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「今日キヨちゃんの誕生日じゃん?」
「ああ、そうだな。」
「あの…、会議はいいんですけど、場所おかしくないですか?」
ここは生徒使用禁止の職員トイレの一室。
キヨちゃんの誕生日をどうするか、息を殺して会議をしているとこだ。
「黙れ室町。伝説のハジケリストがここを指定したんだ。逆らわない方がいい。」
「本題に戻るよ。一応あたしの考えは…」
とてつもない強運の持ち主であるキヨちゃん。席替え、くじ引き、オマケ付きお菓子など、奴にかかればなんてことない。
そんなキヨちゃんも15歳。もう大人だ。
これから先、運を使い果たしてしまった時の為に今から不幸に慣れといた方がいいのではないか。
「…って思ったんだけど。」
「ハイ!」
「はい壇君。」
「挙手制か?」
「ああ、気をつけよう。」
書記である東方はノートに挙手制であることを書き込んだ。
「あのっ!つまり千石先輩に逆境に強くなってもらうって事ですよね?!」
「そのとおり。」
「すごいです!!伝説のハジケリスト先輩優しいです!僕も頑張ってお手伝いするです!」
「壇君…よく言った!」
それから会議は盛り上がり、不幸連続誕生日会の下準備が整った。
キヨちゃんの誕生日会は、東方の大好きな家庭科室でホットケーキパーティーをすることになった。
「みんな、打ち合わせ通りにやるんだからね。」
「落ち着いてやれば失敗しませんよ。」
【訪れる不幸その①】
千石:「おまたせ~…イタッ!!」
扉を開けた瞬間、扉に挟まってたバナナが落ちてくる。
千石:「俺ってアンラッキー(;_;)」
『パタパタパタ』
「この足音…千石さんですね。」
「足音だけで分かるなんて…室町先輩すごいです!!」
まぁ…、室町君はキヨちゃんのストーカーだし。
『ガラガラッ』
「おまたせ~♪みんな悪いね~、俺のために!」
『Σ!!( ̄□ ̄;』
なんとキヨちゃんはバナナを仕掛けた扉ではなく、もう一つの出入口の扉を開けて入ってきたのだ。
「あなどれないな…。」
「ああ、そうだな。」
東方はノートに結果を書き込んだ。
「(ここからが勝負よ…見てらっしゃい!)キヨちゃん、誕生日おめでとう!さ、ここ座って?」
【訪れる不幸その②】
千石:「伝説のハジケリストちゃんの隣?俺ってラッ…Σうわっ!」
千石が座る直前、イスにチョコチップを置く。
千石:「ズボンが…俺ってアンラッキー(;_;)」
「伝説のハジケリストちゃんの隣?俺ってラッ…ん?」
上手くいったか?!
「なぁ~んかこのイス低いなぁ。…よっ!」
『!!Σ( ̄□ ̄;』
なんとキヨちゃんは後ろにあったイスとチョコチップの乗ったイスを交換してしまった。
(でも一回座ったよな?)
(それが…間一髪で触れてないの。)
とっさのことだったので、チョコチップを手前に置きすぎてギリで股間寄りになってしまった。
(ごめん。男子が脚開いて座るのわすれてて…。)
(ドンマイ!次に生かそう。)
南はあたしとのアイコンタクトの内容を東方にこっそり伝えた。
東方は結果をノートに書き込んだ。
「(中々手強いわね。)キヨちゃん、もうすぐホットケーキミックス来るからね。」
「いいねぇ♪ホットケーキなんてしばらく食べてないよ。」
「ダダダダァーン!!混ぜ終わったです!」
さぁ!ここが勝負所よ!
【訪れる不幸その③】
壇:「千石先輩のために愛を込めて混ぜたです!」
千石:「ありがとう。壇君。」
壇:「今そっちに運ぶで…わわっ!手がすべりましたぁ!」
千石、ホットケーキミックスを被る。
壇:「すすす、すみません!」
千石:「ハハハ…(俺ってアンラッキー…)」
「千石先輩のために愛を込めて混ぜたです!」
「ありがとう。壇君。」
壇君、リハーサル通り頑張るのよ!
「今そっちに運ぶで…わわっ!手がすべりましたぁ!」
いったー!!
「ん?なんだこれ?」
『!!Σ( ̄□ ̄;』
なんとキヨちゃんはイスの下にあった何かに気付き、身を屈めてしまった。
「おっ♪100円めっけ!俺ってラッキー♪」
キヨちゃんの異常なまでのラッキーに背筋が凍るのを覚えた。
「Σあぁっ!東方先輩!」
見ればキヨちゃんにかかるはずのホットケーキミックスが東方に。
「大丈夫か?!」
「……。」
東方もノートもドロドロだ。
(こうなったら…!室町君、準備はいい?)
(いつでもどうぞ。)
「キヨちゃん、ジュース何がいい?」
「んー、サイダーがいいな♪」
「コーヒー牛乳ね!分かった。」
「(え~ι)うん、じゃあそれで…。」
キヨちゃんごめん。コーヒー牛乳じゃなきゃ意味がないの。
【訪れる不幸その④】
室町:「千石さん、千石さんの好きなグラビアアイドル、合成してきましたよ。」
千石:「さすが室町君♪どれどれ?」
室町:「これです…あっ。」
合成写真(プリント)が室町の手から離れ、テーブルに落ちる。
伝説のハジケリスト:「あっ!ごめ~ん!」
コップからコーヒー牛乳が大量に溢れ、写真がコーヒー牛乳まみれになる。
千石:「サトエリが…俺ってアンラッキー(;_;)」
「千石さん、千石さんの好きなグラビアアイドル、合成してきましたよ。」
「さすが室町君♪どれどれ?」
「これです…あっ。」
リハーサル通り、合成写真(プリント)が室町の手から離れ、コップの真横に落ちた。
今だ!!サトエリ覚悟!
あたしは目一杯コーヒー牛乳をコップに注いだ。
溢れる一歩手前になったその時、
『!!Σ( ̄□ ̄;』
なんと窓の隙間から風が吹き、サトエリが宙を舞い、キヨちゃんの頭に乗った。
ありえない…
「伝説のハジケリストちゃ~んιこぼれてるこぼれてる!」
結局、最後まで何一つ成功しなかった。
キヨちゃんのラッキーには勝てなかった。
―翌日―
「すみませんでした!僕がドジなばっかりに…」
「壇君のせいじゃないわ。あいつが異常なのよ。」
あたし達は例の場所で反省会をしている。
「ホント、千石さんには敵いませんね。」
「ねぇ、あたし思ったんだけど…」
これから先どんな事が待ち受けてようと、キヨちゃんなら大丈夫なんじゃないだろうか。
「そうだな…。うちのエースだもんな。」
「ああ。俺もそう思うよ。」
「信じ合える仲間…素敵です!!」
壇君が涙ぐんでいる。
「そうですよ。だいたい、千石さんはラッキーだけの男じゃないんですから。でも…今回の誕生日会は無駄じゃありませんでしたよ。」
「室町君…!」
こうして反省会は盛り上がり、結束もあらたになった。
「コラ!ここは生徒使用禁止だぞ!何やってんだ!」
『!!Σ( ̄□ ̄;』
終わり
[後書き]
なんとか間に合いました!途中まで甘くて真面目系で書いてたのがありましたが、山吹はやっぱりこーでなきゃと思い、急遽変更しました。
キヨちゃんHAPPY BIRTHDAY!