お題DEキリ番小説
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
我らが立海テニス部では、ハードな練習をこなした後に、さらなる仕上げメニューが二つある。
その一つは縄跳び。
ただ今その真っ最中。部長幸村のセレクションである『ギザギザハートの子守歌』のリズムに合わせ、全員縄跳びをしている。縄に引っ掛かってしまったら腕立て伏せ50回という、とてもハードな内容だ。
昨日のBGMは『上海ハニー』だった。本来なら一週間はその曲なのだが、真田が歌詞の内容についてしつこく聞いてきたのがウザかったらしく、急遽変更した。
ちなみにあたしも参加中。ダイエットになるかなと思って一緒に跳ぶことにした。
結構早いリズムだが、みんなまだまだ余裕といった感じだ。あれだけの練習をこなした後だというのに、ちょっとバカなんじゃないかと思うくらい彼らは普通に跳んでいる。
あたしはというと、彼らの半分も動いていないというのにちょっと意識がぼやけてきていた。
「伝説のハジケリスト先輩ダイジョブっスか?今一瞬白目になってたっスよ?」
「だ…大丈夫…」
あたしの隣で余裕で跳んでる赤也に白目を指摘されたが、白目になりたくてなったんじゃない。もうホントに足がつりそうだししんどいしで、そんなこと気にしていられない。
「伝説のハジケリスト。」
今度は逆隣の、これまた余裕で跳んでる仁王に話し掛けられ、内心「頼むから話し掛けないで」と思いながら、顔だけを仁王の方へ向けた。
「お前さんの旦那、眼鏡も一緒に縄跳びしてるぜ?」
言われて斜め前のマイダーリンヒロくんに目をやると、確かにヒロ君が飛ぶたびに眼鏡が小刻みに上下していた。
その様子がとてもおかしかったのだが、遠退く意識の中で「ふふっ」という笑いしかできなかった。
「うわ!(笑)眼鏡のサイズ合ってないんスかね?!」
「練習始まる前に丸井がふざけて柳生の眼鏡つけとったけん。それで広がったんじゃろ。」
可愛そうにと思いながら跳んでいると、ギザギザハートの子守歌が終わった。
「水分補給が終わったらグラウンドに集まって。せっかくだから、伝説のハジケリストも参加するといいよ。」
「えー…」
「今日蓮二がいないから、一人足りないんだ。頼む。」
息一つ乱していない天使のような悪魔の笑顔、幸村部長のお願いを断れるはずがない。
蓮二は委員会で不在だ。これからやる最後の練習は二人組でやるものだから、一人あまってしまう。
だったら他の部員を使えばいいのにと思ったけど、やはりそんなこと言えるはずもなく、
「分かりました…」
と返事をし、水分補給に向かった。
部室に自分のペットボトルを取りに行くと、ヒロくんがいて眼鏡をいじっていた。
「どうしたの?」
「伝説のハジケリストさん。いえ、眼鏡のテンプルが広がってしまいまして…。」
「テンプル??」
「この部分です。」
そう言って眼鏡の耳に掛ける部分の棒をあたしに見せた。そこの正式名称を初めて知って、ヒロくんといると本当に勉強になるなと思った。
素直になれない性格が邪魔して、本人には絶対に言えないけど。
「それじゃ困るよね。ちょっと貸して。」
ヒロくんから眼鏡を受け取り、広がり具合を見てみた。すると、テンプルが若干ハの字に広がっていて、あたしが掛けてもゆるゆるだった。これでは眼鏡が落ちて困ってしまうだろう、何かいい方法はないものかと考えていると、ヒロくんが
「伝説のハジケリストさんはお優しいですね。」
なんて言ってきた。
「べ、別に!マネージャーとして当然のことしてるだけだし!優しくなんてないし!」
本当は嬉しいのに、いつもこんな感じで可愛くない態度をとってしまう。本当に可愛くない彼女だと自分でも思う。直したくても直らない。こんなのと付き合ってくれてるなんて、なんて心が広いんだろう。
