青学生活
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「越前が遅刻してないなんて珍しいじゃないか!」
「別に…。」
今日、あたしはディズニーランドに来ている。
「おはようございますリョーマ様w」
あたし、堀尾、小坂田さん…そしてリョーマ君というなんとも珍しいメンツだ。
「リョーマ君おはよう!」
「おはよ。」
事の発端は先週。
「リョーマ様とディズニーランドに行きたい」という小坂田さんの提案で、リョーマ君を誘うように堀尾を脅し…堀尾に頼んだらしい。最初は竜崎さんを誘ったみたいだけど、竜崎さんが来れなかったので代わりにあたしが誘われたというわけだ。
「リョーマ様!早く行きましょ♪」
「ちょっと…あんまくっつかないでくれない?」
「もうwリョーマ様ったら照れちゃって~☆」
「……。」
それにしても…あのリョーマ君がよくオッケーしたなぁ。こういう場所嫌いそうなのに。
「小坂田のやつしょーがねぇな~。俺達も行こうぜ。」
「うん。」
つーか小坂田さん、リョーマ君にくっつきすぎ!でもうらやましい…。あたしはあそこまで積極的になれない。あれも一つの才能だよなー。
入場ゲートでチケットを渡し、手の甲に見えないスタンプを押してもらった。
「わぁ…!」
目の前に広がる久しぶりのディズニーワールドに胸が踊る。
「リョーマ様!何から乗ります?」
「何でもいいけど…。」
と同時に、目の前の二人を見て胸がモヤモヤする。
「ここはやっぱりスプラッシュマウンテンからだろ!行こうぜ!」
「…そうだね!行こう!」
「おっ、おい!走らなくてもいいだろ~!」
この際目の前のお二人サンは見ない様に、あたしは半ばヤケになって堀尾の手を引っ張って走った。
今日は平日ということもあり、割と空いている。開校記念日とは何ともありがたいものだ。
「楽しかったー♪そんなに列びませんでしたね!」
「え…」
小坂田さんは相変わらずリョーマ君にべったりだ。
「なんだよ越前。お前ディズニーランド来たことねーのかよ!これくらいで混んでるなんて言ってたら終わってるぜ?」
「ちょっと堀尾!あんたうるさいわよ!さ、リョーマ様w次はあれ行きましょ!」
そう言うとリョーマ君を引っ張って歩き出した。
「小坂田さんすごいね…。」
「なんてったって憧れのリョーマ様とディズニーランドだもんな~。」
「あたしだって…」
「ん?どーしたんだ?」
「ううん…なんでもない!うちらも行こう!」
次に乗ったのはビックサンダーマウンテン。
リョーマ君の隣は、やっぱり小坂田さんがキープしていた。
「伝説のハジケリストどーしたんだよ。具合でも悪いのか?」
「全然!楽しいよ☆」
「それならいいんだけど。なんか険しい顔してるからさ~。」
堀尾が分かるほどに顔に出てしまってたんだ。いかんいかん!せっかくのディズニーランドなんだから、切り換えていかないと!
「リョーマ様!そろそろお腹空きませんか?」
「空いたかも。」
「なんだかんだでもう昼だもんな~。」
というわけで、あたし達は近くのカレーとハヤシライスのお店に入った。
またしてもリョーマ君の隣は小坂田さん。ま、いいけどね。
「伝説のハジケリストハヤシライスにしたのか?」
隣の堀尾があたしの器を覗き込んだ。
「辛いのダメなんだ。」
「ふーん。子どもみたい。」
「Σ(〃□〃)」
こっちに来てからまともに会話してなかったリョーマ君に話し掛けられた…!
