上巻
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勇者裕太は、仲間である戦士赤澤、僧侶観月、魔法使い淳と共に魔王を倒す旅をしている。
一行は次の街を探し、フィールドをさ迷っていた。
「確か東の方っスよね?」
「うん。もう見えてきてもいい頃だと思うんだけど…。」
「腹へったな!」
「そうですね。街に着いたら食事にしましょう。」
【きめんどうしがあらわれた!!】
「MPが減っている時に…!皆さん、呪文は節約でお願いしますよ。裕太と赤澤は通常攻撃を、木更津君は杖を使って下さい。僕は道具を使って援護します。」
このパーティーでは何故か僧侶観月が作戦を立てて命令を出している。
「これでどうだ!」
【裕太のこうげき!きめんどうしAに40のダメージ!】
「クスクス…。熱いから気をつけてね。」
【淳はいかずちのつえをふりかざした!あたりにいかずちがほとばしる!きめんどうしAに20のダメージ!きめんどうしBに18のダメージ!きめんどうしCに24のダメージ!】
「まる見えですよ!君達の弱点。」
【観月はせいすいをつかった!きめんどうしに5のダメージ!】
戦士赤澤はすばやさが低いので、きめんどうしの攻撃ターンに入った。
【きめんどうしAのこうげき!裕太は10のダメージをくらった!】
「これくらいどうってことないぜ!」
【きめんどうしBはメダパニをとなえた!裕太はこんらんした!赤澤はこんらんした!淳にはきかなかった!観月はこんらんした!】
「あーあ。みんな混乱しちゃった。どうしようかな。」
【きめんどうしCはにげだした!】
「赤澤大丈夫?攻撃できる?」
「ぬぉーーー!!!」
【赤澤はこんらんしている!赤澤はおたけびをあげた!きめんどうしAはこしをぬかした!きめんどうしBはこしをぬかした!】
「クスクス…。さすがだね。すごいや。裕太、次は君の番だよ?」
裕太を見ると、石を拾っている。
「俺は不二裕太だ!!」
【裕太はこんらんしている!裕太は石を拾って投げ出した!きめんどうしAに5のダメージ!きめんどうしBに7のダメージ!】
「このままじゃ危ないな。早く倒した方がいいよね。イオラ!」
【淳はイオラをとなえた!きめんどうしAに30のダメージ!きめんどうしAをたおした!きめんどうしBに28のダメージ!】
「一匹残っちゃったか…。でもあと一回攻撃すれば勝てるね。観月大丈夫?」
観月を見ると、驚愕の表情を浮かべながら紅茶を煎れていた。
「観月どうしたの?」
淳の言葉など届いてるはずもなく、観月は挙動不振だ。
「ここも違う…!ここも!ここも!ここも!!全て奴の苦手なコースじゃなかったのか?!」
そう言うと、煎れたての紅茶を一気に飲んだ。
「熱い!!くっ…!どいつもこいつもフザけやがって!!」
【観月はこんらんしている!観月は舌をやけどした!観月は6のダメージをくらった!】
「……。」
淳にはもう、掛ける言葉がなかった。
【きめんどうしBはおどろきすくみあがっている!】
「そろそろ焼きイモの季節だな!」
赤澤はサツマイモをアルミホイルで包み始めた。
【赤澤はこんらんしている!赤澤はどうすればいいかわからない!】
「兄貴を越える!!」
【裕太はぶきをめちゃくちゃにふりまわした!観月に40のダメージ!】
「あ…観月のHPがやばい。裕太本当に混乱してるの?そろそろ終わらせないとね。」
【淳のこうげき!きめんどうしBに15のダメージ!
きめんどうしをたおした!
それぞれ60の経験値をかくとく!45Gてにいれた!】
「はっ…!なんでイモ持ってんだ?!」
「気付いた?メダパニかけられてたんだよ。」
「なるほど…それにしてもなぜ僕のHPがこんなになっているんです?メダパニをかけられていた時の事を詳しく説明して下さい。」
○●○●○●○
「…というわけなんだけど。」
淳は言われた通りに全てを事細かに話した。
「では裕太君が僕に攻撃してきたのですね?」
「すみません観月さん!混乱してたとはいえ、俺は観月さんになんてことを…。」
「んふっ。いいんですよ。混乱していては仕方ない。ただ…本当に混乱していたのかどうかは分かりませんけどね。」
「なっ!Σ( ̄□ ̄;)俺が観月さんを攻撃するわけないじゃないですか!お二人からも何か言って下さいよ!」
「「………。」」
淳は俯き、赤澤はイモをしまった。
「いいんですよ。気にしてませんから。」
僧侶観月は少ないMPでベホイミを唱えた。
「念のため、みなさんにも回復してもらいましょう。」
【観月はホイミをとなえた!赤澤の体力が20回復した!淳の体力が17回復した!】
「観月さん!俺は…?」
「やくそうがあるでしょう?」
「そんな…。俺勇者なんスけど…」
「さぁ、あと少しですよ。急ぎましょう。」
少しギスギスした人間関係を引きずりつつ、勇者裕太一行は次の街に入った。
果たして魔王を倒すまでに関係修復できるのだろうか。
「お前も大変だな。まぁ頑張ろうや!」
「…はい!」
冒険はまだまだ続く!
上巻終。