「いえ、伝説のハジケリストさんはとてもお優しい心の持ち主ですよ。」
「……///」
あたしをまっすぐ見て、優しく笑って言うもんだから。ついつい恥ずかしくて下を向いてしまう。
「伝説のハジケリストさん…」
ヒロくんがゆっくりと近寄ってくる。
なんだかちょっといい雰囲気……
「おう、いちゃいちゃしてるとこ悪いけど、そろそろ休憩終わるぜよ。」
『ボキッ!!』
「Σ(◎□◎;)!!」
いきなり仁王が入ってきたもんだから、驚きのあまりヒロくんのテンプルを片方折ってしまった。
「過激なプレイやのう。」
「なっ!別に何もやましいこととかしてないし!するわけないじゃんあんたバカじゃないの?!」
「そげん慌てたら逆に怪しいぜよ。柳生の眼鏡外して、ちゅーでもしようとしてたんじゃろ。」
「はぁ?!///違いますー!眼鏡ぶっ壊れたから直してやろうと思ってただけですー!こんなもの、これをこうしてこうすれば…」
ちょうど置いてあったガムテープをちぎり、テンプルが折れてしまったのでレンズのわきをヒロくんのこめかみに貼りつけた。
「これでよし!」
「…柳生、大丈夫か。」
「はい。これは愛の鞭ですから。」
テニスコートから幸村の集合の合図が聞こえてきたので、ペットボトルを一口飲んでから急いでコートに出た。
「じゃあ、二人組になろうか。」
幸村の言うところの二人組とは、すでに組み合わせが決まっている。シングルスはシングルスで、ダブルスはダブルスの相方と組む。
それで何をするのかというと…
「部長!柳先輩いねーんスけど、俺は誰と組めばいいっスかね?」
「うーん…それじゃあ仁王、赤也と組んで。」
「えっ!ちょっと待った!てゆーことはあたしは…」
「うん。柳生と組むんだよ。」
「えぇ~?!」
相棒を背負い、100メートルをダッシュで往復する。
その名も
『おんぶダッシュ』
普通に考えて、あたしが柳生を背負うのは無理だ。辛うじて赤也ならいけそうだが、背負って走るとなると話は別である。
「ちょっと待って、あたしも走るんだったらヒロ…柳生は無理じゃない?ギリで赤也でしょ!」
「えっ!俺伝説のハジケリスト先輩のことおんぶしちゃっていいんスか?!」
赤也が何故か嬉しそうに目を見開いてきたが、よく考えたらあたしのこのヘビーウエイトを、後輩である赤也に預けるのは申し訳ない。
「伝説のハジケリストを赤也に跨らせるわけにはいかないな。それに、いくら伝説のハジケリストがたくましくたって、部員を背負わせるわけにはいかないよ。一応女の子だし。」
「どういうこと?あたしも参加するんだよね??」
卑猥な表現を織り交ぜた失礼トークを軽快にされた気がしたが、あまりにも自然な流れだったのでつっこみそびれてしまった。
「うん。だから、伝説のハジケリストのパートナーには二回とも走ってもらう。」
「だったら真田がいい!」
ヒロくんにヘビーウェイトがバレて、「こんな重量級な彼女はごめんでアデュー」なんて言われたら立ち直れない。
その点真田ならば安心だ。重いのなんてなんのその、「これぐらいどうってことないわ!フハハハハ!」とか言って、下手したら肩車してしまう勢いだ。
「真田は俺の専属だからだめだよ。」
「幸村…!」
「ほら、時間が勿体ないから早く並んで。」
幸村の言葉に真田がこれでもかというほどじーんとしていたが、真実の意味に気付いていないからこそのことだ。少々気の毒に思えるが、いつものことだからいちいち同情してられない。
幸村は感動している真田を見ぬふりし、あたしの背中を押していつもの位置についた。
「伝説のハジケリストさん。私の背中がお嫌でしたら、私の方からも幸村君に交渉してみましょうか?」
引かれた白線に並びながら、悲しそうに笑いながらそんなことを言ってきた。
