氷帝生活①
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あたし達は今、アトベッキンガム宮殿のシアタールームにいる。
―昨日―
「ねぇねぇ、久しぶりにリング見たくない?」
「リングって…貞子のリング…?」
ロッカーを開けながら忍足が聞いてきた。
「そう!」
「あれって物凄く怖いんですよね?俺見たことないんですよ。」
聞けばみんな見たことないと言う。
勿体ない!
「じゃあ明日半ドンだし、跡部の家行って見ようよ!」
「アーン?なんで俺様までんなことに付き合わなきゃなんねーんだ。」
「びびってんの?」
跡部の動きが止まった。
「言ってくれんじゃねーの。俺様がびびってるって?いいぜ、そのロングってやつ見てやるよ。」
なんか間違ってるが見事場所を確保。
「じゃあ帰りに借りてこう。」
というわけで今日に至る。
「俺としてはホラーは興味ないねんけどな…。」
「チビんなよ、侑士!」
「最初からチビってる奴に言われたないわ。」
「チビちがいだろ!クソクソ侑士め~!」
「し、宍戸さん、先にお手洗い行った方がいいですかね?」
「知るかよ!」
「Zzz…」
「ほら!始まるよ!」
上映開始。
驚くシーンでみんなびくっとする中で跡部だけは微動だにしない。
(怖くないのかな…。)
映画も終盤に差し掛かった。
呪いが解けたと安心し、高山が椅子に腰掛けた。
「宍戸さん…、俺…嫌な予感がするんですけど…。」
「静かにしてろ!」
いきなりテレビが点いて、呪いのビデオに映っていた井戸が映し出された。
『キィ…キィ…』
「俺トイレ…。」
「待って下さい!俺を見捨てないで下さい!」
井戸から手が出てきた。
「侑士ぃ…。」
「諦め…。貞子には勝てん…。」
井戸から貞子がゆっくり、ゆっくりとはい上がってきた。
「来る!来る!」
「いて!…も~、何~?」
あたしは膝で寝ているジローの髪の毛を根本から力いっぱい引っ張った。
井戸から出てきた貞子はこっちにむかって不気味に這ってくる。
長太郎は手で顔を覆い、指の隙間から見ている。
宍戸はいつでも逃げられるように、ソファの背もたれ
を持ち、片足を乗せている。
岳人は忍足にしがみつき、忍足は貞子にくぎづけ。
樺地は跡部を守るように前に移動し、その後ろの跡部は足を組んで余裕こいている。
貞子は立ち上がり、あろうことかブラウン管から出てきた。
その時、宍戸が逃げ出そうとしたのを長太郎が押さえ付けた。
「死ぬときは一緒です!」
いや、貞子の標的はお前らじゃねーから。
「なんで出て来るんだよ!呪い解けたんだろ?!」
「静かにしぃや…。」
横でうるさい岳人にイライラしてるのか、怖くてイライラしてるのか。
ブラウン管から出て来た貞子がゆっくりとこちらへ近寄ってくる。
そして…
『カッ!!』
貞子が長い髪の隙間から、怨念のこもった目で見下ろした。
画面一杯に。
「うん、何回見ても怖いわ。」
「こんなの何回も見たくないですよ…。」
「女子ってこーゆーの好きだよなー。」
「ちっ。激ダサだぜ。」
「ほな帰ろか…。」
「ほら、ジロー起きて!」
「待て。」
あたし達が鞄を持って腰を上げた時、跡部が口を開いた。
「お前ら泊まってけ。」
跡部の言葉に樺地以外の全員が固まった。
「勘違いすんなよ。せっかく集まったんだ。このまま帰るの勿体ねーだろ?アーン?」
怖いんだ…。と誰もが思った。
跡部をよく見ると綺麗な額にうっすら汗をかいていた。
「…そうだね!滅多にない機会だし、お言葉に甘えちゃおっかな!」
なんか跡部がかわいく思えた。
「そうですね!宍戸さん一人でお手洗い行けないだろうし。」
「あぁ?!バカ言ってんじゃねーよ!」
「そやな…。たまには親睦深めとこか…。伝説のハジケリストと。」
「そーゆーのいらないから。」
その日の夜、部屋はたくさんあるけれどみんなで大広間で寝た。
終わり
[後書き]
ホラー映画ってみんなで見たりしますよね?見た後、一人になった時が怖いんですよね。呪怨は爆笑しました。
オマケ
↓↓↓
-夜中-
「おい…、長太郎、起きてるか…?」
「う~ん…どうしたんですかぁ…?」
「お前、便所行った方がいいぜ。」
「はぁ~?一人で行って下さいよ…Zzz。」
「………。」
「宍戸、俺様は今から便所に行くぜ?なぁ、樺地。」
「ウス。」
「き、奇遇だな!俺もだ。」
トイレからの帰り道、あたしは爪先を見ながら歩いていた。
(ペディキュアはげてきちゃったな…。)
「おい…跡部!あ、あれ…!」
「アーン?なんだよ………!!Σ( ̄□ ̄;)」
跡部、樺地、宍戸、ネットダッシュ修得。
終
―昨日―
「ねぇねぇ、久しぶりにリング見たくない?」
「リングって…貞子のリング…?」
ロッカーを開けながら忍足が聞いてきた。
「そう!」
「あれって物凄く怖いんですよね?俺見たことないんですよ。」
聞けばみんな見たことないと言う。
勿体ない!
