氷帝生活
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『誕生日おめでとう!』
今日は俺の誕生日。毎年こうしてみんなで祝ってくれるのは嬉しいんスけど…。
「あ!ブン太!ケーキはまだだってば!」
なんで…。
「うむ。この刺身美味だぞ。」
「こういう場所で食べると一層美味く感じるな。」
屋形船なんスか…?
「どうしたの?船酔いした?」
去年は部室だったのに…。
「いえ…。」
「ほら、沢山食べなよ。俺は食事制限あるから…俺の分まで。はい。」
そう言って幸村部長は皿一杯の軟骨の唐揚げを俺に渡してきた。
やけに神々しい笑顔で。
「伝説のハジケリスト、そろそろだ。」
「了解!」
今まで丸井先輩と食いまくってた伝説のハジケリスト先輩が焼鳥を両手に持ったまま立ち上がった。
何が起きるんだ??
「ここであたし達から赤也にプレゼントです!今年は一人一人からだよ。」
「えっ!いいんスか?!ありがとうございます!」
「家に帰ってから開けてね!」
俺は一人一人からプレゼントを受け取った。
「はい、全員渡したね!みんな窓際集合~☆」
訳が分からずきょどってると、伝説のハジケリスト先輩とジャッカル先輩に手をひっぱられ窓際に連れられた。
「さぁ、始まりますよ。」
『ドーン!!』
夜空には季節外れの打ち上げ花火があがった。
「うちのエースのために用意しました!一発が限度だけど許して。」
「……。」
その一発が最高に嬉しかった。
花火大会で見た豪華な花火より、何倍も綺麗だった。
俺はガラにもなく目頭が熱くなった。
「赤也が14歳…か。おっきくなって…。」
「お前は母親じゃねぇだろι」
「真田が15歳なのがありえないよね。」
「精市、そのくらいで勘弁してやれ。」
「泣いとる。」
「なぁ、ケーキ食っていい?」
そして宴も酣。
楽しい時間はあっという間に過ぎた。
「今日はありがとうございました!」
「また明日学校でね~!」
「朝練送れるなよ。」
みんなと別れて帰路についた。普段は厳しい人達だけど、立海大に入って、みんなに会えて良かったって思った。
「みんな何くれたんかな~♪」
家に着いて貰ったプレゼントを開けた。
「は…??」
ジャッカル先輩の包みを開けると使いふるした感じの角笛が姿を現した。
吹いたら来たりして…。
次に柳生先輩の包みを開けた。
「ひでぇ!!」
『良く分かる英語』
『よく使う英単語』
『簡単!誰でも話せる英会話』
俺は柳生先輩からのプレゼントを直視できなかった。
仁王先輩の包みはとても大きく、デザインがかっけー。俺はワクワクしながら包みを開けた。
「なんだこりゃ?」
また同じ包みがあった。
その包みを開けるとまた同じ包みが。
「騙された!!」
結局ぜんぶ包装紙だった。
気を取り直して柳先輩の包みを開けた。
「おっ!いいねー!」
シンプルなデザインの目覚まし時計だ。
「どんな音かな~♪」
早速時間を合わせた。
ポチッ。
『たるんどる!たるんどる!たるんどる!たるんど…』
ポチッ。
「う、うぜぇ…。」
俺はその目覚ましの電池を抜いてベットの下に潜ませた。
真田副部長の包みを開けるのが少し嫌になった。
「ん…?」
嫌々開けると立派な文鎮が入っていた。
正直使いようがない。
幸村部長の包みは病院の売店の袋だ。
「………。」
ぜってーテキトーに買ったうさぎのぬいぐるみ。でも捨てると怖いから飾っとこ。
丸井先輩は何も包まないでそのまんまハイチュウをくれた。セブンのシール付き。
「いよいよ伝説のハジケリスト先輩かぁ~♪」
おれは丁寧に包みを開けた。
リストバンドと手紙があった。
赤也へ
誕生日おめでとう!これ、一応手づくりだから。珍しいっしょ?これ付けてがんばれよ!頼んだぞ!立海エース、切原赤也!
伝説のハジケリスト
俺は携帯を取り出し、メールを打った。
To:伝説のハジケリスト先輩
Sub:こんばんは!
[本文]
今日はありがとうございました!でも本当に欲しいものもらってないんスけど。俺は伝説のハジケリスト先輩が
-END-
ここまで打って手が止まった。
今はこれで充分だ。
全国大会で優勝して、全てが手に入ったら気持ちを伝えよう。
「伝説のハジケリスト先輩、見ててくださいよ!」
俺はその夜、リストバンドをはめて眠った。
『たるんどる!たるんどる!たるんどる!たるんどる!』
「うおっ?!!Σ( ̄□ ̄;)」
終わり
[後書き]
間に合った…。赤也、誕生日おめでたまきん。