あれから6年…
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あたしは英二の番号を出すと、通話ボタンを押した。
あたしと英二は、いわゆる仲のいいオトモダチだった。バカなこと言って笑い合って、お互い言いたい事は遠慮無しに言っていた。
英二が好きだ、ということを除いては。
この気持ちが恋だということに気付いた時には、もう遅かった。
英二の近くにいて芽生えた気持ちは、英二に近づきすぎて言えなくなってしまった。
今まで築いてきた関係を壊してしまうなら、言わない方がいい。
傍にいられるのなら、このままでいい。
そう思って、臆病なまま、何もないまま、卒業を迎えたんだ。
『もっしも~し!どったの??』
「…やっぱり送って。」
『えぇ~…。分かったよぉ。今ドコ?』
「さっきの場所から動いてない。」
『おっけー♪オレまだ近くにいるから、すぐ行くねっ!おとなしく待ってろよぉ?』
なんだかんだ言って、英二は優しいから。そんな英二に甘えてた部分もあったと、そう思う。
携帯の電池パックに今でも貼っている、中学時代に英二と撮った変顔のプリクラ。それを見ながら英二を待っていた。
「お待たせ~♪」
「悪いね。」
あたしは慌てて携帯をしまった。
「だから言っただろぉ?送ってくって!」
「いや、まぁ色々ありまして。」
「ふぅん。ま、いーや!行こうぜ♪」
途中にあった自販機で、英二があったいココアをおごってくれた。
吐く息が、いっそう白くなった。
「もう気分は大丈夫なの?」
「おぅ!充電かんりょ~♪」
言わなくちゃ。あたしのあの時の気持ちを。今でも引きずってる、この想いを。
「英二、あたしね」
言いかけて、英二がそれをさえぎって話しだした。
「そういえばさぁ、部活の帰りもこうやってなんか食べたり飲んだりしながら帰ったよね~。」
「そうだね。」
「桃もおチビもいてさ、ジャンケンして負けたらおごらされんの!」
「英二負けてばっかだったよね。」
「お前もあいつらも、ホント容赦なかったよにゃー。」
「あはは(笑)」
昔もこうだった。結局笑い話になって、そういう雰囲気にはならない。
なら、
そういう雰囲気にすればいい。
「英二。」
「ん~?」
「あたしね、後悔してることあるんだ。」
あたしが立ち止まると、隣を歩いていた英二も立ち止まった。
「後悔してるコト?」
「うん。英二に好きって言う前に、卒業しちゃったからさ。」
「そっかぁ~……Σえぇっ?!」
真夜中の路地に、英二の大声が響き渡った
「あたし、あの時英二が好きだった。英二はあたしを友達としてしか見てなかったから、関係壊したくなくて言えなかったけど。」
やっと言えた。
もう悔いはない。
けど、今の気持ちは言ってないあたり、あたしは成長してないなと思う。
「それ、マジ??」
「マジ。」
驚いたような困ったような、英二はそんな表情だ。
「言ってスッキリしたかったんだ。だから英二を呼び戻したってわけ。今さら卑怯だよね。」
「ホントだよ!」
「え…?」
「何であの時言ってくんなかったんだよぉ!俺だって…」
英二の眉毛がハの字になった。
「俺だって伝説のハジケリストのコト、好きだったんだぞ?」
「うそ…」
「うそじゃないもん!伝説のハジケリストは俺のコト友達としか思ってないと思ってたし、一緒にバカ言って笑えなくなるのがやだったから、ずっと告れなかった……あ。」
「何?」
今まで困惑した表情だった英二の顔が、段々柔らかくなってきた。
「ぷっ…。」
「何がおかしいのよ。」
今度は笑い出す英二。表情がクルクル変わるところはやっぱりあの頃のままだ。
「だーってさぁ、俺達おんなじコト考えてたんだなって思うと、おかしくない??」
「同じコト?」
「そ!お互い両想いだったのに、びびって気持ち伝えなかったじゃん?それも同じ理由!」
「え?!英二も?!」
「そうだって言ったじゃん!俺達言いたいコト言い合ってたけど、そればっかりは言えなかったよなぁ(笑)」
英二が笑いながら話すので、あたしまでおかしくなってきた。
後悔も無駄じゃなかったんだなって、そう思える。
あたしも英二と一緒に笑った。
「あの…さ、俺は今でも伝説のハジケリストのコト好きなんだけど…メーワク??」
「あはは!やっぱりうちら気が合うね(笑)あたしも、今でも英二が好きだよ。」
「へへへ!そっか☆」
「うん!」
「あのさ、手…つなぐ?///」
「つな…ごうかな///」
6年ぶりに触れた栄二の手は、とてもあったかかかった。
これからも、同じ気持ちでいよう。
同じ事を考えてよう。
思った事は伝えていこう。
