青学生活
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
卒業までもうあと少し。
テニス部のみんなも友達もそのまま高等部に上がるみたいだけど、今のこの中学校生活は二度とない。
無性に切なくなったあたしはマフラーとコートを持って屋上に向かった。
「寒っ。」
陽は出ているが、風が冷たい。
(ジャージも持ってくればよかった…。)
澄んだ空を見上げて何を考えようか。
これからのことは考えたくない。
考えなければいけない事ほど考えたくなくなる。
かといって中学3年間の思い出を一人で振り返るのもなんかイヤだった。
「はぁ…。」
冷たい風がよけいに切なくさせる。
(戻ろうかな…。)
『カシャッ!』
「Σ?!」
「やぁ。こんなところで何してるの?」
いつからいたのか、カメラを持った不二が少し離れた場所にいた。
…人の気配がしなかった。
「ちょっとね。それより不二がサボりなんて珍しいじゃん。」
「うん。なんとなく。もうすぐ卒業だと思うと…ね。」
切ないのは自分だけじゃないんだ、と思うと安心して笑ってしまった。
「何がおかしいの?」
「ううん。不二も同じこと考えてたんだなって。」
「伝説のハジケリストも…?」
「うん。」
「そっか…。」
あたしはしばらく校庭を眺めていた。
「今のこの瞬間…」
「ん?」
「この"今"って今しかないんだよね。(カシャッ)こうして伝説のハジケリストと授業中に二人きりでここにいることだってそう。(カシャッ)この瞬間は今しかない。(カシャッ)」
「うん。それはそうなんだけど…。なんでさっきからあたしの写真撮りまくってんの??」
そう。さっきから不二はカメラを縦にしたり横にしたり、レンズを伸ばしたり縮めたりして撮りまくっている。
「もうすぐ卒業だからね。記念に残しておきたいんだ。」
「記念もなにも…高校一緒だよね?」
不二はファインダーを下げ、いつもの笑顔であたしを見た。
「うん。そうだけど?」
「じゃあ写真撮る必要なくないか??」
「伝説のハジケリスト…。」
不二が手をあたしの肩に置いた。
「いいかい?今この瞬間の伝説のハジケリストはここにしかいないんだよ?」
「言ってることは分かるけど…。」
「大人の階段を昇る前の伝説のハジケリストの姿をとらえておきたいんだ。」
開眼しとる…。
「あ、もちろん一年生の時から伝説のハジケリストの"瞬間"を撮り続けてきたよ(ニコッ)。」
「え…;」
コワー!!全然気付かなかったし!
「ちょ、ちょっと!!どんな瞬間のどんな写真を撮ったのよ?!」
「たくさんありすぎて分からないよ。そうだ、よかったら見に来る?」
「行く!!場合によっては処分しますからね!」
「クスッ。じゃあ今週の日曜日にでもどうかな。」
「いいよ。全部回収してやるから!」
「ふふ。楽しみにしてるよ。」
そして日曜日、写真回収はおろか、まんまと不二の策にハマって大人の階段を昇ってしまったのだった。
「さぁ、卒業して大人になった伝説のハジケリストを撮らせて…?」
「そっちの卒業だったのかよ!!」
終わり
[後書き]
天才、不二周助はどんなささいなチャンスも見逃しません。
これはキスプリを見て閃いたのですが…微妙。
不二が伝説のハジケリストさんの写真を盗撮しているのは本当です。プールの授業、寝顔など。気をつけましょう。
最後まで読んで下さってありがとうございました☆
テニス部のみんなも友達もそのまま高等部に上がるみたいだけど、今のこの中学校生活は二度とない。
無性に切なくなったあたしはマフラーとコートを持って屋上に向かった。
「寒っ。」
陽は出ているが、風が冷たい。
(ジャージも持ってくればよかった…。)
澄んだ空を見上げて何を考えようか。
これからのことは考えたくない。
考えなければいけない事ほど考えたくなくなる。
かといって中学3年間の思い出を一人で振り返るのもなんかイヤだった。
「はぁ…。」
冷たい風がよけいに切なくさせる。
(戻ろうかな…。)
『カシャッ!』
「Σ?!」
「やぁ。こんなところで何してるの?」
いつからいたのか、カメラを持った不二が少し離れた場所にいた。
…人の気配がしなかった。
「ちょっとね。それより不二がサボりなんて珍しいじゃん。」
「うん。なんとなく。もうすぐ卒業だと思うと…ね。」
切ないのは自分だけじゃないんだ、と思うと安心して笑ってしまった。
「何がおかしいの?」
「ううん。不二も同じこと考えてたんだなって。」
「伝説のハジケリストも…?」
「うん。」
「そっか…。」
あたしはしばらく校庭を眺めていた。
「今のこの瞬間…」
「ん?」
「この"今"って今しかないんだよね。(カシャッ)こうして伝説のハジケリストと授業中に二人きりでここにいることだってそう。(カシャッ)この瞬間は今しかない。(カシャッ)」
「うん。それはそうなんだけど…。なんでさっきからあたしの写真撮りまくってんの??」
そう。さっきから不二はカメラを縦にしたり横にしたり、レンズを伸ばしたり縮めたりして撮りまくっている。
「もうすぐ卒業だからね。記念に残しておきたいんだ。」
「記念もなにも…高校一緒だよね?」
不二はファインダーを下げ、いつもの笑顔であたしを見た。
「うん。そうだけど?」
「じゃあ写真撮る必要なくないか??」
「伝説のハジケリスト…。」
不二が手をあたしの肩に置いた。
「いいかい?今この瞬間の伝説のハジケリストはここにしかいないんだよ?」
「言ってることは分かるけど…。」
「大人の階段を昇る前の伝説のハジケリストの姿をとらえておきたいんだ。」
開眼しとる…。
「あ、もちろん一年生の時から伝説のハジケリストの"瞬間"を撮り続けてきたよ(ニコッ)。」
「え…;」
コワー!!全然気付かなかったし!
「ちょ、ちょっと!!どんな瞬間のどんな写真を撮ったのよ?!」
「たくさんありすぎて分からないよ。そうだ、よかったら見に来る?」
「行く!!場合によっては処分しますからね!」
「クスッ。じゃあ今週の日曜日にでもどうかな。」
「いいよ。全部回収してやるから!」
「ふふ。楽しみにしてるよ。」
そして日曜日、写真回収はおろか、まんまと不二の策にハマって大人の階段を昇ってしまったのだった。
「さぁ、卒業して大人になった伝説のハジケリストを撮らせて…?」
「そっちの卒業だったのかよ!!」
終わり
[後書き]
天才、不二周助はどんなささいなチャンスも見逃しません。
これはキスプリを見て閃いたのですが…微妙。
不二が伝説のハジケリストさんの写真を盗撮しているのは本当です。プールの授業、寝顔など。気をつけましょう。
最後まで読んで下さってありがとうございました☆