泡沫星夜
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「………はぁ」
放課後、一人になった私は溜め息をついた。
食堂でクッキーを作ってから
学年もクラスも問わず男の子が私に話しかけてくるようになった。
きっとそれで疲れて溜め息をついたんだと思うだろう。
違う、違うんだよ。
むしろ話しかけてくれたほうが
誰かと話していたほうが気が紛れるの。
一人になると…
思い出してしまうから。
「せーんぱいっ!部活行かないんですか?」
「……梓君…」
教室に一人残っている私に声をかけてくれたのは梓君だった。
「あ、部活!
行かなきゃ!ありがとう梓君!」
部活を忘れていたわけじゃないけど
今は忘れたフリをした。
「先輩……元気がないですね…
疲れてるんですか?」
「あー、うん。ちょっとね」
誰にも知られなくていい。
これは私のことなんだから。
「いきなり多数の男子が押し寄せてきたら疲れますよね。
あーぁ…先輩を見てるのは僕だけで十分なのに…」
「え?何か言った?」
「なんでもありません。
ほら、早く行きますよ!」
「う、うん」
梓君に引っ張られ私は弓道場へと向かう。
正直…集中してやれる自信はなかった。
どうしてもあの時の声が気になるから。
あれから…また声は聞こえなくなった。
どうしてあの時はあんなにはっきりと聞こえたんだろう?
考えても考えてもわからない。
「失礼します」
「……失礼、します…」
色々考えている間に弓道場についてしまった。
あぁ、どうしよう…
私部活出来るの?
「あれ、名前ちゃん?」
「……ん?」
私が弓道場に入ると月子ちゃんが驚いた顔をしていた。
どうして?
「体調は大丈夫なの?」
「へ?体調?」
「だって宮地君が名前ちゃんは体調が優れないから休むって…」
「え…?」
宮地君を見ると少し困ったように頭に手をあてていて
「その、疲れているように見えたが…大丈夫か?」
と聞いてくれた。
「ありがとう!
そんなに疲れてるわけじゃないし大丈夫だよ!」
嬉しくて笑顔で返すけど
宮地君はどこか納得のいかない表情をしていた。
「…………」
「宮地君?」
なんでだろう?
と悩んでいる間にも宮地君はだんだんと私に近寄ってくる。
「……無理、するな」
「無理…なんて……」
宮地君、それは卑怯だよ。
近寄ってきた宮地君は私の頭を優しく撫でる。
それは兄のものと似ていて
胸が締め付けられる。
どうして宮地君だとこんなにも心が揺さぶられるんだろう?
可愛いと思っている梓君ではそんなことないのに…
「今日は休め。部長には俺から伝えておく」
「あ、りが…とう……」
どうして宮地君だと…
母と兄を思い出してしまうんだろう…?
私は泣きそうになるのをぐっと堪えて寮に戻った。
放課後、一人になった私は溜め息をついた。
食堂でクッキーを作ってから
学年もクラスも問わず男の子が私に話しかけてくるようになった。
きっとそれで疲れて溜め息をついたんだと思うだろう。
違う、違うんだよ。
むしろ話しかけてくれたほうが
誰かと話していたほうが気が紛れるの。
一人になると…
思い出してしまうから。
「せーんぱいっ!部活行かないんですか?」
「……梓君…」
教室に一人残っている私に声をかけてくれたのは梓君だった。
「あ、部活!
行かなきゃ!ありがとう梓君!」
部活を忘れていたわけじゃないけど
今は忘れたフリをした。
「先輩……元気がないですね…
疲れてるんですか?」
「あー、うん。ちょっとね」
誰にも知られなくていい。
これは私のことなんだから。
「いきなり多数の男子が押し寄せてきたら疲れますよね。
あーぁ…先輩を見てるのは僕だけで十分なのに…」
「え?何か言った?」
「なんでもありません。
ほら、早く行きますよ!」
「う、うん」
梓君に引っ張られ私は弓道場へと向かう。
正直…集中してやれる自信はなかった。
どうしてもあの時の声が気になるから。
あれから…また声は聞こえなくなった。
どうしてあの時はあんなにはっきりと聞こえたんだろう?
考えても考えてもわからない。
「失礼します」
「……失礼、します…」
色々考えている間に弓道場についてしまった。
あぁ、どうしよう…
私部活出来るの?
「あれ、名前ちゃん?」
「……ん?」
私が弓道場に入ると月子ちゃんが驚いた顔をしていた。
どうして?
「体調は大丈夫なの?」
「へ?体調?」
「だって宮地君が名前ちゃんは体調が優れないから休むって…」
「え…?」
宮地君を見ると少し困ったように頭に手をあてていて
「その、疲れているように見えたが…大丈夫か?」
と聞いてくれた。
「ありがとう!
そんなに疲れてるわけじゃないし大丈夫だよ!」
嬉しくて笑顔で返すけど
宮地君はどこか納得のいかない表情をしていた。
「…………」
「宮地君?」
なんでだろう?
と悩んでいる間にも宮地君はだんだんと私に近寄ってくる。
「……無理、するな」
「無理…なんて……」
宮地君、それは卑怯だよ。
近寄ってきた宮地君は私の頭を優しく撫でる。
それは兄のものと似ていて
胸が締め付けられる。
どうして宮地君だとこんなにも心が揺さぶられるんだろう?
可愛いと思っている梓君ではそんなことないのに…
「今日は休め。部長には俺から伝えておく」
「あ、りが…とう……」
どうして宮地君だと…
母と兄を思い出してしまうんだろう…?
私は泣きそうになるのをぐっと堪えて寮に戻った。