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本当はあの日からずっと、惹かれていた。
けれど、その想いは届かないだろうと思った。
───貴方から、気持ちを伝えてもらうまでは。
答えなど、とっくに決まっていた。
しかし、真島にも想いを告げられ困惑していた最中からの桐生から告白。更に困惑してしまったせいか即答出来なかった。
今はもう、冷静だ。
だから返事をしようと桐生に連絡し、セレナにて落ち合う。
先回りしたさくらは、麗奈に自身の事情を説明し桐生が来たらしばらく席を外してもらえることになった。
「待たせたなさくら。……ん?麗奈はどうした?」
「あ、麗奈さんはちょっと用事出来たとかで出ていきました。桐生さんが来たら、CLOSEにして一旦鍵掛けていいと…」
「そうか。まぁ客に店番はさせられねぇもんな」
疑うこともせず、桐生は言われた通り店を閉める。
そしてさくらの横に腰を下ろし、既に用意されていた自分の酒に口をつける。
「にしても、お前から飲みに誘うなんて珍しいな?まぁ、お前が誘うより前に俺が誘ってんだから当たり前か」
「そうですね、いつも桐生さんから誘っていただいてましたね」
「……お前からの誘いってなると…この前の返事をするため、と期待しちまうな」
鋭いな、と思う。
その通りではあるので、否定はしなかった。
「……あんまり、待たせたくもないから…」
「そこは気にしなくてもよかったんだが…。だが、答えが決まったなら…聞かせてくれ」
桐生とさくらは、正面を向き合う。
「……私、正直自分に自信がなかったんです。この街を歩く女性達みたいに、綺麗でもなくて…成人なのに子供っぽいし…私なんか見向きもされないって」
「……前にも言ったろ?お前は可愛いんだから自信持てって。俺や兄さんを惹き付ける魅力があったんだからな」
「……桐生さんにそう言われた時、本当に嬉しかったです。だから、夢じゃないかって思いもしました。でも、現実だったから…」
今のありのままの自分を、好きになってくれた。それが何より嬉しかった。
それを桐生に伝えた上で、さくらは深呼吸する。
「桐生さん、私……桐生さんがずっと……ずっと好きでした!勝手に、私には不釣り合いな人なんだって諦めてました、けど……告白された時、本当に嬉しかった…」
「…………つまり、返事はYes。そういうこと、なんだな?」
「は、はい……、キャッ……!?!?」
言った瞬間、さくらの身体は桐生に引き寄せられ…腕の中に閉じ込められる。
「……そうか。正直、お前に自信持てって言った手前…情けねぇ話だが俺自身もあまり自信がなくてな…。今本気で嬉しいぜ、さくら…」
桐生の胸元に、さくらの顔が押し付けられている。
だからこそ分かる、桐生の鼓動。それは今の自分と全く同じ状態だった。
「桐生さんは、とても魅力ある人です。自信持ってください」
「……あぁ、お前にだけ魅力ある男になれればそれで充分だ」
まるで他の女には、魅力的に見られたくないという物言いにさくらは顔を赤くする。
「俺より先に兄さんと出会ってたし、兄さんが先に告ってたから…俺も焦ってたんだが…」
「真島さんも、確かに魅力的な男性かもしれません。けど……私には、なんと言うか…優しいお兄ちゃんみたいな存在になってて…」
「なるほど、要はお前にも兄貴分に見えたってワケか。まぁ何にせよ、俺を選んでくれた事に違いはねぇからな」
桐生はさくらの顎を持ち上げ、自分に向かせる。
その顔は赤く、あまりにも愛らしかった。
「さくら……」
名を呼ばれた瞬間、桐生と唇が触れ合った。
啄む優しいキスから、次第に深くなっていく。
