泡沫星夜
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「名前ちゃん、一緒に寝よ?」
「うん、いいよ」
合宿を無事に終え、
インターハイを目前に控えたある日。
月子ちゃんが私の部屋に泊まりに来た。
その表情はどこか暗くて、
何かあったのか不安になった。
「月子ちゃん…何かあった?」
「ううん……もうすぐインターハイなんだって思うと緊張しちゃって…うまく寝れないの」
「そっか…」
そんなことか…
って思うのは失礼かな?
でも、深刻な悩みじゃなくてよかった。
「あ、じゃあちょっと待ってて?」
「え?名前ちゃん…?」
月子ちゃんをそこに残して私はキッチンに立つ。
いつも緊張して眠れないとき、これを飲むと落ち着くから。
「お待たせ」
「わ、いい匂い!ホットミルク?」
「うん。よく眠れるおまじない付きだよ!」
そう言って手渡すのはここに来た時に何故か部屋にあった私のマグカップ。
「ありがとう!」
と花のような笑顔で月子ちゃんがそう言って、一口飲む。
その笑顔を見て…
私の胸はちくりと痛んだ。
「おいしい!何か入ってるの?」
「ふふっ、それは秘密」
「えー!じゃあ、今度教えてくれる?」
「……うん!」
無邪気に微笑む月子ちゃん。
いつも優しい月子ちゃん。
ごめんね…
その『今度』は来ないかもしれないの…
「……そろそろ寝よっか?」
「うん!」
二人一緒の布団を被って、くすっと笑い合うとすぐ月子ちゃんは眠った。
ここはすごく居心地がいい。
家族には会えないし声も聞けないけど、
素敵な仲間がいる。
優しい友達も出来た。
そして何より…気になる人が出来た。
私に初めての感情を抱かせてくれた人が…居る。
でも…私は…
その人を傷付けることしか出来ない。
でも月子ちゃんは違う。
きっと癒してくれる。
ねぇ、月子ちゃん。
今日部屋に来た…本当の理由を…私は気付いているよ。
でも優しいから…
怖いから…
口に出せなかったんだよね。
こんな優しい友達さえも傷付けて
私はなんて酷い人間なんだろう。
ここに居たい、
この優しい人達を見ていたい。
でも……
『名前…お願いだから目を開けて…』
はっきりと聞こえるようになった、
『起きろよ、名前…』
母と兄の声。
私には帰るべき場所がある。
そう毎回思い知らされる。
帰りたくないわけじゃない。
ずっと帰りたいと思っていた。
出来るならもっと早く…
こんな感情を持つよりも前に帰りたかった。
合宿の時に部長に言われたように…
私の心はもう決まっていた。
でも…
まだ私は元の世界に帰るためのきっかけが掴めないでいた。
。・:*:・゚★,。・:*:・゚☆。・:*:・゚★,。・:*:・゚☆
勇気を出して覚悟を決めて名前ちゃんの部屋に来たはずだった。
聞きたいことがあったから。
でも、どうしても言えなかった。
認めるのが怖いんじゃない。
言ってしまうと…名前ちゃんが消えてしまうような気がしたから。
一緒の布団を被って、名前ちゃんの手を握るとすぐ私は眠くなってしまった。
名前ちゃん…
私に遠慮しないで、素直になっていいんだよ。
素敵な気遣いの出来る可愛い名前ちゃん。
女子生徒が1人しかいなくて寂しかった気持ちを埋めてくれた優しい人。
だから、これからも仲良くしてね。
「うん、いいよ」
合宿を無事に終え、
インターハイを目前に控えたある日。
月子ちゃんが私の部屋に泊まりに来た。
その表情はどこか暗くて、
何かあったのか不安になった。
「月子ちゃん…何かあった?」
「ううん……もうすぐインターハイなんだって思うと緊張しちゃって…うまく寝れないの」
「そっか…」
そんなことか…
って思うのは失礼かな?
でも、深刻な悩みじゃなくてよかった。
「あ、じゃあちょっと待ってて?」
「え?名前ちゃん…?」
月子ちゃんをそこに残して私はキッチンに立つ。
いつも緊張して眠れないとき、これを飲むと落ち着くから。
「お待たせ」
「わ、いい匂い!ホットミルク?」
「うん。よく眠れるおまじない付きだよ!」
そう言って手渡すのはここに来た時に何故か部屋にあった私のマグカップ。
「ありがとう!」
と花のような笑顔で月子ちゃんがそう言って、一口飲む。
その笑顔を見て…
私の胸はちくりと痛んだ。
「おいしい!何か入ってるの?」
「ふふっ、それは秘密」
「えー!じゃあ、今度教えてくれる?」
「……うん!」
無邪気に微笑む月子ちゃん。
いつも優しい月子ちゃん。
ごめんね…
その『今度』は来ないかもしれないの…
「……そろそろ寝よっか?」
「うん!」
二人一緒の布団を被って、くすっと笑い合うとすぐ月子ちゃんは眠った。
ここはすごく居心地がいい。
家族には会えないし声も聞けないけど、
素敵な仲間がいる。
優しい友達も出来た。
そして何より…気になる人が出来た。
私に初めての感情を抱かせてくれた人が…居る。
でも…私は…
その人を傷付けることしか出来ない。
でも月子ちゃんは違う。
きっと癒してくれる。
ねぇ、月子ちゃん。
今日部屋に来た…本当の理由を…私は気付いているよ。
でも優しいから…
怖いから…
口に出せなかったんだよね。
こんな優しい友達さえも傷付けて
私はなんて酷い人間なんだろう。
ここに居たい、
この優しい人達を見ていたい。
でも……
『名前…お願いだから目を開けて…』
はっきりと聞こえるようになった、
『起きろよ、名前…』
母と兄の声。
私には帰るべき場所がある。
そう毎回思い知らされる。
帰りたくないわけじゃない。
ずっと帰りたいと思っていた。
出来るならもっと早く…
こんな感情を持つよりも前に帰りたかった。
合宿の時に部長に言われたように…
私の心はもう決まっていた。
でも…
まだ私は元の世界に帰るためのきっかけが掴めないでいた。
。・:*:・゚★,。・:*:・゚☆。・:*:・゚★,。・:*:・゚☆
勇気を出して覚悟を決めて名前ちゃんの部屋に来たはずだった。
聞きたいことがあったから。
でも、どうしても言えなかった。
認めるのが怖いんじゃない。
言ってしまうと…名前ちゃんが消えてしまうような気がしたから。
一緒の布団を被って、名前ちゃんの手を握るとすぐ私は眠くなってしまった。
名前ちゃん…
私に遠慮しないで、素直になっていいんだよ。
素敵な気遣いの出来る可愛い名前ちゃん。
女子生徒が1人しかいなくて寂しかった気持ちを埋めてくれた優しい人。
だから、これからも仲良くしてね。