氷帝生活①
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樺地が弁当を忘れたため、俺は珍しく学食に来ている。
「おい樺地。今日は俺の奢りだ。好きなだけ食え。」
「ウス。」
「あ!跡部と樺地じゃん。一緒していい?」
声のする方に目線を移すと、伝説のハジケリスト…と忍足がいた。
「俺様は構わねぇぜ?なぁ、樺地。」
「ウス。」
「やった☆じゃ、お言葉に甘えて…よいしょ。」
伝説のハジケリストが座ったのは樺地の隣。俺の隣には忍足が座った。
樺地に飯を奢った事を少し後悔…いや、俺様はそんな小さくねぇ。むしろこの方が伝説のハジケリストの顔が見えやすくていいじゃねぇの。
「ハウル面白かったねー。」
「せやな…。」
ハウル…?あぁ動く城か。俺も見たいと思ってるが、中々暇がなくて行けないんだよな。
「何回も見たいよね。」
「ほなら…また一緒に行く?」
…なんだと?二人で行ったっていうのか?!クソッ。油断も隙もあったもんじゃねぇ。しかももう一回だと?!
「なんで同じ映画をまたあんたと見なきゃいけないのよ。それにもうポイント無いんでしょ?」
ははーん。読めたぜ。忍足は映画館の会員になってて、ポイントが溜まったから割引になった。そこで伝説のハジケリストを誘ったってわけか。ククッ。そうだよなぁ!そうでもなきゃ忍足となんて行かねぇよなぁ!
「もう一つ俺が会員になってる映画館あんねん…。少し遠いねんけどな。」
無駄無駄!だったら俺様が映画館貸し切って伝説のハジケリストとハウるっての。
「あんたいっそのこと映画館に住んだらいいよ。」
「それもええな…。お前と二人…ずっと映画見ながら暮らすんや…。」
「跡部はハウル見た?」
「アーン?まだだ。近いうちに行こうと思ってる。」
「ふーん。」
ククッ。俺様に誘われたいのが見え見えだぜ。だがここは伝説のハジケリストから誘わせるのがベストだ。さぁ来い!俺様は逃げも隠れもしないぜ!
「樺地は?もう見た?」
「まだ…です。」
なにっ?!Σ( ̄□ ̄・)なんでそこでスルーしやがる!
…ははーん。照れてやがるのか。そうだよなぁ。こんな大勢の前じゃ恥ずかしいもんなぁ!ったく…可愛いヤツだぜ!
「絶対見た方がいいよ!ハウルかっこいいからw」
なんだと…?
「そればっかしやな…。でもまぁ…女は見た目完璧やけどしょーもないっちゅー男に弱いもんなぁ…。」
「母性本能くすぐる感じがたまらないのよねー♪」
母性…本能…だと?
「なんでやろな…。全てにおいて完璧なのより、どっかオカシイ方が魅力的やんなぁ…。例えば…俺。」
「お前は全体的にオカシイだろーが。」
「ははは!」
俺としたことが…いちいち忍足につっこんじまった。完璧より欠陥に魅力がある?…母性本能…?
「おい伝説のハジケリスト。母性本能ってなんだ。」
「そうねぇ…読んで字の通り、女性が持ってる母親としての性質みたいなもん?なんとかしてあげたい、みたいな。」
「女はそこに弱いねんで…。"バカな子ほど可愛い"ってよく言うやんか。」
だから伝説のハジケリストはジローに甘いのか…。クソッ!今になって自分の完璧さが憎いぜ!
そう、俺様は完璧だ。何においてもな。まさか、自分自身の中に敵がいるなんて思いもよらなかったぜ…。
「それがどうかした?」
「いや、なんでもねぇ。樺地、俺の分も食え。」
「ウス。」
樺地が俺の皿に手を伸ばそうとすると、横から伝説のハジケリストがトマトを奪った。トマトが欲しけりゃビニールハウスごとくれてやるのに…。謙虚なヤツだぜ。いや、それよりも母性本能とやらをどうにかしねぇとな。
「跡部…顔色悪いで…?食欲も無いみたいやし…。なんや、2日目か…?」
「そうなんだよ。俺様は量が多くてな…って何言わせんだよ!Σ( ̄□ ̄・)死ね!!」
クソッ…!伝説のハジケリストが冷ややかな目で俺を見てるじゃねーか!
「チッ。気分わりぃ。行くぞ樺地!」
「ウス。」
「跡部…ノリツッコミ上手くなってきてるな…。」
「跡部何げにやるからね。そういえば母性本能って言葉気に入ったのかな?やたら食いついてきたよね。」
「さぁな…。跡部にも色々あるんちゃう?」
「色々って?」
「そら俺の口からは言われへん…。さ、俺らも行こか…。」
「母性本能…か。」
「跡部さん…。」
「アン?どうした。」
「この前…伝説のハジケリストさんが言ってました。跡部さんは…私がいなきゃダメだから…って。」
「…フッ。何言ってやがる。そのセリフ、そっくりそのまま返してやるぜ。」
ククッ。所詮俺様もあいつの前じゃただの男だったって事か。
「腹へったな。どっか美味いもんでも食いに行くか。なぁ樺地。」
「授業は…」
「心配すんな。んなもんどうにでもなる。部活までには戻るぞ。」
「ウス!」
完璧さの中に隠された弱さも、また美しい…。そうだろ?ハウルよ…。
終わり
[後書き]
リク内容は『跡部の甘夢(ギャグでもいい)』です。
とにかく伝説のハジケリスト様の事が気になって気になって仕方のない跡部君でした。
彼、少し変わったところはありますが、根本は普通の男子中学生だと思います。
「おい樺地。今日は俺の奢りだ。好きなだけ食え。」
「ウス。」
「あ!跡部と樺地じゃん。一緒していい?」
声のする方に目線を移すと、伝説のハジケリスト…と忍足がいた。
「俺様は構わねぇぜ?なぁ、樺地。」
「ウス。」
「やった☆じゃ、お言葉に甘えて…よいしょ。」
伝説のハジケリストが座ったのは樺地の隣。俺の隣には忍足が座った。
樺地に飯を奢った事を少し後悔…いや、俺様はそんな小さくねぇ。むしろこの方が伝説のハジケリストの顔が見えやすくていいじゃねぇの。
「ハウル面白かったねー。」
「せやな…。」
ハウル…?あぁ動く城か。俺も見たいと思ってるが、中々暇がなくて行けないんだよな。
「何回も見たいよね。」
「ほなら…また一緒に行く?」
…なんだと?二人で行ったっていうのか?!クソッ。油断も隙もあったもんじゃねぇ。しかももう一回だと?!
