♪お題♪
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廊下を歩いていると、今日も伝説のハジケリスト先輩の音が聞こえてきて
そうすると僕は、その音の方へと、誘われるように歩くんです。
でも、今日は少し遠い場所に伝説のハジケリスト先輩がいるみたいで
なかなかその場所に辿り着けないでいます。
どこで弾いているのだろう…
目を閉じると、楽しそうに演奏する先輩の姿が浮ぶから
先輩の音のする方へ、僕はまた歩き出すんです。
もっと近くで聴きたくて
先輩に、会いたくて
図書室がある廊下までくると、先輩の音が大きくなりました。
先輩に会いに行く前に、お手洗いに行こう。
そう思って、近くのお手洗いに入りました。
そうしたら、月森先輩がいて
「月森先輩、こんにちは。」
「あぁ、こんにちは。」
他には誰もいなかったけど、僕は月森先輩の隣に行きました。
月森先輩の近くにいると、伝説のハジケリスト先輩と月森先輩の音が合わさる気がして
お二人の音は、全く違うのに、交わるとよりいっそう美しい音色になるんです。
「…不思議ですね。」
「?」
そういえば、土浦先輩も、伝説のハジケリスト先輩と一緒に演奏している時、優しく、包み込むような音を出しています。
僕の音も、伝説のハジケリスト先輩と合わせると、いつもと違う気がします。僕の中で、温かい何かが溢れてくるんです。それは…
「…何故なんでしょう。」
「??」
土浦先輩は、背も高くて大きくて、いつも羨ましいと思います。
でも、月森先輩も、こうして並ぶと大きく感じます。
土浦先輩のように、身体の幅は大きくないけど、背が高くて、スマートで…
「志水君、俺の顔に何か付いているのだろうか。」
月森先輩は、上品な雰囲気です。土浦先輩は、男らしいです。
「…同じ人間なのに、どうして違うのでしょう。」
「何が?」
雰囲気や性格がそれぞれ違うのは、その人の環境が違うから。それは、音楽家達が全く違う音楽を創り出すことと同じ。
けど…
「大きさだったり、形だったり…何故、違うんでしょうか。僕と月森先輩も、こんなにも違います。」
「俺もそういったことに関してはよく分からないが、そこまで大きな違いはないだろう。」
「いえ、違います。比べて見ると、その差は歴然としてます。」
身長も、手の大きさも。
チェロを運ぶのに
伝説のハジケリスト先輩を包み込むのに
「もう少し、大きくなりたいです。」
「志水君がそんなことを気にするなんて、意外だな。」
「そう、でしょうか…」
「すまない。そんなこと、とは失礼だったな。しかし、それに関してはあまり考えすぎない方がいい。大体、そこまでの個人差は…」
そこで、月森先輩の声が途切れてしまいました。
##IMGR4##
僕の手元を見ていた月森先輩の顔は、今までに見たことのないもので
驚いたような、強い衝撃を受けたような、表現するのが難しい表情。
いつも、同じ表情の月森先輩の、意外な一面を見た気がしました。
「月森先輩…?どうしたんですか?」
「あ、い、いや、なんでもないんだ。とにかくあまり気にしない方がいい。では、失礼する。」
慌てた様子で手を洗い、月森先輩はお手洗いから出て行きました。
用事を、思い出したのかな。
『初めて見る顔』
オマケ
↓↓↓
コートにいた伝説のハジケリスト先輩は、ヴァイオリンを降ろして、首を傾げていました。
何か納得いかないようで、楽譜とにらめっこ。
「伝説のハジケリスト先輩、こんにちは。」
「あ、志水くん!こんにちは。」
でも、すぐに笑顔に戻りました。
「どうしたの?こんなところで。」
伝説のハジケリスト先輩は、よく表情が変わります。怒ったり、難しい顔をしたり、笑ったり、大きなあくびをしたり…
僕が知らないだけで、月森先輩も伝説のハジケリスト先輩みたく、たくさん表情を変えるのかな。
「伝説のハジケリスト先輩は、月森先輩のどんな表情が好きですか?」
「え、月森くんの??」
「はい。」
「どんなって言われても…あの人いつも同じ顔してるからなー。」
「いえ、月森先輩も、さっきすごい表情をしてました。」
「すごい表情?!何それ!どんな?!」
「お手洗いで一緒になって、隣でお話したんです。その時、僕の手元を見て、驚いたような、何かに気付いたような…なんとも言えない表情でした。」
「!!!」
伝説のハジケリスト先輩は、本当に表情が色々変わります。
僕は、それを見ているのが好きです。
まるで、先輩の音楽のようで…
『喜怒哀楽』って、こうなんだなって、僕に教えてくれるんです。
けれど、今の伝説のハジケリスト先輩の表情は、そのどれにも当てはまらなくて
「え、それってどういうこと?!どっちの意味で?!」
「あ…」
考えてたそばから、伝説のハジケリスト先輩は今まで見たことのない顔を見せてくれました。
頬が少し赤く、真剣…情熱的…それに近い表情。
ヴァイオリンを弾いている時とはまた違う、とても高揚した表情。
きっと、僕が見たことのない伝説のハジケリスト先輩の表情が、もっとあるのかもしれない。
さっきの月森先輩みたいに、新しい伝説のハジケリスト先輩が。
そう思うと、もどかしいような、わくわくするような、不思議な気持ちです。
「先輩も、見せて下さいね。」
「えぇっ?!Σ( ̄□ ̄;)ちょ、それは…」
今日見た、月森先輩と伝説のハジケリスト先輩の表情。
言葉で表現できないなら、音楽で表現しよう。
もう、僕の中でメロディーになって、溢れそうなんです。
不思議な気持ち。
目の前にいる伝説のハジケリスト先輩は、確かに伝説のハジケリスト先輩なんだけど、いつもと違う表情で…
「新しい伝説のハジケリスト先輩、初めまして。」
「???」
伝説のハジケリスト先輩、
僕のミューズが、あなたで本当に良かった。
『初めて見る顔』(愛しい人Ver.)
[後書き]
圭ちゃんは宇宙人なので、会話がかみ合いません。かみ合ったらその日はきっといいことがあります。
しかし圭ちゃん。本人はそのつもりがなくても、こちらが「え、ちょっ、何言ってるの!」みないなことを言って、必要以上にドキドキさせてくれそうです。
か・わ・い・い・!
まぁとにかく圭ちゃんの股間はエッフェル塔であり、コルダメンズの中でも一番だと思うわけです。天使のような悪魔の股間。
それをたまたま見た月森が驚きを隠せない話を書きたかっただけです。
月森も一応普通の男子ですから、全く気にならないというわけではない、まして相手が圭ちゃんですから、そんな話でも(でも圭ちゃんはそんな話をしているつもりは全くない)真剣に対応するはず。場所が場所だったので、月森もその話だと思ってしまったのでしょう。
か・わ・い・い!
はい、すみませんでした。