謎の連載
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初めて会った時、イイオトコだなって思った。
顔が、とかではなく、雰囲気が。
多分、話してみると面白いんだろうな、とも思った。
ただ、本当になんとなく、ぼんやりと。
その後すぐに、誰かから彼女がいるって聞いたけど、まぁそうだろうなって。
それくらいにしか思わなかった。
初めての合宿の夜、たまたま二人で話す機会があって。
その時に本人から彼女がいるって聞いた時も、特に何とも思わなかった。
“付き合って丁度二ヶ月目なんだ”
“マジ?一番楽しい時に合宿って…やってらんないじゃん”
“だろー?”
確か、こんな内容の話をしたと思う。
あたしも初めての環境の初めての合宿にいっぱいいっぱいだったし、その時はそれくらいしか話したことがなかった。
遊んでそうだって思われるタイプだけど、本当は真面目なんだろうなって、またなんとなく考えたりして。
当時のあたしは、英二と一番仲が良かった。だから、他の人とはあまり話さなかった。
今となってはあまり話さなくなったというか、どちらかというと苦手になってしまったけど。
マネージャーとして入ったテニス部。全てが新しくて新鮮だったけど、やっぱり大変なことの方が多い。
テニスのルールも知らない、周りは知らない男子ばかり。それでも頑張って、居場所を作ろうとしていた。
そうじゃなきゃ不安に呑まれそうだと、無意識に感じていたからかもしれない。
頑張ろう
頑張ろう
そんな中、最初に話してくれたのが英二だった。
明るく人なつこい英二は、話しやすかった。合宿中も会いたくなったし、思わず英二の前で泣いてしまったこともあった。
ちょっと、英二のこと好きになりそうかも、なんて思ってた。
あたしって最低。
英二よりもノリが合って、いっしょにいて楽しい人を見付けたら、あんまり話さなくなっちゃった。
でも、英二があたしに対してオトコになって、なんだかやだなって思っちゃったんだ。
このまま仲良くしてると、きっと英二を傷付けてしまう。
けど、それは言い訳に過ぎなかったのかもしれない。
ブン太とバネくん。
あたしが一番、一緒にいて楽しい二人。
部活中笑い合って、休みの日にお酒なんか飲んじゃったりして。
カラオケに行って、ご飯食べに行って、毎日笑ってた。
あたしがあんなこと言わなければ、ずっと楽しいままでいられたのにね…