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ココロの傷跡
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あれからというもの、私は自宅に引き篭ってしまった。
真島さんのことも原因の一つだろうけど、ここ数ヶ月の無理が祟ってしまったらしく…職場で倒れてしまうという失態をしてしまった。
厳密には引き篭ってるというより、自宅安静が正しい。
気持ちの整理をするには、ちょうどよかったのかもしれないけど…あの光景がフラッシュバックする度に涙が溢れ出る。
……いつまでも塞ぎ込んでるワケにもいかないし、なんとか立ち上がらないと…
ようやく体調も少し良くなり、仕事復帰。
そんなある日、冴島さんから電話が来た。最近忙しくて話も出来なかったけど、とりあえず報告だけしておいた。
ダメでした、と伝えれば彼は優しい声で無理するなと言ってくれた。
冴島さんは真島さんとは切っても切れない関係だし、あまり気を遣わせたくないけど…冴島さんとだけは繋がっててもいいかな?
「とりあえず…今はゆっくりと頑張ろう…」
すぐは無理だけど忘れないと。もう二度と彼に迷惑かけたくないから。
─────────
さて、どうしたもんか?
さくらに会うにしても、神室町は広い。しかもさくらの職場を知らん。
思いきって電話したらしたで、繋がらんし。
着拒されとるっぽいわ。……そらそうやろな。
自分の足で探すしかないので、ここ一週間手当り次第に探し回る。
唯一の手掛かりは、さくらが前に「神室町の外れで仕事してるから大変です」という言葉のみ。
……ワシ、さくらのこと何も知らんかったな……
当たりをつけて張ってると……ようやくアイツを見つけ出した。
さすがに張っとったってバレたら気まずいから、偶然を装う。
「おい、さくら……」
ワシの声に、ビクリと反応する身体。
そして、恐る恐る振り返ったさくらは……かなりやつれとった。
「……っ、真島……さん…」
「……お前、なんで電話出ないんや?お前に用あってなんべんも掛けたっちゅうのに、全く繋がらへんやんけ」
……しもた、ついいつもみたいに威圧的になってもうた!
まず詫びんとアカンのに……!
「電話……?あ……、専用の携帯……ずっと充電してなく、て……」
「専用……?」
「……真島さん、だけの……携帯を……その……。で、でもちゃんと近々解約しますから……」
ワシだけの為の携帯持っとったんかコイツ……
どおりで兄弟の電話は繋がったワケやな。ちゅうかどんだけワシが好きやったんや…
「……まぁええわ。お前、この後時間あるか?」
なるべく穏便に言わんと。なんか知らんけどさくら怯えとるしな…
「……私、また何かしちゃいましたか……?」
「あ?……あ、いやそうやなくてやな……」
「だってそれ以外に……真島さんが私に用があるなんて……」
……兄弟が言うとった通りやな。
ワシが追い詰めたせいでさくらは……
「……話がしたいだけや。別にお前が何したとか、そんなんちゃう。ワシが話したいだけやから、身構えんでええよ… さくら」
ポンと頭を撫でると、僅かにホッとしたような表情。
その顔に、胸が締め付けられそうになる。
……こんなに苦しめるつもりやなかったのに……
(……こら許してもらえへんかもな)
身勝手にも程がある、と思う。
散々突き放した自分が、今更向き合おうなんて。
それでも……
さくらが自分に伝えてきた想いに、返事をしてやりたい。
それが、きっとワシらを進ませる一歩になるから。
