テニス100%
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今まで宿題もろくにしてなかったあたしだが、放課後、一人残って図書室で勉強をしていた。
全ては甘い高校生活のために。
「彼女が昨日の夜に見た男は鈴木君だった…?主語は彼女?それとも男?」
「その場合、関係代名詞を使うんですよ。」
「柳生君!」
「教科書お借りしますね。」
柳生君は、あたしの教科書を手に取ると、ページをめくった。
足と指が長い…。
「はい、ここに似たような例文ありますから。参考にしてみたまえ。」
「ありがとう!あたし一人じゃ分かんなくて。よかったら他のも教えてくれる?」
「えぇ、構いませんよ。」
そいう言うと、柳生君はあたしの隣に腰掛けた。
「あ!あのね、あたし千石君と付き合うことになったの。柳生君のおかげだよ!ありがとう!」
「…そんなことありません。貴女の実力ですよ。」
「ううん。柳生君のアドバイスのおかげだよ。泣かなかったらあたしなんて絶対無理だったし。頭悪いしかわいくないし、何の取り柄もないしさ。」
「そんなことありません!貴女は素敵な女性です!」
柳生君が、勢いよく立ち上がった。
「あ、あの…ありがとう///」
柳生君が大きな声を出したことで驚いたが、それよりも"素敵な女性"なんて言われたことがなかったので、うれしいやら恥ずかしいやら、心がくすぐったくなった。
「大声を出してしまってすみません…。ですが、自信を持って下さい。」
柳生君は眼鏡を直しながら静かに椅子に座った。
眼鏡を直す仕草は、照れている証拠だ。
「でも、顔だって特別かわいいわけじゃないし…。それに本当に頭悪くてこのままじゃエスカレーターも危ないし…。」
「貴女はやればできる人です。明日から朝少し早く来て勉強しましょう。私がみっちり教えます。そして自信を付けてください。」
眼鏡で目は見えないが、柳生君は上半身ごとあたしの方を向き、はっきりとした口調で言った。真剣に考えてくれてるのが伝わった。
「ほんと?!助かるよ!でも…なんか柳生君からもらってばっかだね、あたし。」