そうじゃない。ただ自分がインド象の如く重いことがバレるのと、ヒロくんにその負担をかけることが嫌なだけだ。
ヒロくんが、100人乗っても大丈夫!な感じだったら遠慮なくこの重々しい体を思い切り預けるところだが、そうじゃないから。
だから、ヒロくんに「嫌じゃなくて、あたしマジ重いから」と言おうとし、まさに最初の“い”を発したその瞬間。
「大好きなヒロくんに重いって思われるのやだもんな~。」
ちょうど隣に並び、ジャッカルに背負われたブン太が半笑いで言ってきた。図星を半笑いで当てられることほど、カチーンくることはない。
「違うし!ヒロく…柳生みたいなおぼっちゃマンに乗って走るのが恐いだけだし!」
「だとよ。」
微妙に挑発的な言い方をされたヒロくんは、いつもの癖である眼鏡を上げる動作をした。が、ガムテープでみっちり固定されているのでずれなかった。
「心配は無用です。さぁ、お乗り下さい。」
静かにそう言うと、背負う態勢に入った。
恐る恐るヒロくんに体を預けると、何でもないようにスッと立ち上がった。
全員が位置に付くと、毎度お馴染みのことだというのに何故か緊迫した雰囲気になった。ダッシュするわけだから衝撃がすごいだろうと思い、振り落とされないようにとヒロ君の肩をぎゅっと掴んだ。
そして、
『ピッ!』
スタートの合図が鳴った。
スタートしてそれぞれが猛ダッシュしている中、ヒロくんの背中は予想とは裏腹に衝撃が少ない。多少の上下はあるものの、まるでベンツの乗り心地だ。
「行けぃジャッカル!」
「頭叩くな!」
ヒロくんの少し前を、ブン太を乗せたジャッカルが軽快に走る。その姿はまるでスポーツカーのようだ。
更に前には、余裕というか優雅に真田を乗りこなす幸村の姿が見える。乗りこなされている真田はというと、物凄い勢いで疾走している。その姿はまるで、美しくも恐ろしい絵が描かれているデコトラが、高速道路を走っているかのようだ。
すぐ横には赤也を乗せた仁王が走る。
「やぎゅー先輩いいっスね、俺も伝説のハジケリスト先輩おんぶしたいっスよ~。」
「俺より重いぞ。」
走りながらも余裕で失礼なことを言う仁王。こいつら失礼の集団だ。
「のう柳生、赤也と変えてやろうか。」
煽るようにぴったりと横に付き、挑戦的な言い方をすると、
「結構です。伝説のハジケリストさん、少し動きますのでしっかり掴まっていて下さい。」
「え?あ、はい。」
ヒロくんは急に加速し、あっという間にジャッカルを抜いて真田の後ろにきた。
あと少しのところで、100メートルの折り返し地点に着いてしまった。
「ヒロくん、大丈夫?」
肩で小さく息をするヒロくんは、優しく笑って
「えぇ。伝説のハジケリストさんがそばにいてくれるので、いつもより速く走れていますよ。」
と言ってくれた。自分の顔がみるみる赤くなっていくのが分かる。
「好きで乗ってるわけじゃないし!つーかヒロくんはあたしがいてもいなくても関係ないでしょ!」
「いえ、私にはあなたが必要です。あなたをお乗せしてみてはっきり分かりました。」
「勘違いだって。ヒロくんの実力でしょ。」
「勘違いかどうか、証明してみせましょう。」
眼鏡を上げる動作をしたが、ガムテープで固定してあるために眼鏡は微動だにしなかった。
ヒロくんが立て膝で座って、背負う準備万端ですよ、といった感じだったので、あたしは再びヒロくんに体を預けた。
『ピッ!』
すぐに鳴ったスタートの合図に、一歩も遅れることなく走り出した。
「お前重くて走りづれーんだけど!交代しろぃ!」
「さっき俺が走っただろうが!」
後方では、ジャッカルを乗せたブン太が騒々しく走っている。その少し後ろでは
「丸井先輩の方がどう考えたって重いっスよね。」
「なんだと?!」
「Σアブね!」
「おいおい、俺まで巻き込巻き込まんでくれよ。」
