紫紺のライラックを君に
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今日、あいつは僕の元へは来なかった。
いつもなら二分前くらいに待ち伏せているのに
__いや、それも本当は可笑しいのだが。
__まぁ、あいつにも何か用事があったのだろう。一応、学生だし。ほら、僕に付き纏ってたから課題とかがギリギリで、急いで終わらせてるとかさ。明日には、また今までのように巫山戯にやって来るに決まってる。だって、昨日まであんなにピンピンしてたんだ。どこも悪そうじゃなかった。元気だった。だからきっと、死んじゃうって言うのも実はいつもの冗談で、僕に告白の返事をOKさせるための嘘だったんだ。
「__我が校の女子生徒が一人、お亡くなりになった。」
なんてことはなかった。
知ってた。知ってたはずだった。
あぁ、やっと解放された。ここん所あいつに付き纏われてのんびり出来なかったし、ようやくいつもの生活が戻ってきた。うん、楽だ。心が軽くなって____
帰り道、花屋で桃の花を見つけた。興味本位で値段を見たら、意外と高かった。スグリだって、カーネーションだって、他の花だって、纏めて買ったら結構な値段になる。
__あいつ、どんだけ僕に貢いでたんだ。結局は他人。ここまでやるか?普通。
呆れていると、店の奥から店員の人が出てくるのが見えたので、声をかけられる前に店の前から急いで離れた。
なんとなく、携帯で通販サイトを見てみた。そしたら、人気No.1と書いてある所にあいつが言っていた惚れ薬が載っていた。いかにも怪しかった。
しかも、結構な値段だ。
__僕に使うんじゃなくて、自分に使えよ。勿体ない使い方、するなよ。
そう思っていると、ふと気がついた。
__そういえば僕、あいつに何もあげてない。
これだけのお金を使われていたと知った今、なかなかに罪悪感が残る。何か一つくらい、あげた方がいいのではないか。そう思ったが、
いやいやいや!!あいつが一方的に贈ってきただけであって__!!
こんなふうに考えている時は、自分でも意地っ張りだな、なんて思った。携帯の電源を切って真っ暗な画面を見つめていると、何故だか鼻の奥がツンとしてきて、早足で家へ帰った。
いつもなら二分前くらいに待ち伏せているのに
__いや、それも本当は可笑しいのだが。
__まぁ、あいつにも何か用事があったのだろう。一応、学生だし。ほら、僕に付き纏ってたから課題とかがギリギリで、急いで終わらせてるとかさ。明日には、また今までのように巫山戯にやって来るに決まってる。だって、昨日まであんなにピンピンしてたんだ。どこも悪そうじゃなかった。元気だった。だからきっと、死んじゃうって言うのも実はいつもの冗談で、僕に告白の返事をOKさせるための嘘だったんだ。
「__我が校の女子生徒が一人、お亡くなりになった。」
なんてことはなかった。
知ってた。知ってたはずだった。
あぁ、やっと解放された。ここん所あいつに付き纏われてのんびり出来なかったし、ようやくいつもの生活が戻ってきた。うん、楽だ。心が軽くなって____
帰り道、花屋で桃の花を見つけた。興味本位で値段を見たら、意外と高かった。スグリだって、カーネーションだって、他の花だって、纏めて買ったら結構な値段になる。
__あいつ、どんだけ僕に貢いでたんだ。結局は他人。ここまでやるか?普通。
呆れていると、店の奥から店員の人が出てくるのが見えたので、声をかけられる前に店の前から急いで離れた。
なんとなく、携帯で通販サイトを見てみた。そしたら、人気No.1と書いてある所にあいつが言っていた惚れ薬が載っていた。いかにも怪しかった。
しかも、結構な値段だ。
__僕に使うんじゃなくて、自分に使えよ。勿体ない使い方、するなよ。
そう思っていると、ふと気がついた。
__そういえば僕、あいつに何もあげてない。
これだけのお金を使われていたと知った今、なかなかに罪悪感が残る。何か一つくらい、あげた方がいいのではないか。そう思ったが、
いやいやいや!!あいつが一方的に贈ってきただけであって__!!
こんなふうに考えている時は、自分でも意地っ張りだな、なんて思った。携帯の電源を切って真っ暗な画面を見つめていると、何故だか鼻の奥がツンとしてきて、早足で家へ帰った。
