下巻
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勇者剣太郎とその仲間達(戦士天根、武道家黒羽、僧侶佐伯)は、とある街で王様の様子がおかしいという話を聞き、覗いた者の真実の姿を映すという『ラーの鏡』を探していた。
「中々見つからないものだね。」
「僕お腹すいたよ~。」
探し始めてから約2時間は経過している。
「何言ってんだよ!ホラ、頑張ろうぜ!」
「頑張ろう…頑張ろう…バンガロー…ぶっ。」
「だからテメェはつまんねーんだよ!!」
【黒羽のこうげき!天根に30のダメージ!】
「ねぇサエさん、ラーの鏡って、覗いた人の真実の姿を映すんだよね?」
「そうだけど…それがどうかしたのかい?」
不安そうに尋ねる勇者剣太郎に、僧侶佐伯は優しく聞き返した。
「あのね…」
「おーい!なんか怪しい宝箱落ちてるぞ!」
勇者剣太郎が何かを言いかけると、それを遮るように、少し離れた場所から武道家黒羽が叫んだ。
「怪しいね…。」
武道家黒羽が見つけた宝箱は古めかしく、異様なオーラを放っている。
「ちょうどダビデが吹っ飛んだ場所にあったんだよ。な?」
「宝箱の方を見てたから…ぶっ。」
「マホトーン」
【佐伯はマホトーンをとなえた!天根はダジャレがつかえなくなった!】
「サエ…それはお前なりのツッコミか?」
「ははは。それよりこれ、開けてみようか。」
僧侶佐伯が宝箱に手を伸ばそうとすると、勇者剣太郎はそれを阻止した。
「サエさん待って!ミミックかもしれない!」
「なにビビッてんだよ!ミミックだとしても倒せばいいだろ?俺が開けてやる。サエ、どいてくれ。」
武道家黒羽は宝箱を開けた!
「これは…。」
「これがラーの鏡じゃないかな。」
【剣太郎たちはラーのかがみをてにいれた!】
「見つかってよかった~♪さ、早く行こう!」
「ちょっと待った!」
「バネさん何?早くしないと駄目だよ~」
「それは分かるけどよ、真実を映す鏡だぜ?ちょっと見てみたくないか?」
武道家黒羽は、ラーの鏡を抱きしめる様に抱えたまま言った。すると、ダジャレの使えない戦士天根は髪を縛り、武道家黒羽に近付いた。
「バネさん。俺から見せて下さい。」
「しょうがねぇな。ほら!」
勇者の承諾も無しに、戦士天根はラーの鏡を覗いた。
【天根はラーのかがみをのぞきこんだ!しかしなにももおこらなかった!】
「なんだ。ダビデはダビデか。まぁ妙なモン映んなくて良かったじゃねぇか!」
「そんなハズはない!」
天根は鏡を掴むと、食い入るように見た。
「おいダビデ!こんなはずじゃないってどーゆー事だよ。」
「何か別のものが映る予定だったのかい?」
ワナワナと震える戦士ダビデ。それを見て心配になった勇者剣太郎は、彼の肩にそっと手を置いた。
「ダビデ…。僕はそのまんまのダビデが好きだよ?だから…」
勇者剣太郎が言いかけると、戦士ダビデは鏡を持つ手と肩をがっくりと落とした。
「ダジャレの言えない俺なんて俺じゃない。」
「は…?」
「バネさん、サエさん、剣太郎。この鏡は偽物だ。」
つまりは、ダジャレの言えない自分はラーの鏡に映らないはずと考えていたのだ。
「ははは。これは本物だよ?大袈裟なんだから。」
「サエさん…でも…」
「そんなに言うなら…試してみるかい?」
僧侶佐伯は、みんなとだいぶ離れた距離に戦士天根を連れてきた。
ラーの鏡を持って。
「いいかい?一度しか見せないからよく見ておくんだよ?」
「うぃ。」
【佐伯はラーのかがみをのぞきこんだ!するとそこにはまがまがしくわらう佐伯が映っている!】
「………!!」
この後、ダジャレはおろか、まともに話せなくなった戦士天根。そんな彼をよそに、勇者剣太郎一行は街を救うべく旅路を急いだのであった。
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