仁王を乗せた赤也が走っている。ブン太が軽く赤也に体当たりしたところで目線を前に戻すと、真田を乗せた幸村が、お構いなしに前の方を走っていた。
「すごいね、真田をもろともせずに華麗に走ってるよ。」
「幸村君は華奢に見えますが、部内一の力持ちですからね。」
「やっぱり幸村には勝てないよね。」
色んな意味での“勝てない”だったのに、この一言がヒロくんに火をつけてしまったらしい。
「すみませんが、しっかりと私に掴まって下さい。」
「え?ちょっ…」
「行きますよ。」
ヒロくんの肩に手を回すと、物凄い勢いで加速し出した。
そのスピードにとても状態など起こしておられず、きつく抱きつくようにしてしがみついた。
「やるね、柳生。」
「うむ。しかし、伝説のハジケリストの腕で首が絞まっていた。あれは危険だぞ。」
チラッと後ろを見ると、幸村と真田がいて、真田が自分の首を一生懸命指さしていた。
何してんだあいつ、と思っていると、白線を越えたヒロくんの足が止まった。
「大丈夫…?」
さっきよりも若干大きく肩で息をするヒロくんは、あたしを丁寧に下ろしながらまた優しく笑った。
「怖い思いをさせてしまってすみませんでした。私は大丈夫です。伝説のハジケリストさんこそどこかぶつけたりしていませんか?」
「いや、あたしは平気だけど…。」
それはよかった、と言って、またしても眼鏡を上げる動作をした。その時皮膚が上に持ち上がったけど、自分が仕掛けたことなので何も言うまい。
「ずいぶん飛ばしとったのう、柳生。」
「本当に速かったね。まさか抜かれるとは思わなかった。」
「えぇ、伝説のハジケリストさんが私にパワーを与えて下さいましたから。」
「なっ…!///」
「言ったはずです。証明してみせると。」
眼鏡の奥の瞳は見えないけど、きっと真剣にあたしを見据えているに違いない。
「仲良くしているところを申し訳ないけど、ダウンするから。伝説のハジケリスト、片付け頼む。」
「は、はい!」
「全員集合!」
幸村の合図でなんとか切り抜けられた。あんな風に言われて、言葉を返すなんて難しいことだ。
みんながダウンしている間、あたしはネットを畳みながら頬が緩んでいた。
片付けが終わり、部室に戻った。最後の仕事である部誌を開き、今日のことを綴っていると、
「お疲れさん。」
「お疲れっした!」
「お疲れー。」
「また明日な。」
仁王、赤也、ブン太、ジャッカルが次々と帰って行った。
あたしも早く帰りたい。その一心で大急ぎで部誌を書き上げた。後半かなりテキトーだけど、さっきの縄跳びのおかげでヘトヘトだからしょうがない。
「伝説のハジケリスト、部誌書けた?」
「うん。」
「じゃあ、俺たち外に出るよ。鍵忘れないでね。」
「伝説のハジケリストさん、外でお待ちしています。」
「はーい。」
みんなが外に出たのを確認し、最後の力を振り絞って急いで着替えを始めた。外は寒いので、鍵当番の真田と真田と一緒に帰る幸村を、そしてヒロくんを長い時間待たせるわけにはいかない。
少しでも時間を短縮するため、靴を履きながら歩こうと思って、かかとを踏んだ状態になっていた。
これがいけなかった。
電気を消して、鞄と鍵を持っていざ外へ!と思ったら
『グキッ!』
「うっ…!」
方向転換する際、かかとが滑って右足に全体重を乗っけてしまった。つまり足を挫いた。
また真田に「情けない」とか言われるんだろうな、幸村には必要以上に心配されちゃうんだろうな、マジやだな、と思いながら、ゆっくり靴を履いて片足でなんとか外へ出た。
「ごめん、お待たせ。」
「お疲れ様。」
極力バレぬよう左に体重を乗せ、真田が鍵を掛けて幸村と帰っていくのを見届けた。
「ふぅ、さて、帰りますか。」
「その前に、足を見せて頂けますか?」
「え…」
やっぱりヒロくんは誤魔化せなかったらしく、こちらが返事をする前にあたしの前にしゃがみ込んだ。
