テニス100%
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告白宣言したものの…。
「受験間近だっつーのに告白考えてる場合なんだろうか…。」
でも、するからには絶対フラれたくない。
初めてする告白だから、絶対に成功したい。
一応机に向かっているが、その事で頭がいっぱいで勉強する気になれない。
ふと視線を下に向けると、
「あっ!」
"H.Y"と書かれたリストバンドがあたしの服と交ざって部屋に落ちていた。
「なんで?!返したよね?!」
あー、あれ弟のかも…。洗濯に出したから交ざったんだ。
「明日返そう。」
柳生君か…。初めて話したけど感じのいい人だったな。外見はアレだけど、他の男子と違って落ち着いてるし、話しやすかった。
相談、してみようかな…。
―次の日―
「柳生君、昨日のリストバンドなんだけど…弟のと間違えちゃったみたい。ごめんね!」
あたしはイニシャルの入ったリストバンドを柳生君に渡した。
「わざわざすみません。洗濯までしていただいて…。ではこれ、お返ししますね。」
間違ってることに気付いていたのか、綺麗な袋に入っていた。
「ホントごめんね。何回も。」
「いえ、落としたのは私ですから。伝説のハジケリストさんに拾って貰えてよかったです。」
なんか…
紳士って感じ!
「あの…さ、次の休み時間ちょっといい?」
「えぇ、構いませんよ。」
休み時間に、柳生君を呼び出すことに成功した。
「そんなに急いで、どこへ行かれるんです?」
あたしは柳生君の腕を引っ張り屋上へと走った。
「ハァ…ハァ…よし、着いた…!」
「大丈夫ですか?」
息が乱れてない…。見た目はこんなでもやっぱテニス部なんだ。
「うん平気!あのさ…えっと…」
勢いで連れてきたものの、昨日話したばかりなのにいきなり相談はどうなんだろうか。
「何かお悩みですか?私でよければお聞きしますが…。」
紳士!!
「ありがとう!柳生君てやっぱりいい人だね!」
「いえ、そんなことは…。」
柳生君が眼鏡を直した。少し照れてるのが分かった。
「あのさ、いきなりなんだけど、男の子ってどんな風に告白されたらぐっとくる?」
「告白…ですか。」
また眼鏡を直しながら考えている。
癖なのかな、眼鏡直すの。
「人にもよりますが、泣いてみてはいかがでしょうか。」
「泣くの?!」
「はい。ほとんどの男性は女性の涙に弱いですから、そこを利用してみては…」
なるほど。泣き落とし作戦ね!
「うん、いいかも!あたし頑張ってみるね!やっぱり柳生君に相談してよかった。ありがとね♪」
放課後までに泣けるネタ考えとかないと…。
「そろそろ授業始まりますね。」
そして、あたし達は屋上をあとにした。
教室までの道程で、あたしは柳生君といろんな話をした。その時間が楽しくて、もっと話してみたいと思った。
初めてできた男友達が柳生君でよかったと、そう思ったとたん教室に着いてしまった。