氷帝生活①
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「あー!!それあたしのクッキー!!」
もう遅かった。
道具の片付けをして部室に戻ったあたしが最初に見た光景。
最後の一つを跡部が口に入れた瞬間だった。
「アーン?お前から俺への贈り物じゃねぇのか?」
「そんなわけないでしょ!(`□´)それはねぇ、友達があたしのために一生懸命作ってくれたクッキーなの!」
お菓子を作るのが得意な子に、無理を言ってドラゴンボールとフリーザとスーパーサイヤ人モードの悟空の形のクッキーを作ってもらったのだ。
宍戸に自慢しようと思ったのに…!
「んな怒んなよ。俺様がもっといいやつ食わせてやるからよ。」
「そーゆー問題じゃないし!もう!すぐ金で解決しようとする!」
「なんだと?お前がここに出しっぱなしにしとくのが悪ぃんだろーが!」
カッチーン!
「はぁ?!今度はあたしのせいだってか!最悪…このゴリラ!!」
「ゴッ?!Σ( ̄□ ̄;)」
「なぁ、侑士!伝説のハジケリストが跡部にゴリラって言ったぜ?」
「首突っ込まん方がええで…。やっかいな事に巻き込まれんうちに帰ろか…。」
「幼児体型のくせに…言ってくれるじゃねーの。」
「よっ…?!Σ( ̄□ ̄;)」
「宍戸さん、跡部さんが伝説のハジケリストさんのこと幼児体型って言いましたよ!」
「関わるな長太郎。俺達も早く帰るぞ。」
一向に謝ろうとしない上に暴言を吐く跡部。
「幼児体型だって?!あんた…本気であたしを怒らせたわね…?」
(あたしの逆鱗に触れたこと、後悔させてやる…。)
かくして戦い(?)の火ぶたが切って落とされた。
―次の日―
「みんなお疲れ!はい、タオル!」
伝説のハジケリストはみんなにタオルを配った。一人を除いて。
「ちっ。おい樺地、タオル取って来い。」
「ウス。」
「跡部のタオルならここにあるよ!はい!」
「あぁ…。(もう怒ってねぇのか…?)」
「!!Σ(◎□◎;)」
跡部がタオルを広げると、『クッキーゴリラ』
と大きく書かれていた。
「おい!おま「…なぁに??」」
「(笑顔が…。)いや、なんでもねぇ…。」
これはまだ序章にすぎなかった。
(なんか朝練だけで疲れちまったな…。)
朝練が終わり、跡部は自分の席についた。
「!!Σ(◎□◎;)」
跡部の机から洋モノのエロ本がお目見えしていた。
(いつの間に…!しかもこれ、忍足のヤローのじゃねぇか!)
心の中は慌てふためいていたが、逆に怪しまれるので平然を装う跡部。
(あいつ…!)
体育が終わり、お昼を食べようと弁当箱を出した。
(アーン?いつもと違う弁当箱じゃねーの。)
「!!Σ(◎□◎;)」
蓋を開けると、そこには弁当箱ぎっしりにクッキーが敷き詰められていた。
それだけではない。
盗撮したと思われる監督の写真が乗っていた。
瞬きした瞬間か、半目になっており、吹き出しで『キス・ミー』と書かれている。
…(・ ̄_ ̄;)
跡部は一気に食欲を無くした。
「さっき跡部とすれ違ったんだけどよ、なんか朝と比べてすげーやつれてたぜ?」
「これで分かったやろ?伝説のハジケリストは敵に回したらあかんのや…。Σあっ!俺のエロ本無くなってる!!」
ロッカーを開けると忍足セレクションの一部が無くなっていた。
「ここにあるぜ…。」
「「!Σ( ̄□ ̄;)」」
エロ本を力無く忍足に返すとソファの上に倒れた。
「なぁ…、謝りぃや…。謝れば済むんちゃうん…?」
跡部は返事もせず倒れ込んだままだった。
「こんにちは!あれ?跡部さんどうしたんですか?」
「伝説のハジケリストの仕業だろ。ほっとけ。」
「樺地…、水持って来い…。」
………。
「聞いてんのか、水だ。」
………。
「樺地なら、二年生の校舎を伝説のハジケリストさんと歩いてましたよ?」
「Σ!!……。」
唯一の宝物を奪われた跡部は力尽き、迎えの車を呼んで帰ってしまった。
―次の日―
(まだだれも来てないじゃん。ん…??)
机を見ると綺麗な袋が置いてあった。そこからは香ばしい香りが漂っている。
(なんだろ。)
袋を手に取ると、下に紙が置いてあった。
"悪かった。"
袋を開けると猫や犬の形をしたクッキーが入っていた。おそらく手づくりだろう。
フリーザや悟空はいなかったものの、なんか嬉しかった。
「しょーがない。許してやるか。」
伝説のハジケリストは跡部にメールを送った。
From:伝説のハジケリスト
Sub:仲直り
クッキーありがとう。いただきます。
-END-
「仲直り…か。かわいいこと言うじゃねーの。」
跡部はメールを見て微笑した。そして、もうコイツだけは怒らせないと決意し、メールを保護した。
終わり
[後書き]
中学生らしい嫌がらせを意識してみました。