「ちょっとえっち!人の足見ないでくれます?!」
「右足ですね…。一刻も早く病院に行きましょう。」
「いいよ、ただの捻挫なんだから。」
「ということは、捻ってしまわれたのですね。」
まんまと誘導尋問された。ダブルスを組んでるうちに、仁王に感化されてきてしまったに違いない。
「もう!ホントに大丈夫だから!」
「万が一、ということもありますから。」
「やだもうめんどくさい!帰る!」
「困った人ですね。ではこちらにも考えがあります。」
そう言って、あたしの横に移動した。すると、
「ちょっ…!下ろして!」
お姫様だっこ、というヤツだ。そのままあたしの鞄を肩に掛け、歩き出した。
「やだ、やめて!自分で歩けるから!」
「歩いて悪化しては困ります。」
「でもこれは嫌だ!恥ずかしいって!つーかヒロくん疲れてるのに!」
「では、こうしましょう。」
優しくあたしを下ろすと、前にまわってか屈んだ。さっきも見たポーズ。
「さぁ、乗りたまえ。」
「乗りたまえって…。」
「これでも嫌だとおっしゃるのなら、問答無用で先ほどのようにお運びする形になりますが。」
「ヒロくん、紳士じゃない。」
「あなたのためを思うからこそです。伝説のハジケリストさん、紳士の名を捨ててでも、私はあなたを病院に連れて行きます。」
口調は柔らかいけど、あたしは今、叱られているんだなって分かる。こんなに心配してくれるのは、世界中でヒロくんだけかもしれない。
「分かった。」
ヒロくんのテニスバッグを背負い、ヒロくんの背中に再び体を預けた。
「テニスバッグも私が持ちますから。」
「やだ。これくらいさせてよね。どうせ重くなるのはヒロくんだしさ。」
「では、お願いします。」
あたしの気持ちを汲んで鞄を持たせてくれたヒロくんに、紳士の称号を捨てるなんて無理な話だと思う。
「ヒロくん、ごめんね。」
「何がですか?」
「その、色々と。」
「伝説のハジケリストさん。あなたはとても可愛らしい人です。」
「うぇ?!」
正直耳を疑いたくなる言動に、素で素っ頓狂な声を出してしまった。
「あなたの愛情表現は、私を癒してくれます。」
「あ、愛情表現なんてしてないし!」
愛情表現の仕方なんて、あたしには分からない。こういう性格だから、気持ちを上手く伝えられない。
なのに
「本音を言うと、このままずっと伝説のハジケリストさんの体温を感じていたいのですが、そうもいきませんからね。」
こんなにもあたしに優しくて
「先ほども、このままあなたを連れ去ってしまいたいと考えてしまったほどです。」
あたしを好きでいてくれる。
「…バカ。」
「バカで結構。」
すごく機嫌が良さそうにそう言ったのを聞いて、なんだかおかしくなった。そんなヒロくんの愛情表現には一生勝てそうにない、そう思った。
あたしも少しでも伝えたくて、でもやっぱり恥ずかしいから、抱きつくようにヒロくんの背中に掴まった。
心地よい体温を感じ、明日からはもっと素直になってみよう、そんなことを考えた。
終わり
[後書き]
大変お待たせしました!年が明けてからのアップになってしまって大変申し訳御座いません!しかもまた無駄に長い。
リク内容は『ツンデレ主人公のギャグでラストは甘く』です。
ツンデレって難しいですね!ツンデレ好きの人から見たら、こんなんじゃ温いと思います。ホント申し訳ない。しかもギャグが微妙であり、甘いのかそうでないのか分からないというMANGE節を利かせてしまいました。(隠し切れていない隠し芸である)
たかね様、長々とお待たせしてしまったのに面白くなくてすみません(>_<)同じ柳生好きとして、真剣に凹む勢いです。愛がまたしても空回りました。書きなおし、苦情受け付けます!
伝説のハジケリスト様、ここまでお付き合い頂きましてありがとうございました!どうぞ私の背中にお乗り下さい!さぁ!