名残惜しむかのように離れれば、桐生もさくらも互いに顔が赤いと認識する。
「わ、悪ぃ…我慢出来なくて…つい…」
「いいえ……、う…、嬉しかった、ですよ…」
二人は再び抱きしめ合う。互いが身につける香水の香りが、混ざって鼻を刺激した。
「……ところでさくら、兄さんに返事はしたのか?」
「あ、それはまだ…なんです。お断りはするんですけど……そしたらもう真島さんとは今までみたいに遊べない、です…よね…」
兄貴分として見ていたさくらだが、真島と遊ぶ一時も楽しかったのだろう。
それに気づいた桐生はフッと笑って頭を撫でる。
「まぁ、さすがに兄さんも男だから二人きりはもうダメだ。だが、俺が一緒に居る分には…遊んでもいいだろ」
「いいんでしょうか…?」
「どうせ俺とは繋がってんだしな。俺にとってもあの人は兄貴分だ、心配は要らねぇさ」
前のように三人で遊ぶならば、と桐生は笑う。
真島は女に振られたからといって、態度を変える男ではないと分かっているからこそ、大丈夫だとさくらに告げた。
「……桐生さん」
「ん?なんだ?」
「……これからは恋人として……よろしくお願いします」
「……あぁ、こちらこそよろしくな、さくら」
軽くキスをし、二人は笑いあった。
───その後、真島に返事をし桐生と付き合うことを伝えるさくら。
「桐生ちゃんが嫌んなったら、いつでも俺の懐に来てな?さくらちゃんの為に空けといたるから」
「悪いが、さくらを兄さんの懐にゃ行かせねぇ。コイツが入っていいのは俺の懐だけだからな」
「こンの……ッ!見せびらかしよって!こうなったら喧嘩や喧嘩!行くで桐生ちゃん!」
「フッ……、まぁこれくらいなら受けてやるよ」
その後も時折三人で、いつもと変わらぬ日常を送った。
───こんな俺でも、惚れた女の為ならいつだって体張ってやる。
だからさくら、お前は俺だけを見ていてくれ。
龍を溺れさせたんだ、それくらい当然だよな?
ここから、二人の物語が始まっていく───
けれど、その想いは届かないだろうと思った。
───貴方から、気持ちを伝えてもらうまでは。
答えなど、とっくに決まっていた。
しかし、真島にも想いを告げられ困惑していた最中からの桐生から告白。更に困惑してしまったせいか即答出来なかった。
今はもう、冷静だ。
だから返事をしようと桐生に連絡し、セレナにて落ち合う。
先回りしたさくらは、麗奈に自身の事情を説明し桐生が来たらしばらく席を外してもらえることになった。
「待たせたなさくら。……ん?麗奈はどうした?」
「あ、麗奈さんはちょっと用事出来たとかで出ていきました。桐生さんが来たら、CLOSEにして一旦鍵掛けていいと…」
「そうか。まぁ客に店番はさせられねぇもんな」
疑うこともせず、桐生は言われた通り店を閉める。
そしてさくらの横に腰を下ろし、既に用意されていた自分の酒に口をつける。
「にしても、お前から飲みに誘うなんて珍しいな?まぁ、お前が誘うより前に俺が誘ってんだから当たり前か」
「そうですね、いつも桐生さんから誘っていただいてましたね」
「……お前からの誘いってなると…この前の返事をするため、と期待しちまうな」
鋭いな、と思う。
その通りではあるので、否定はしなかった。
「……あんまり、待たせたくもないから…」
「そこは気にしなくてもよかったんだが…。だが、答えが決まったなら…聞かせてくれ」
桐生とさくらは、正面を向き合う。
「……私、正直自分に自信がなかったんです。この街を歩く女性達みたいに、綺麗でもなくて…成人なのに子供っぽいし…私なんか見向きもされないって」
「……前にも言ったろ?お前は可愛いんだから自信持てって。俺や兄さんを惹き付ける魅力があったんだからな」
