♪お題♪
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耳をすませば、聞こえてくる。
伝説のハジケリスト先輩の、優しい音。
放課後の校舎に、空に、僕に響いて来て
(いた…。)
気付くと僕は、伝説のハジケリスト先輩のいる場所へと、足を運んでいる。
今日は正門前の広場の、少し脇に入ったところにいた伝説のハジケリスト先輩。僕に気付かず、楽しそうにヴァイオリンを弾いていた。
聴いたことのないメロディーだけれど、伝説のハジケリスト先輩らしい、優しい音楽。
胸にすーっと入ってきて
気持ちがいい。
伝説のハジケリスト先輩の演奏が終わり、余韻に浸りながらも拍手を送る。
すると
「あれ、志水くん?」
僕に気付いて、こちらへ歩いて来た。伝説のハジケリスト先輩が今弾いていた曲は、とても綺麗なメロディだけど、切なさもそこに含まれているようで、すごく興味深いと思った。
今まで聴いたことがないのが、不思議なくらい。
「今の曲…」
「ん?」
「何ていう曲ですか?」
「あぁ、今のはね『鳥の歌』っていうの。」
「鳥の…」
可愛らしいタイトルは、
「伝説のハジケリスト先輩に、ぴったりだと思います。」
「え!ちょっと複雑だけど…ありがとう。」
複雑…。優しさの中にある寂しさを、その複雑さを、表現するのは難しくて…
「伝説のハジケリスト先輩は、すごいですね。」
「え??何が?」
きっと伝説のハジケリスト先輩は、曲に込められた想いに、自分の想いを込めたんだと思う。
そう考えると、僕もその曲が知りたくなって
「あの…、誰の曲ですか?」
「杉田かおるだけど…気に入ったの?」
「はい…。とっても、良い曲だと思います。」
「そっか(笑)」
きっと、伝説のハジケリスト先輩が弾いていたから、良い曲に聴こえたのかもしれない。
そうだとしても、伝説のハジケリスト先輩のことを、今よりももっと知りたいから
伝説のハジケリスト先輩が、何を考えて、何に感動して、何に喜んで、何に悲しむのか…
「先輩、ありがとうございました。」
「いやいや、こちらこそ聞いてくれてありがとね!」
「では、失礼します。」
「うん、気を付けて帰ってね。」
帰りに、楽譜を探してみよう。伝説のハジケリスト先輩が弾いていた
杉田かおるの…
『鳥の歌』
[後書き]
志水くんは天然というより、究極の純粋ボーイだと思います。伝説のハジケリスト先輩に関することなら何でも興味を持ち、彼なりに探求するのですが、それ故に謎が深まっていってそうです。(お互いに)
恋人同士が長続きする秘訣は、お互い分からない部分がいつまでもあることだと、人生の大先輩が言っておりました。要するに刺激、志水くんは長続きに持ってこいの方ですね。
ここまで読んで下さってありがとうございました!