変わらないやつだな、君は。
__一回くらい、手紙でも送るか。
そう思って、ペンを取った。
【__生まれ変わっても付き纏うって、懲りないやつだな、君は。正直迷惑だと思ったよ。でも、いきなり君が居なくなって静か過ぎるのが逆に落ち着かないんだよな、悔しいことに。あ、良いように解釈するなよ。だから、早く戻って来い。待ってるから。】
彼女の住所を写そうとした時、何故か酷く胸が痛んで、この手紙はグシャグシャにしてゴミ箱に捨てた。
「え?郵便物ですか?」
「はい。昨日も伺ったんですが、その時は不在でしたので。」
「はぁ、そうですか。」
取り敢えず、笑顔で接客をする配達員から郵便物を受け取った。
何も頼んでいない筈だが__しかし郵便物の宛名にはしっかりと僕の住所と名前が書かれている。
発送先は__【名前】?誰だ?
身に覚えのない名前だったが、もし開けてみて危険物だったりしたら警察に出そう。
そう思い開けてみると、中にはシンプルな白色の封筒と淡い白藍色の箱が入っていた。
何だこれと警戒心と好奇心が入り乱れる中、封筒を開けた。
【愛しき先輩へ】
あいつだ。
書き出しでわかった。というかなんで僕の家の住所知ってるんだ。教えてないだろ。ストーカーか?
正直鳥肌が立った。
【愛しき先輩へ】
【お元気でしょうか?きっと今頃××州××番地の××、××号室にて寛いでいると思います。】
おい僕の住所。
【まぁきっと愛しの名前ちゃんがお陀仏してしまって悲しみに打ち震えていると思います(笑)】
何笑ってんだ、舐めてんのか。
【私は先輩の事よ〜く知ってますが、先輩は私の事何も知らないでしょうから、優しい名前ちゃんが教えてあげますね。】
怖っ。別に知りたくないし__と呟きかけた時、確かに僕はお前の事何も知らないな、と思った。
何故か胸がキュッと締め付けられた気がして、黒い霧のようなものが胸元でモヤモヤと動いているような、そんな感覚がした。
【私はね、苺が好きです。何故かって?先輩の名前がパンナコッタだからですよ。それに美味しいですしね。という訳でお供え物は苺でお願いします。あ、一粒5000円するやつで。】
いやお供え物に生物希望するなよ。あと贅沢言うんじゃない。
【あと先輩が好きです。何故かというと、まぁ__一目惚れってやつですよ。名前ちゃんそこからの行動は早くてですね、当たって砕けろ精神で先輩に近づきました。男らしいでしょ?惚れました?】
君、全然砕ける気配なかったけどね。
【まぁ、それくらいですかね。】
少なっ。いや好きな物少な過ぎでしょ。二つってなんだよ。片方僕だし。もっと他に好きな物とか__。
【先輩、好きですよ。もっと私の事知ってください。】
そんな事言ったって、君はもういないじゃないか。馬鹿な事言うなよ。
【先輩を一人にさせたくないので、生まれ変わってまた付き纏っちゃいますね。】
お前いつまでも僕が一人だと思うなよ。僕だって仲間の一人や二人くらい、作ってみせるからな。今に見とけよ。
【__死にたくない。】
【怖い、怖いよ】
【なんで私が死ななきゃいけないの?】
視界が霞んだ。
あんな能天気なくせに、こんな事考えてたんだなと思った。
__あいつも、怖かったのか。
というかお前、文章矛盾し過ぎだろ。
置いてかないって言いながら実際置いてったし、私の事知って欲しいって言いながら三つしか教えてくれないし、お墓の場所だって書いてないんだ。こんなんじゃお見舞いになんて行けないだろ。
そんな言葉が心の中で木霊する。
力の限りに握り締めていたせいで、皺でぐしゃぐしゃになってしまった手紙を見た時、視界に淡い白藍色の箱が映った。
震える手で、でも出来るだけ丁寧に蓋を開けると、白いシルクの上に紺色の生地に可愛らしい苺の刺繍が施されたネクタイが入っていた。
【先輩はパンナコッタさんですからね。可愛い苺にしときました。私だと思っていつでも着けてください。Tシャツの時も、裸の時も__このネクタイは私ですので、いつでも先輩に抱き着いていられますね!】
うわぁ__。
それにしてもセンス悪いな君__しかもなんでレシート入れてるんだよ、意外と高いなこれ。
高級そうな箱に入っていたのはレシートで、裏に文が書いてあった。普通ちゃんとした紙に書くだろ。プレゼントにレシートを入れるな。
はぁ__と溜め息をつくと、気づけば視界は元に戻っていた。あいつのおふざけがこんな所で役に立つとは__。
ふっ__と何故か顔が綻んだ。
最後まで、変わらないやつだな、君は。
__一回くらい、手紙でも送るか。
そう思って、ペンを取った。
【__生まれ変わっても付き纏うって、懲りないやつだな、君は。正直迷惑だと思ったよ。でも、いきなり君が居なくなって静か過ぎるのが逆に落ち着かないんだよな、悔しいことに。あ、良いように解釈するなよ。だから、早く戻って来い。待ってるから。】
彼女の住所を写そうとした時、何故か酷く胸が痛んで、この手紙はグシャグシャにしてゴミ箱に捨てた。
