コラボ阿弥陀
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翔ぶ君を追い駆ける。
天使の羽根
「キヨスミくーん、ちょっと顔貸してくれないかな?」
放課後の教室、部活に行こうとテニスバッグを抱えて廊下に出ようとしたキヨを、特別優しい声で呼び止める。
ビクリと肩を震わせながらおもむろに振り向いたキヨは苦笑いを浮かべていて、これから起こる出来事を既に理解しているようだった。
ついでに私に怒られる覚悟も出来てる様子。
そんなキヨの首根っこをひっ掴まえて、帰り支度をする人で犇く廊下を昇降口と反対側へ向かってズンズン歩く。
「伝説のハジケリストちゃん、この体勢はちょぉぉっと恥ずかしいんだけどな~」
「羞恥プレイ好きでしょ?」
「嫌ですιそれに、微妙に首が絞まって苦しかったり~…」
「マゾだから良いんじゃない?」
「…マゾじゃないってば」
私に首根っこひっ掴まれているため後ろ向きに歩くしかないキヨが切な気な声を上げてくるけど、離しはしない。
暫し晒し者になってるが良い。
「伝説のハジケリストちゃーんι」
「うるさい」
やがて非常階段へと繋がるドアに辿り着き、私はキヨから手を離してその重いドアをゆっくり開けた。
これが新渡米や喜多あたりだったら私が手を離した瞬間逃げてるんだろうけど、キヨは逃げないどころか手まで貸してくれるんだ。
そう、キヨはどれだけ自分が不利な立場にいようが絶対に逃げないんだ。
「うわ、今日は結構風強いねぇ」
ドアを開けた途端吹き込んで来た風に煽られそうになった私を片手で支え、もう一方の手でドアを押さえる。
こいつってば、これから自分が怒られるって事解ってんのかな?なんて思うくらい呑気。
「ありがと…」
「いえいえ~、女の子には優しくしなくっちゃ」
「そうだねぇ~」
お得意の笑顔をにっこり浮かべるキヨに、私も極上の笑みを返してやる。
そんな私の笑顔を見てキヨがヒク、と顔を引き攣らせた。
うんうん、怒られる理由までしっかり把握出来てるなんて偉い偉い。
でもそんなに回転の良い頭持ってんなら、何をすればどうなるか…考えて行動しようね?最初から。
「この辺なら風が防げるかな?」
踊り場から吹き込んでくる風から逃れるように階段を少し上り、そこに腰を降ろす。
キヨはそんな私の隣に座ろうとはせず、目の前に立ったまま風に髪や制服を揺らしていた。
「座っちゃうの?」
「立ってたらスカート捲れそうだし」
「それはラッ………ごめんなさい」
解れば宜しい。
「それじゃあ本題に入りましょーか」
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