今度は離れないように、お互いの手をしっかり握って、夜道を笑いながら歩いた。
終わり
あたしと英二は、いわゆる仲のいいオトモダチだった。バカなこと言って笑い合って、お互い言いたい事は遠慮無しに言っていた。
英二が好きだ、ということを除いては。
この気持ちが恋だということに気付いた時には、もう遅かった。
英二の近くにいて芽生えた気持ちは、英二に近づきすぎて言えなくなってしまった。
今まで築いてきた関係を壊してしまうなら、言わない方がいい。
傍にいられるのなら、このままでいい。
そう思って、臆病なまま、何もないまま、卒業を迎えたんだ。
『もっしも~し!どったの??』
「…やっぱり送って。」
『えぇ~…。分かったよぉ。今ドコ?』
「さっきの場所から動いてない。」
『おっけー♪オレまだ近くにいるから、すぐ行くねっ!おとなしく待ってろよぉ?』
なんだかんだ言って、英二は優しいから。そんな英二に甘えてた部分もあったと、そう思う。
携帯の電池パックに今でも貼っている、中学時代に英二と撮った変顔のプリクラ。それを見ながら英二を待っていた。
「お待たせ~♪」
「悪いね。」
あたしは慌てて携帯をしまった。
「だから言っただろぉ?送ってくって!」
「いや、まぁ色々ありまして。」
「ふぅん。ま、いーや!行こうぜ♪」
途中にあった自販機で、英二があったいココアをおごってくれた。
吐く息が、いっそう白くなった。
「もう気分は大丈夫なの?」
「おぅ!充電かんりょ~♪」
言わなくちゃ。あたしのあの時の気持ちを。今でも引きずってる、この想いを。
「英二、あたしね」
言いかけて、英二がそれをさえぎって話しだした。
「そういえばさぁ、部活の帰りもこうやってなんか食べたり飲んだりしながら帰ったよね~。」
「そうだね。」
「桃もおチビもいてさ、ジャンケンして負けたらおごらされんの!」
「英二負けてばっかだったよね。」
「お前もあいつらも、ホント容赦なかったよにゃー。」
「あはは(笑)」
昔もこうだった。結局笑い話になって、そういう雰囲気にはならない。
なら、
そういう雰囲気にすればいい。
「英二。」
「ん~?」
「あたしね、後悔してることあるんだ。」
あたしが立ち止まると、隣を歩いていた英二も立ち止まった。
「後悔してるコト?」
「うん。英二に好きって言う前に、卒業しちゃったからさ。」
「そっかぁ~……Σえぇっ?!」
真夜中の路地に、英二の大声が響き渡った
「あたし、あの時英二が好きだった。英二はあたしを友達としてしか見てなかったから、関係壊したくなくて言えなかったけど。」
やっと言えた。
もう悔いはない。
けど、今の気持ちは言ってないあたり、あたしは成長してないなと思う。
「それ、マジ??」
「マジ。」
驚いたような困ったような、英二はそんな表情だ。
「言ってスッキリしたかったんだ。だから英二を呼び戻したってわけ。今さら卑怯だよね。」
「ホントだよ!」
「え…?」
「何であの時言ってくんなかったんだよぉ!俺だって…」
英二の眉毛がハの字になった。
「俺だって伝説のハジケリストのコト、好きだったんだぞ?」
「うそ…」
「うそじゃないもん!伝説のハジケリストは俺のコト友達としか思ってないと思ってたし、一緒にバカ言って笑えなくなるのがやだったから、ずっと告れなかった……あ。」
「何?」
今まで困惑した表情だった英二の顔が、段々柔らかくなってきた。
「ぷっ…。」
「何がおかしいのよ。」
今度は笑い出す英二。表情がクルクル変わるところはやっぱりあの頃のままだ。
「だーってさぁ、俺達おんなじコト考えてたんだなって思うと、おかしくない??」
「同じコト?」
「そ!お互い両想いだったのに、びびって気持ち伝えなかったじゃん?それも同じ理由!」
「え?!英二も?!」
「そうだって言ったじゃん!俺達言いたいコト言い合ってたけど、そればっかりは言えなかったよなぁ(笑)」
英二が笑いながら話すので、あたしまでおかしくなってきた。
後悔も無駄じゃなかったんだなって、そう思える。
あたしも英二と一緒に笑った。
「あの…さ、俺は今でも伝説のハジケリストのコト好きなんだけど…メーワク??」
「あはは!やっぱりうちら気が合うね(笑)あたしも、今でも英二が好きだよ。」
「へへへ!そっか☆」
「うん!」
「あのさ、手…つなぐ?///」
「つな…ごうかな///」
6年ぶりに触れた栄二の手は、とてもあったかかかった。
これからも、同じ気持ちでいよう。
同じ事を考えてよう。
思った事は伝えていこう。
今度は離れないように、お互いの手をしっかり握って、夜道を笑いながら歩いた。
終わり