氷帝生活①
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「俺な…?運命感じてん…。」
「は?」
また忍足がわけの分からないことを言ってきた。
「ねぇ、あたしどうすればいい?」
「アーン?知らねぇよ。コイツがこうなのは今に始まったわけじゃねぇだろーが。」
跡部は我関せずといったように小指を立てて紅茶をすすった。
「妖精って…ホンマにおったんやなぁ…。」
ついに幻覚が見え出したのか、忍足の視線は宙を泳いでいる。
「跡部、ヤバイって。」
「ほっとけ。バカがうつる。」
忍足が真剣に可哀相に思えてきた。
目は虚ろで口は半開きだ。
ま、まさか…
「跡部!!」
「なんだよ。」
「もしかして…忍足、クスリやってるんじゃ…。」
ティースプーンを回す跡部の手が止まった。
「おい。忍足がいくらラリってるからって…滅多な事口にするもんじゃねぇ。」
「でも!幻覚まで見えちゃってるんだよ?!あんなにぼーっとしちゃって…」
「ふぅ…。俺…どないしたらええんやろ…。」
忍足は顔面を手で覆い、肩を落とした。
「ほら!あんな物に手を出してしまって止められなくなっちゃったこと悔いてるんだよ!」
「ハッ。考えすぎだろ。」
「きっと誰にも相談できなくて苦しんでるんだ…。」
跡部は紅茶を置くと、脚を組み頬杖を付いた。
「跡部、あたし…」
「いいか。この事は誰にも言うんじゃねぇ。」
「え…?」
「まさかとは思うが…万が一ということもある。たしか、親父の知り合いに腕のいいカウンセラーがいたはずだ。」
跡部はあたしから視線を外し、忍足をちらっと見た。
「親父の知り合いなら内密にしてくれるだろーからな。」
「跡部…。」
こーゆー時、やっぱり頼りになる。それに、なんだかんだ言って誰よりも部員思いだ。
「伝説のハジケリスト、お前は極力忍足のそばにいてやれ。いいな?」
「うん!分かった!」
跡部とあたしは見つめ合い、『友達を助ける』という無言の誓いを立てた。
「侑士~!」
部室のドアが開き、がっくんが入ってきた。
「ど、どうしよう!」
「いつも通りにしてろ。」
「なぁなぁ、明日どっか行かねぇ?」
「ん…?せやなぁ…どっか行きたいなぁ…。」
虚ろな忍足はラリった笑顔をがっくんに向けた。
見てるこっちがハラハラする。
「なんだよ。まだそんな調子なのかよ。」
がっくんは溜め息をつき、呆れたように忍足を見た。
「そんな調子って…がっくん何か知ってるの?!」
あたしはつい反応してしまった。
「何かって、何が?お前何言ってんの?」
「あ…」
跡部を見ると、"下手なこと言うんじゃねぇぞ"と目で訴えている。
「いや、忍足がぼーっとしてるから何かあったのかな~って。」
再び跡部を見ると、"お前にしちゃ上出来だ。"と目で訴えてきた。
「あぁ、昨日からこうなんだよ。なんかテニス界の妖精シャラポワに惚れたとか言って。」
「「シャラポワ…?」」
「そんなん言わんといて…。めっちゃ恥ずかしいやん…。」
忍足はそう言って顔を伏せた。
「シャラポワの記事見て、脚が綺麗でテニスも上手くて運命の人だってずーっと言ってんだぜ?」
「なぁ…、井上さんに言って対談とかでけへんやろか…。」
「無理だろ。あのおっさんにそんな力無いと思うぜ?」
「忍足…てめぇ…!!!」
「ん…?え…、ちょっ…!」
部室中に忍足の断末魔が響き渡った。
「おい、跡部どーしたんだ?つーかお前止めねーの?」
「いいの…。もう、いいのよ…。」
終わり
[後書き]
リク内容は『忍足ギャグ』です。今話題のシャラポワ選手をテレビで見掛けて、
「これは!!」
と思い書いてみました。その結果、
「これは?!」
みたいな感じになっちゃいましたね☆
…すみませんでしたm(__)m
読み終わった後の感じがタイトル通りってか!
伝説のハジケリスト様も真由美様も、こんな私を鼻で笑ってやって下さい。