「リ、リョーマ君は辛いの平気なの?」
「別に。このくらいどうってことないけど。」
あぁ…カレーになりたい…。
再び話し掛けようと思ったが、小坂田さんの視線が怖かったので止めた。
昼食を終え、あたし達はトゥーンタウンに入った。
「見て見て~♪ミッキーの家だよー(≧▽≦)」
リョーマ君と話せてテンションが上がったあたしは、目の前の可愛い建物に興奮気味だ。
「全く浮かれちゃって…あ!あれはグーフィー!行くわよ伝説のハジケリスト!」
「本当だ!写真撮ろう!」
小坂田さんと二人でグーフィー目掛けて猛ダッシュした。
「女子ってこーゆー時だけ体力あるよな~。」
「ねぇ、グーフィーってあのおじさんみたいなヤツ?」
「越前…。」
トゥーンタウンではひたすらはしゃぎ、『スプリングロール』というサムいネーミングの春巻をみんなで食べた。
それからホーンデッドマンション、白雪姫、コーヒーカップと、順調に乗っていった。もちろんリョーマ君の隣は小坂田さんで、あたしの隣は堀尾だけど。堀尾には悪いけど、あたしだってやっぱリョーマ君の隣に行きたいのが本音だ。
…でもいいんだ。お昼に話せたから。
「もう日が落ちてきたな~。」
「そろそろお土産見ない?あたしたくさん頼まれてんのよねー。」
初春とはいえ暗くなるのが早い。全体がライトアップされてきた。
お店に入り、しばらく一人でキーホルダーを物色していると、突然腕を引っ張られた。
「何?!」
はっ!Σ( ̄□ ̄;)もしかして誘拐?!きっと臓器売られるんだ…。あぁ…。さっき小坂田さんとグーフィーの写真撮ってあげた時、小坂田さん切ってグーフィーだけ撮ったりしたからバチが当たったのね…。
みなさんさようなら。お父さん、お母さん、先に逝く親不孝な娘を許して下さい。
「何ヘンな顔してんの?」
「リョーマ君?!」
あたしの腕を掴んでるのは誘拐犯ではなく、リョーマ君だった。つーか腕を掴む前に一声掛けて欲しい。そしてヘンな顔は元々だ。
「ちょっといい?」
「えっ?!」
あたしは半ば無理矢理に外に連れ出された。
「どうしたの?!」
「ねぇ、俺コレ乗ってみたいんだけど。」
リョーマ君がポケットからくしゃくしゃの案内図を取り出して指差したのはカリブの海賊。
「小坂田さん達は?!」
「堀尾が二人にして欲しいって。」
「え!!そうだったの?!気付かなかった…。」
何か今日一番、いや、今月一番の驚きだ。堀尾が小坂田さんを…あんたも切なかったのね(涙)
「何ぼーっとしてんの?行くよ。」
「あっ!待って!!」
スタスタ歩き出すリョーマ君を小走りで追い掛けた。
「あ、ガイコツ!!」
「……。」
「あ、黄金!!」
「……。」
まさか二人きりになれると思ってなかったので、あたしは嬉しくて仕方なかった。
「ジョニーデップいないねー。」
「いるわけないじゃん。」
「ですよね…。」
二人っきりになれたものの、やっぱりリョーマ君はクールだ。雰囲気に酔うとかないみたい。
「…ヘンな奴。」
笑った!!
「あたしヘン?!」
「自覚ないの?」
「はい…。スミマセン。」
「面白くていいんじゃない。あ、出口。」
暗くてよく見えなかったけど、そう言ったリョーマ君は微かに笑ってた気がした。
カリブの海賊から出ると、リョーマ君はまた案内図を広げた。
「次は…コレ。」
「スペースマウンテン?」
「桃先輩が絶対乗ってこいって言ってたんだよね。」
そう言うとまた、スタスタと歩き出した。
逆方面に。
「Σリョーマ君!そっちじゃないよ!」
「……///」
リョーマ君は耳まで赤くしてさっきより早足で歩き出した。こんな…少しマヌケなリョーマ君初めて見た…。
「ふふっ…!」
「ちょっ…///何がおかしいわけ?早くしないと置いてくよ。」
「ごめんごめん(笑)置いてかないで!」
スペースマウンテンの後、スターツアーズ、その次にバズのシューティングライドに乗った。
リョーマ君は光線銃が気に入ったらしく、とても楽しそうだった。
結果はリョーマ君よりあたしの方が点数が上だった。よほど悔しかったらしく、ずっとむくれている。
「もう一回乗る??」
「別に。また列ぶのやだし。次、お前の好きなのでいいよ。」
リョーマ君は投げやりな感じで案内図をあたしに押し付けた。
「ふふっ…リョーマ君こそ子どもみたい。」
「なっ…!」
「あたしハニーハントがいいなー♪よし行こう!」
今度はあたしが先に歩き出した。
「Σわっ!」
案内図を見ながら歩いていたので、恥ずかしながら何もない所でつまづいてしまった。
「あーびっくりした!」
体制を整えると、視界から案内図が消えた。
「何やってんの?ちゃんと前見て歩いてよね。」