「じゃあ明日半ドンだし、跡部の家行って見ようよ!」
「アーン?なんで俺様までんなことに付き合わなきゃなんねーんだ。」
「びびってんの?」
跡部の動きが止まった。
「言ってくれんじゃねーの。俺様がびびってるって?いいぜ、そのロングってやつ見てやるよ。」
なんか間違ってるが見事場所を確保。
「じゃあ帰りに借りてこう。」
というわけで今日に至る。
「俺としてはホラーは興味ないねんけどな…。」
「チビんなよ、侑士!」
「最初からチビってる奴に言われたないわ。」
「チビちがいだろ!クソクソ侑士め~!」
「し、宍戸さん、先にお手洗い行った方がいいですかね?」
「知るかよ!」
「Zzz…」
「ほら!始まるよ!」
上映開始。
驚くシーンでみんなびくっとする中で跡部だけは微動だにしない。
(怖くないのかな…。)
映画も終盤に差し掛かった。
呪いが解けたと安心し、高山が椅子に腰掛けた。
「宍戸さん…、俺…嫌な予感がするんですけど…。」
「静かにしてろ!」
いきなりテレビが点いて、呪いのビデオに映っていた井戸が映し出された。
『キィ…キィ…』
「俺トイレ…。」
「待って下さい!俺を見捨てないで下さい!」
井戸から手が出てきた。
「侑士ぃ…。」
「諦め…。貞子には勝てん…。」
井戸から貞子がゆっくり、ゆっくりとはい上がってきた。
「来る!来る!」
「いて!…も~、何~?」
あたしは膝で寝ているジローの髪の毛を根本から力いっぱい引っ張った。
井戸から出てきた貞子はこっちにむかって不気味に這ってくる。
長太郎は手で顔を覆い、指の隙間から見ている。
宍戸はいつでも逃げられるように、ソファの背もたれ
を持ち、片足を乗せている。
岳人は忍足にしがみつき、忍足は貞子にくぎづけ。
樺地は跡部を守るように前に移動し、その後ろの跡部は足を組んで余裕こいている。
貞子は立ち上がり、あろうことかブラウン管から出てきた。
その時、宍戸が逃げ出そうとしたのを長太郎が押さえ付けた。
「死ぬときは一緒です!」
いや、貞子の標的はお前らじゃねーから。
「なんで出て来るんだよ!呪い解けたんだろ?!」
「静かにしぃや…。」
横でうるさい岳人にイライラしてるのか、怖くてイライラしてるのか。
ブラウン管から出て来た貞子がゆっくりとこちらへ近寄ってくる。
そして…
『カッ!!』
貞子が長い髪の隙間から、怨念のこもった目で見下ろした。
画面一杯に。
「うん、何回見ても怖いわ。」
「こんなの何回も見たくないですよ…。」
「女子ってこーゆーの好きだよなー。」
「ちっ。激ダサだぜ。」
「ほな帰ろか…。」
「ほら、ジロー起きて!」
「待て。」
あたし達が鞄を持って腰を上げた時、跡部が口を開いた。
「お前ら泊まってけ。」
跡部の言葉に樺地以外の全員が固まった。
「勘違いすんなよ。せっかく集まったんだ。このまま帰るの勿体ねーだろ?アーン?」
怖いんだ…。と誰もが思った。
跡部をよく見ると綺麗な額にうっすら汗をかいていた。
「…そうだね!滅多にない機会だし、お言葉に甘えちゃおっかな!」
なんか跡部がかわいく思えた。
「そうですね!宍戸さん一人でお手洗い行けないだろうし。」
「あぁ?!バカ言ってんじゃねーよ!」
「そやな…。たまには親睦深めとこか…。伝説のハジケリストと。」
「そーゆーのいらないから。」
その日の夜、部屋はたくさんあるけれどみんなで大広間で寝た。
終わり
[後書き]
ホラー映画ってみんなで見たりしますよね?見た後、一人になった時が怖いんですよね。呪怨は爆笑しました。
オマケ
↓↓↓
-夜中-
「おい…、長太郎、起きてるか…?」
「う~ん…どうしたんですかぁ…?」
「お前、便所行った方がいいぜ。」
「はぁ~?一人で行って下さいよ…Zzz。」
「………。」
「宍戸、俺様は今から便所に行くぜ?なぁ、樺地。」
「ウス。」
「き、奇遇だな!俺もだ。」
トイレからの帰り道、あたしは爪先を見ながら歩いていた。
(ペディキュアはげてきちゃったな…。)
「おい…跡部!あ、あれ…!」
「アーン?なんだよ………!!Σ( ̄□ ̄;)」
跡部、樺地、宍戸、ネットダッシュ修得。
終