「なんで同じ映画をまたあんたと見なきゃいけないのよ。それにもうポイント無いんでしょ?」
ははーん。読めたぜ。忍足は映画館の会員になってて、ポイントが溜まったから割引になった。そこで伝説のハジケリストを誘ったってわけか。ククッ。そうだよなぁ!そうでもなきゃ忍足となんて行かねぇよなぁ!
「もう一つ俺が会員になってる映画館あんねん…。少し遠いねんけどな。」
無駄無駄!だったら俺様が映画館貸し切って伝説のハジケリストとハウるっての。
「あんたいっそのこと映画館に住んだらいいよ。」
「それもええな…。お前と二人…ずっと映画見ながら暮らすんや…。」
「跡部はハウル見た?」
「アーン?まだだ。近いうちに行こうと思ってる。」
「ふーん。」
ククッ。俺様に誘われたいのが見え見えだぜ。だがここは伝説のハジケリストから誘わせるのがベストだ。さぁ来い!俺様は逃げも隠れもしないぜ!
「樺地は?もう見た?」
「まだ…です。」
なにっ?!Σ( ̄□ ̄・)なんでそこでスルーしやがる!
…ははーん。照れてやがるのか。そうだよなぁ。こんな大勢の前じゃ恥ずかしいもんなぁ!ったく…可愛いヤツだぜ!
「絶対見た方がいいよ!ハウルかっこいいからw」
なんだと…?
「そればっかしやな…。でもまぁ…女は見た目完璧やけどしょーもないっちゅー男に弱いもんなぁ…。」
「母性本能くすぐる感じがたまらないのよねー♪」
母性…本能…だと?
「なんでやろな…。全てにおいて完璧なのより、どっかオカシイ方が魅力的やんなぁ…。例えば…俺。」
「お前は全体的にオカシイだろーが。」
「ははは!」
俺としたことが…いちいち忍足につっこんじまった。完璧より欠陥に魅力がある?…母性本能…?
「おい伝説のハジケリスト。母性本能ってなんだ。」
「そうねぇ…読んで字の通り、女性が持ってる母親としての性質みたいなもん?なんとかしてあげたい、みたいな。」
「女はそこに弱いねんで…。"バカな子ほど可愛い"ってよく言うやんか。」
だから伝説のハジケリストはジローに甘いのか…。クソッ!今になって自分の完璧さが憎いぜ!
そう、俺様は完璧だ。何においてもな。まさか、自分自身の中に敵がいるなんて思いもよらなかったぜ…。
「それがどうかした?」
「いや、なんでもねぇ。樺地、俺の分も食え。」
「ウス。」
樺地が俺の皿に手を伸ばそうとすると、横から伝説のハジケリストがトマトを奪った。トマトが欲しけりゃビニールハウスごとくれてやるのに…。謙虚なヤツだぜ。いや、それよりも母性本能とやらをどうにかしねぇとな。
「跡部…顔色悪いで…?食欲も無いみたいやし…。なんや、2日目か…?」
「そうなんだよ。俺様は量が多くてな…って何言わせんだよ!Σ( ̄□ ̄・)死ね!!」
クソッ…!伝説のハジケリストが冷ややかな目で俺を見てるじゃねーか!
「チッ。気分わりぃ。行くぞ樺地!」
「ウス。」
「跡部…ノリツッコミ上手くなってきてるな…。」
「跡部何げにやるからね。そういえば母性本能って言葉気に入ったのかな?やたら食いついてきたよね。」
「さぁな…。跡部にも色々あるんちゃう?」
「色々って?」
「そら俺の口からは言われへん…。さ、俺らも行こか…。」
「母性本能…か。」
「跡部さん…。」
「アン?どうした。」
「この前…伝説のハジケリストさんが言ってました。跡部さんは…私がいなきゃダメだから…って。」
「…フッ。何言ってやがる。そのセリフ、そっくりそのまま返してやるぜ。」
ククッ。所詮俺様もあいつの前じゃただの男だったって事か。
「腹へったな。どっか美味いもんでも食いに行くか。なぁ樺地。」
「授業は…」
「心配すんな。んなもんどうにでもなる。部活までには戻るぞ。」
「ウス!」
完璧さの中に隠された弱さも、また美しい…。そうだろ?ハウルよ…。
終わり
[後書き]
リク内容は『跡部の甘夢(ギャグでもいい)』です。
とにかく伝説のハジケリスト様の事が気になって気になって仕方のない跡部君でした。
彼、少し変わったところはありますが、根本は普通の男子中学生だと思います。