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龍と狂犬の熱
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真島と桐生、この二人と出会い、共に遊ぶようになってからさくらの生活が変わった。
二人して頻繁に連絡し、至る場所へと連れられるようになった。
今日は真島と食事の約束をしていたので、食事をした後出会ったバーに立ち寄り飲むことに。
「そういえば、ふと思ったんですが…」
「ん?なんや?」
「真島さんて、桐生さんとお友達なんですよね?二人はどんな経緯でお友達に?」
「んー?なんや、桐生ちゃんから聞いてへんの?」
「はい。桐生さんてあまり自分のこと話さないから。こっちも敢えて聞かずにいましたけど…二人の関係がちょっと気になって」
確かに、桐生は自分の身の上をペラペラ話すタイプではない。しかしそれは、真島も同じ。
自らの過去をわざわざ曝け出すことはしない。
……が、関係性なら多少なりとも話していいとは思う。
「桐生ちゃんはなぁ、コッチじゃ有名人なんやで?『堂島の龍』て呼ばれて伝説にもなりよったんや」
「す、すごい異名ですね…?じゃあやっぱり桐生さんも極道さんなんですね」
「あー、桐生ちゃんは『元』極道やな。一応足洗っとるからのぅ」
「そうでしたか。でも元極道で生きる伝説…、桐生さん見てると納得出来ますね」
「桐生ちゃんが極道モンやって知って、軽蔑したか?」
「?いえ、全く。むしろ色々納得出来ましたし、何となく予想してましたし。桐生さん、真島さんのこと『兄さん』て呼んでましたから」
これしきで軽蔑する筈もないと、真島も分かっていた。
それならそもそも現役極道である自分も軽蔑対象になるのだから。
「色々あったけど、アイツとの喧嘩はやめられへんわ。アイツはごっついからのぅ!楽しくてしゃーないわ」
「ふふ、確かに喧嘩してる時の真島さん、すごく生き生きしてますもんね?でも程々にお願いします…」
「まぁ善処するわ。でもさくらちゃんが構ってくれへんと寂しくて桐生ちゃんに喧嘩ふっかけるかもなぁ〜」
「私が構ってもらってる身な気がしますけど」
二人は笑い合う。
真島の隠された想いに、さくらは気づかない。
そこで後日、真島は事務所に桐生を呼び出した。
「待ってたでー桐生ちゃん♪」
「……今日は喧嘩しねぇって言ったよな?なんでバット持ってんだアンタは…」
「あぁ?持っとったらアカンか?まぁええ、とりあえず座りや」
ひとまず二人は座り、一服する。
真島が桐生を呼び出したのは、他でもないさくらのこと。
桐生も、それは薄々分かっていた。
「お前、俺に呼び出された理由…何となく分かっとるんちゃう?」
「…… さくらのこと、か?」
「せや。桐生ちゃん、お前… さくらちゃんのこと好きやろ?」
威圧するような空気を出す真島に、桐生は一言「あぁ…」と答える。
そもそも、誤魔化す気など最初からないが。
「そういう兄さんこそ、さくらのこと好きなんじゃねぇのか?」
「……好きやで。あの子の全部がな…」
純粋で、愛くるしく……少しばかり天然な彼女。
傍に置いて守ってやりたくなる程に、彼女に惹かれている。
「俺はなぁ桐生ちゃん、あの子のことはマジや。そら最初はそこまで気にしとらんかったけど、一緒に居る内に…愛しくて、可愛らしくて…あの子が欲しくてしゃーないんや」
「……俺も似たようなモンだ。最初は妹みてぇな感じだったが…気づいたらアイツを一人の『女』として見ていた」
桐生も、同じだったからこそ分かる。
彼女に惹かれた者だから。
「ただなぁ、あの子ホンマ天然ちゃんやろ?せやから中々アプローチに気づいてくれへん」
「あぁ…、アイツは俺たちが頻繁に誘う理由と裏側に全く気づいちゃいねぇな…」
「お前も俺も、同じ女に惚れたんや。せやったら、堂々と勝負せんか?」
「喧嘩で、なんて言わねぇよな?」
「ドアホ、俺らがやり合うても意味ないやんか。これはさくらちゃんの気持ちの問題やからな」
喧嘩して、負かしてさくらを諦めろと言った所で意味はない。
さくらが仮にその敗者に惚れていたならば、その時点で勝敗は決まったようなものだ。
「お互い、抜けがけはナシや。どっち選ばれても、恨みっこなしやで?」