「……桐生さんにそう言われた時、本当に嬉しかったです。だから、夢じゃないかって思いもしました。でも、現実だったから…」
今のありのままの自分を、好きになってくれた。それが何より嬉しかった。
それを桐生に伝えた上で、さくらは深呼吸する。
「桐生さん、私……桐生さんがずっと……ずっと好きでした!勝手に、私には不釣り合いな人なんだって諦めてました、けど……告白された時、本当に嬉しかった…」
「…………つまり、返事はYes。そういうこと、なんだな?」
「は、はい……、キャッ……!?!?」
言った瞬間、さくらの身体は桐生に引き寄せられ…腕の中に閉じ込められる。
「……そうか。正直、お前に自信持てって言った手前…情けねぇ話だが俺自身もあまり自信がなくてな…。今本気で嬉しいぜ、さくら…」
桐生の胸元に、さくらの顔が押し付けられている。
だからこそ分かる、桐生の鼓動。それは今の自分と全く同じ状態だった。
「桐生さんは、とても魅力ある人です。自信持ってください」
「……あぁ、お前にだけ魅力ある男になれればそれで充分だ」
まるで他の女には、魅力的に見られたくないという物言いにさくらは顔を赤くする。
「俺より先に兄さんと出会ってたし、兄さんが先に告ってたから…俺も焦ってたんだが…」
「真島さんも、確かに魅力的な男性かもしれません。けど……私には、なんと言うか…優しいお兄ちゃんみたいな存在になってて…」
「なるほど、要はお前にも兄貴分に見えたってワケか。まぁ何にせよ、俺を選んでくれた事に違いはねぇからな」
桐生はさくらの顎を持ち上げ、自分に向かせる。
その顔は赤く、あまりにも愛らしかった。
「さくら……」
名を呼ばれた瞬間、桐生と唇が触れ合った。
啄む優しいキスから、次第に深くなっていく。
名残惜しむかのように離れれば、桐生もさくらも互いに顔が赤いと認識する。
「わ、悪ぃ…我慢出来なくて…つい…」
「いいえ……、う…、嬉しかった、ですよ…」
二人は再び抱きしめ合う。互いが身につける香水の香りが、混ざって鼻を刺激した。
「……ところでさくら、兄さんに返事はしたのか?」
「あ、それはまだ…なんです。お断りはするんですけど……そしたらもう真島さんとは今までみたいに遊べない、です…よね…」
兄貴分として見ていたさくらだが、真島と遊ぶ一時も楽しかったのだろう。
それに気づいた桐生はフッと笑って頭を撫でる。
「まぁ、さすがに兄さんも男だから二人きりはもうダメだ。だが、俺が一緒に居る分には…遊んでもいいだろ」
「いいんでしょうか…?」
「どうせ俺とは繋がってんだしな。俺にとってもあの人は兄貴分だ、心配は要らねぇさ」
前のように三人で遊ぶならば、と桐生は笑う。
真島は女に振られたからといって、態度を変える男ではないと分かっているからこそ、大丈夫だとさくらに告げた。
「……桐生さん」
「ん?なんだ?」
「……これからは恋人として……よろしくお願いします」
「……あぁ、こちらこそよろしくな、さくら」
軽くキスをし、二人は笑いあった。
───その後、真島に返事をし桐生と付き合うことを伝えるさくら。
「桐生ちゃんが嫌んなったら、いつでも俺の懐に来てな?さくらちゃんの為に空けといたるから」
「悪いが、さくらを兄さんの懐にゃ行かせねぇ。コイツが入っていいのは俺の懐だけだからな」
「こンの……ッ!見せびらかしよって!こうなったら喧嘩や喧嘩!行くで桐生ちゃん!」
「フッ……、まぁこれくらいなら受けてやるよ」
その後も時折三人で、いつもと変わらぬ日常を送った。
───こんな俺でも、惚れた女の為ならいつだって体張ってやる。
だからさくら、お前は俺だけを見ていてくれ。
龍を溺れさせたんだ、それくらい当然だよな?
ここから、二人の物語が始まっていく───
