泡沫星夜
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宮地君から告白され、返事を保留にして逃げた。
教室でも部活でも気まずい雰囲気のまま…何日かが過ぎた。
「ねぇ、月子ちゃん。今度の日曜日買い物に行かない?」
と、私は月子ちゃんを誘って街に出掛ける予定を作った。
彼女は快諾してくれた。
地図を見て、どう回るのかはもう計画済み。
早く日曜日来ないかなぁ…
待ってました日曜日!
月子ちゃんと一緒に私服で街へと向かう。
学園の外にあまり出たことがなかったから少しワクワクしてる。
色んなお店を物色してカフェで一休みして他愛もない話をして…
名残惜しいけど、さよならしなくちゃ。
多くの人々、車が行き交う交差点。
反対側から宮地君が歩いてくるのが見えた。
これは偶然かな? それとも、運命なのかなぁ…
ちらりと隣を見ると、少し苦しそうな表情をした月子ちゃん。
……そんな顔しないで。
させているのは私だけど。
でも、もう大丈夫だよ。
信号が青に変わる。
周りが一斉に歩き出す。
そんな中私だけ立ち止まる。
月子ちゃんが不思議そうに私を見る。
本来なら聞こえる喧騒が今の私の耳に届かない。
月子ちゃんが何か言ってるのにそれが聞き取れない。
何も聞こえないはずの私の耳に…
ひとつだけ聞こえた音。
私は走って月子ちゃんを突き飛ばす。
驚く月子ちゃんを宮地君が受け止めたのを確認して
私は笑顔で
「……ありがとう。さようなら!」
と叫んだ。
この声は二人に届いたのかな?
直後私はトラックに吹き飛ばされた。
でも体に痛みはなくて、
パキン、と見えていた世界が崩れ出した。
だんだんと白に染まっていく世界。
砕けた色鮮やかな欠片がパラパラと降り注ぎ、消えていく中…
私は目を閉じた。
「……今、動いた?」
「えっ…?」
「絶対動いた。今!ほら!」
「っ!!」
痛い…
なんだかすごく痛い。
「ん……」
「……!!」
「起きた!名前!俺がわかるか?」
「……お母さん…お兄ちゃん…」
「よかった……」
「ちょ、お母さん…痛い。痛い…」
「我慢しろよ。母さんほとんど寝ずにお前が起きるの待ってたんだから」
「……ごめんね、心配かけて」
「起きてくれて…本当によかった…」
私が起きたことで先生が診察をしてくれた。
体に異常はないらしく、骨折した足と腕も2週間くらいで完治するらしい。
結構頑丈なのね、私。
目の前に居る母と兄に精一杯の笑顔を向けて二人の温もりを感じて
『帰って来れたんだ』
と喜びを感じると共に
『もう二度と会えない』
と言う寂しさを感じていた。
二人が帰って一人きりの病室で窓から空を見上げると、そこには綺麗な満月。
「これで…よかったんだよね?」
そう呟くと、私の目からは涙が溢れた。
本当は気持ちを伝えたかった。
でも私は家族を失う辛さを知っているから…
失った後の…違和感を…知ってるから…
もうあんな想いをしてほしくない。
宮地君
月子ちゃん
梓君
白鳥君
部長
犬飼君
小熊君
みんなに出会えて私は本当に幸せでした。
でも私がそこに居ることはあり得ないことでした。
幸せな日々をありがとう。
もう二度と会うことはないだろうから…
私のことなんて忘れて…
みんな…幸せになってください。
𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃
「……っ!!」
「きゃっ!?」
たまたま街を歩いていたら夜久を見かけた。
隣に…誰かが居た………はずだ…
でもそれが誰かがわからない。
夜久が突き飛ばされるように俺のほうへ来た。
危ないと思って抱き止めた。
『誰か』が夜久を助けるために突き飛ばした…ような気がした。
「 っ!!」
誰かの名前を呼ぼうとした。
その名前もわからないのに。
不思議と涙が流れた。
夜久も涙を流していた。
俺と同じ気持ちで泣いているのか?
それとも怖かったからか?