「あぁ、どっちを選ぶにしても、悔いのないようにな」
二人は不敵に笑う。
そしてここから、龍と狂犬による一人の女への熱烈な求愛が始まる───
二人して頻繁に連絡し、至る場所へと連れられるようになった。
今日は真島と食事の約束をしていたので、食事をした後出会ったバーに立ち寄り飲むことに。
「そういえば、ふと思ったんですが…」
「ん?なんや?」
「真島さんて、桐生さんとお友達なんですよね?二人はどんな経緯でお友達に?」
「んー?なんや、桐生ちゃんから聞いてへんの?」
「はい。桐生さんてあまり自分のこと話さないから。こっちも敢えて聞かずにいましたけど…二人の関係がちょっと気になって」
確かに、桐生は自分の身の上をペラペラ話すタイプではない。しかしそれは、真島も同じ。
自らの過去をわざわざ曝け出すことはしない。
……が、関係性なら多少なりとも話していいとは思う。
「桐生ちゃんはなぁ、コッチじゃ有名人なんやで?『堂島の龍』て呼ばれて伝説にもなりよったんや」
「す、すごい異名ですね…?じゃあやっぱり桐生さんも極道さんなんですね」
「あー、桐生ちゃんは『元』極道やな。一応足洗っとるからのぅ」
「そうでしたか。でも元極道で生きる伝説…、桐生さん見てると納得出来ますね」
「桐生ちゃんが極道モンやって知って、軽蔑したか?」
「?いえ、全く。むしろ色々納得出来ましたし、何となく予想してましたし。桐生さん、真島さんのこと『兄さん』て呼んでましたから」
これしきで軽蔑する筈もないと、真島も分かっていた。
それならそもそも現役極道である自分も軽蔑対象になるのだから。
「色々あったけど、アイツとの喧嘩はやめられへんわ。アイツはごっついからのぅ!楽しくてしゃーないわ」
「ふふ、確かに喧嘩してる時の真島さん、すごく生き生きしてますもんね?でも程々にお願いします…」
「まぁ善処するわ。でもさくらちゃんが構ってくれへんと寂しくて桐生ちゃんに喧嘩ふっかけるかもなぁ〜」
「私が構ってもらってる身な気がしますけど」
二人は笑い合う。
真島の隠された想いに、さくらは気づかない。
そこで後日、真島は事務所に桐生を呼び出した。
「待ってたでー桐生ちゃん♪」
「……今日は喧嘩しねぇって言ったよな?なんでバット持ってんだアンタは…」
「あぁ?持っとったらアカンか?まぁええ、とりあえず座りや」
ひとまず二人は座り、一服する。
真島が桐生を呼び出したのは、他でもないさくらのこと。
桐生も、それは薄々分かっていた。
「お前、俺に呼び出された理由…何となく分かっとるんちゃう?」
「…… さくらのこと、か?」
「せや。桐生ちゃん、お前… さくらちゃんのこと好きやろ?」
威圧するような空気を出す真島に、桐生は一言「あぁ…」と答える。
そもそも、誤魔化す気など最初からないが。
「そういう兄さんこそ、さくらのこと好きなんじゃねぇのか?」
「……好きやで。あの子の全部がな…」
純粋で、愛くるしく……少しばかり天然な彼女。
傍に置いて守ってやりたくなる程に、彼女に惹かれている。
「俺はなぁ桐生ちゃん、あの子のことはマジや。そら最初はそこまで気にしとらんかったけど、一緒に居る内に…愛しくて、可愛らしくて…あの子が欲しくてしゃーないんや」
「……俺も似たようなモンだ。最初は妹みてぇな感じだったが…気づいたらアイツを一人の『女』として見ていた」
桐生も、同じだったからこそ分かる。
彼女に惹かれた者だから。
「ただなぁ、あの子ホンマ天然ちゃんやろ?せやから中々アプローチに気づいてくれへん」
「あぁ…、アイツは俺たちが頻繁に誘う理由と裏側に全く気づいちゃいねぇな…」
「お前も俺も、同じ女に惚れたんや。せやったら、堂々と勝負せんか?」
「喧嘩で、なんて言わねぇよな?」
「ドアホ、俺らがやり合うても意味ないやんか。これはさくらちゃんの気持ちの問題やからな」
喧嘩して、負かしてさくらを諦めろと言った所で意味はない。
さくらが仮にその敗者に惚れていたならば、その時点で勝敗は決まったようなものだ。
「お互い、抜けがけはナシや。どっち選ばれても、恨みっこなしやで?」
「あぁ、どっちを選ぶにしても、悔いのないようにな」
二人は不敵に笑う。
そしてここから、龍と狂犬による一人の女への熱烈な求愛が始まる───
