上巻
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勇者幸村一行は、盗賊仁王の働きによりリッチな旅を送っていた。
「だいぶ暗くなってきたな。そろそろ宿をとらないか?」
「そうだね。じゃあ行こうか。」
【幸村はルーラを唱えた!】
〇●〇●〇●
僧侶柳の提案で街に来た一行。この街は夜でも割と賑やかで、バーやカジノが盛んだ。
「カジノ行かん?」
「世界を救う冒険中に博打なぞたるんどる!明日に備えて寝んか!」
盗賊仁王の言葉に腹を立てた戦士真田。
「弦一郎、たまにはいいじゃないか。それにまだ7時だぞ。」
「そうだね。せっかくだし行ってみようか。」
「幸村まで何を言うか!お前は自分の使命を忘れたというのか?!」
どこまでも熱い戦士真田。ルイーダの酒場でスカウトした時、彼の初期ステータスにだけ『あつさ80』とあったのは伊達ではない。
「いいじゃないか。俺達だって人間だもの。もしかしたらお金増えるかもしれないし。そんなに言うなら真田は先に寝てれば?」
「いや、お前がそこまで言うなら俺も行こう。」
その割にはあっさりしている。まぁ『いさぎよさ90』というステータスもあったのは確かだが。
「決まりだな。弦一郎の言うことも一理ある。早めに行って早めに切り上げるぞ。」
「ピヨ」
〇●〇●〇●
「これはすごいな。」
「テンション上がってきたね。みんな、3時間後に集合だよ。」
カジノに来た勇者一行は、一人いくらまでかを決め、それぞれの目的地に向かった。
―3時間後―
「みんなどうだった?じゃあ仁王から。」
「俺が負けるわけないじゃろ?」
ポーカーのコーナーにいた仁王は、パンパンに張った袋を5つ出した。
「流石だね。よくやってくれた。柳は?」
「仁王とまではいかないが…」
そう言うと、袋を2つ幸村に渡した。柳がやっていたのは闘技場。過去の実績を元に、確実にデータを集めて賭け臨んだのだ。
「うん、これだけ勝てば充分だ。あれ…?真田は?」
いつも約束した時間の10分前にはいる真田が、集合時間を過ぎた今でもこの場にいない。
「弦一郎なら闘技場で見掛けたんだが…」
「おかしいね。見に行ってみようか。」
○●○●○●○
闘技場に着くと、異様なまでの盛り上がりをみせていた。
「なんだろう。」
「よう見てみんしゃい。」
仁王の指差すスタジアムを覗くと、そこには戦士真田の姿があった。
「どういうこと?何で真田が出場してるの?」
ボードを見ると、真田の倍率が極めて低い。それほど勝ち抜いてきたということだ。
「俺が見てた時はいなかったぞ。」
柳はある程度まで勝負をし、勝ったところで引いたので真田がこうなったのはその後だろう。
しかし、大会に出場できるのはモンスターだけだ。何故真田が?
「やるねぇ。ウチの戦士は。」
再び会場に目をやると、いきり立った真田がうごく石像に向かって切り掛かっていた。
「王者に負けは許されん!覚悟!!」
【かいしんのいちげき!うごくせきぞうに400のダメージ!うごくせきぞうをたおした!】
「相手が悪かったな!」
勝利した戦士真田はギャラリーから大きな拍手を受けた。
「精市、どうするんだ?」
「ルイーダに行こう。」
「……。」
「真田はここで王者になることを決めたようだ。俺にそれを止める権利なんてないよ。」
「本当にいいのか?」
柳が幸村の顔を覗き込むと、幸村は今までにないくらいスッキリした表情をしていた。
「いいんだ。装備にもそんなにお金かけてなかったし。」
「決まりじゃね。」
戦士真田を除いたメンバーは外に出た。
「ルーラ!」
【幸村はルーラをとなえた!】
そして新たに武道家ジャッカルを加え、一行は旅を続けたのだった。
「笑止!!」
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