『これでいいんだよ』
聞き覚えのある声がどこかから聞こえた気がした。
𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃
宮地君、月子ちゃん…
私は二人が幸せになってくれたら嬉しいな。
帰ったらゲームやってみよう。
そんな事を思っている私の傍らでメールを受信したのかスマホが鳴った。
教室でも部活でも気まずい雰囲気のまま…何日かが過ぎた。
「ねぇ、月子ちゃん。今度の日曜日買い物に行かない?」
と、私は月子ちゃんを誘って街に出掛ける予定を作った。
彼女は快諾してくれた。
地図を見て、どう回るのかはもう計画済み。
早く日曜日来ないかなぁ…
待ってました日曜日!
月子ちゃんと一緒に私服で街へと向かう。
学園の外にあまり出たことがなかったから少しワクワクしてる。
色んなお店を物色してカフェで一休みして他愛もない話をして…
名残惜しいけど、さよならしなくちゃ。
多くの人々、車が行き交う交差点。
反対側から宮地君が歩いてくるのが見えた。
これは偶然かな? それとも、運命なのかなぁ…
ちらりと隣を見ると、少し苦しそうな表情をした月子ちゃん。
……そんな顔しないで。
させているのは私だけど。
でも、もう大丈夫だよ。
信号が青に変わる。
周りが一斉に歩き出す。
そんな中私だけ立ち止まる。
月子ちゃんが不思議そうに私を見る。
本来なら聞こえる喧騒が今の私の耳に届かない。
月子ちゃんが何か言ってるのにそれが聞き取れない。
何も聞こえないはずの私の耳に…
ひとつだけ聞こえた音。
私は走って月子ちゃんを突き飛ばす。
驚く月子ちゃんを宮地君が受け止めたのを確認して
私は笑顔で
「……ありがとう。さようなら!」
と叫んだ。
この声は二人に届いたのかな?
直後私はトラックに吹き飛ばされた。
でも体に痛みはなくて、
パキン、と見えていた世界が崩れ出した。
だんだんと白に染まっていく世界。
砕けた色鮮やかな欠片がパラパラと降り注ぎ、消えていく中…
私は目を閉じた。
「……今、動いた?」
「えっ…?」
「絶対動いた。今!ほら!」
「っ!!」
痛い…
なんだかすごく痛い。
「ん……」
「……!!」
「起きた!名前!俺がわかるか?」
「……お母さん…お兄ちゃん…」
「よかった……」
「ちょ、お母さん…痛い。痛い…」
「我慢しろよ。母さんほとんど寝ずにお前が起きるの待ってたんだから」
「……ごめんね、心配かけて」
「起きてくれて…本当によかった…」
私が起きたことで先生が診察をしてくれた。
体に異常はないらしく、骨折した足と腕も2週間くらいで完治するらしい。
結構頑丈なのね、私。
目の前に居る母と兄に精一杯の笑顔を向けて二人の温もりを感じて
『帰って来れたんだ』
と喜びを感じると共に
『もう二度と会えない』
と言う寂しさを感じていた。
二人が帰って一人きりの病室で窓から空を見上げると、そこには綺麗な満月。
「これで…よかったんだよね?」
そう呟くと、私の目からは涙が溢れた。
本当は気持ちを伝えたかった。
でも私は家族を失う辛さを知っているから…
失った後の…違和感を…知ってるから…
もうあんな想いをしてほしくない。
宮地君
月子ちゃん
梓君
白鳥君
部長
犬飼君
小熊君
みんなに出会えて私は本当に幸せでした。
でも私がそこに居ることはあり得ないことでした。
幸せな日々をありがとう。
もう二度と会うことはないだろうから…
私のことなんて忘れて…
みんな…幸せになってください。
𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃
「……っ!!」
「きゃっ!?」
たまたま街を歩いていたら夜久を見かけた。
隣に…誰かが居た………はずだ…
でもそれが誰かがわからない。
夜久が突き飛ばされるように俺のほうへ来た。
危ないと思って抱き止めた。
『誰か』が夜久を助けるために突き飛ばした…ような気がした。
「 っ!!」
誰かの名前を呼ぼうとした。
その名前もわからないのに。
不思議と涙が流れた。
夜久も涙を流していた。
俺と同じ気持ちで泣いているのか?
それとも怖かったからか?
『これでいいんだよ』
聞き覚えのある声がどこかから聞こえた気がした。
𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃 𓈒𓏸𓈒꙳𓂃
宮地君、月子ちゃん…
私は二人が幸せになってくれたら嬉しいな。
帰ったらゲームやってみよう。
そんな事を思っている私の傍らでメールを受信したのかスマホが鳴った。
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