あたしから案内図を取り上げると、またスタスタ歩き出した。
「ちょっと待って!頼むから先行かないで!」
必死に追い掛けようとした時、急にリョーマ君が振り返った。
「まったく…ホラ。行くよ。」
「Σ(〃□〃)」
あたしの手(というか指先)を握り、速度は変えずに歩いた。位置はリョーマ君の隣ではなく斜め後ろだけど、それでもかなりドキドキした。
ハニーハントを降りたら、もういい時間になっていた。
「時間的に最後の一つだね。」
最後…。テニス部は忙しいし、もうこんな機会無いかもしれない。
「聞いてるの?」
「は!はい!聞いてます!リョーマ君の好きなのでいいよ?」
「じゃあこっち。」
さっきみたく指先を握って歩き出した。
「こっちって…」
このまま行くと間違いなくビックサンダーマウンテンだ。
「あんま列んでないね。」
「今パレードだからね。てゆーかまた乗るの?」
「嫌なら別にいいけど。」
「とんでもございませんよ!さ、進んで進んで♪」
どうやらリョーマ君のお気に入りはバズとビックサンダーマウンテンらしい。
少し列んで、いよいよあたし達の番。それと同時に、この楽しい夢の様な時間の終わりが迫っているのだ。
「もしかして怖いの?」
「…まさか!さっきだって乗ってたじゃん!」
「そうだけど。」
「何?」
「なんか顔暗いから。」
リョーマ君が言ったと同時に、発車の音が鳴った。
さっきも乗ったけど、リョーマ君と一緒だと楽しさが倍増だ。
トンネルに入り、真っ暗闇の轟音の中、
「時間止まっちゃえばいいのに。」
って呟いたけど、勿論リョーマ君には聞こえてない。
トンネルを抜け、夜空が見えた。
『ドーン!!』
「あっ!!」
夜空に出ると、なんとも絶妙なタイミングで綺麗な花火が打ち上がった。
最初で最後のリョーマ君とのディズニーランド。もうこれ以上何も望まない。一緒にこの花火が見れたのだから…。
ビックサンダーマウンテンから降り、あたし達は入場ゲートに向かった。
「花火見た?!」
「見た。」
「綺麗だったねwナイスなタイミングで!」
「そうだね。」
二人ともはしゃぎ疲れたのか、さっきより足取りは重い。
ゆっくり歩いてたはずなのに、もう入場ゲートに来てしまった。
ここを出たら、もう終わってしまうんだ。
出入口寸前まで来て、自然に足が止まる。
「リョーマ君!あたし…」
言いかけて止めた。考えるより先に言葉が出てしまった。あたしは一体何を言おうとしたのか…。
「何?」
「ううん!なんでもない。今日、楽しかったね♪」
「まぁ、悪くなかったんじゃない?」
「じゃあ…帰りますか!」
あたしは気持ちをふっ切って歩き出した。
「ねぇ!」
が、リョーマ君に呼ばれたので振り返った。
「何?」
「あの…さ、また来ない?」
「え…?」
「あのゲーム負けたの悔しいし。」
なんだ…。バズで負けたからか。そりゃそうだよね。
「うん!今度は4人でスコア勝負してみようね!」
「ヤダ。」
「は…?」
「俺が負けたのは伝説のハジケリストだから。」
「え…どーゆー事??」
「……。伝説のハジケリストって、案外バカなんだね。」
バカ扱いされたと思ったら、手が温かい何かに包まれた。
それは、リョーマ君の、体の割に大きい手だった。さっきとは違って、手全体が包まれている。
「あたしバカだ。」
「今さら気付いた?」
さっき、自分が何を言おうとしたかやっと分かった。
「あたしも、リョーマ君と二人で来たい!」
そう言った後、あたしはリョーマ君の手を握り返した。
終わり
オマケ
↓↓↓
―二人がカリブの海賊中―
朋:「ちょっと!リョーマ様と伝説のハジケリストがいないじゃないのよ!どーゆー事?!」
堀:「知らねぇよ!どこ行ったんだ?越前のやつ…。伝説のハジケリストもさっきまでいたのになぁ。」
朋:「まさか…!!堀尾!あんたはあっち!あたしはこっちを捜すわ!」
堀:「はぁ?!何でだよ!」
朋:「返事は?」
堀:「はい…ι」
朋:「見つけたらただじゃおかないんだから!」
翌日、リョーマ君は堀尾に、あたしは小坂田さんに、それぞれグチグチ言われた。
「「はぁ……ι(溜息)」」
完
[後書き]
大変長らくお待たせいたしました!!リク内容が、
『リョーマ君とディズニーシーでカップルになる』
だったのですが、私がシーに行ったことないもので、無理を言ってランドに変えていただきました。すみませんでしたm(__)m
まぁその割にはランドっぽさが書けてませんね!おかしい箇所があると思いますが、そこは暖かく笑い飛ばして下さい!無駄に長くなってしまい、本当にすみませんでしたm(__)m
真由美様、わたくしめを思う存分お殴り下さい。伝説のハジケリスト様、それを見て思う存分お笑い下さい。