立海生活
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「「「コックリさんコックリさん、出て来て下さい。」」」
あたしは今、仁王に半ば無理矢理コックリさんに付き合わされている。
〇●〇●〇
―数分前―
自習中、課題のプリントをやっていると仁王が半笑いで近付いてきた。
『ちょっとええ?』
『無理。』
『そんな事言わんと付き合いんしゃい。』
そしてあたしを無理矢理理科準備室に連れて来た。
『なんやのこれ…』
遮光カーテンが閉まっているために真っ暗な室内。仁王はあたしが入ると内側からカギをかけた。
『ククッ…。これからお楽しみが始まるけんのぅ。』
『え…?』
扉を閉めてしまうと本当に何も見えなく、闇が心を余計に臆病にする。
つーか、仁王に連れてこられたからにはロクな事がないに決まっている。
『予想より早かったな。』
奥の方から、仁王ではない誰かの声がした。
『誰かおるん…?』
あたしが言った直後、暗闇の中に小さな明かりが灯った。
アルコールランプを持ち、その炎が照らし出したのは、糸目でなんとも言えない髪形の男子生徒だった。
『うちの参謀。』
『柳だ。お前が伝説のハジケリストか。お前の話は仁王から聞いている。』
『はぁ…』
わけが分からずポカンとしていると、
『とりあえず座りんしゃい。』
と、丸椅子をすすめられた。
『あのー…、参謀さんはサボりなん?』
うちらは自習やからいいとして、他のクラスは授業中のはず。見た感じサボるようなタイプには思えない。
『そんな事はどうでもいい。時間がない。始めるぞ。』
そう淡々と言うと、参謀さんは10円玉と50音と鳥居のマークが書かれた紙を広げた。
『始めるって…何を??』
『頭悪いのぅ。見て分かるじゃろ?お前さんの事占ってやるんだってばよ。』
『なんでナルト口調なん?つーか占いやなくてコックリさんやん!』
『ナルト面白いぜ?』
『いや、それは分かるけど!だから何でコックリさんやって聞いてんねん!』
『静かにしろ。これからは私語厳禁だ。』
参謀さんが二つ目のアルコールランプに火を点けると、静かに厳しい口調で言った。
『いいか?何があっても最後まで手を離すな。何があっても…だ。』
尋常でない雰囲気に、あたしはゴクッと喉をならした。
『さて、始めようかねぇ。参謀、よろしく頼むぜよ。』
参謀さんは黙って頷いた。
あたしに拒否権はないようだ。
そしてコックリさんによる占いが始まったのだ。
〇●〇●〇
「う、動いた…!なぁ、これって危ないんちゃうの?もうやめようや~ιせや、どっちか動かしてんねやろ?な?」
こんなのありえへんし、嘘やと思ってたけど、指先の10円玉は確かに動いた。
「静かにしんしゃい。」
「私語は厳禁だと言ったはずだぞ。」
「すんません…。」
何故あたしが怒られなきゃならないのか。
だが、テニス部のやつらは全体的におっかないので素直に従う。
参謀さんから質問を始めた。
「明日の天気は何ですか?」
すると、10円玉がすーっと動いた。
"は"
"れ"
晴れかー。晴れやったら明日の体育は中止にならんな。
続いて仁王が質問をした。
「伝説のハジケリストは結婚できますか?」
(よ…余計なお世話…!!)
叫びそうになったが、参謀さんにチラ見されたのでぐっとこらえた。
そして10円玉がまた動いた。
"はい"
(やった!)
仁王が首を傾げたので、むかついて仁王の椅子を蹴った。
仁王が顔を上げ、あたしに質問するよう促した。
何聞こう………あ!
「未来の私の旦那は何をしている人ですか?」
"む"
"し"
"ょ"
"く"
Σ無職?!!てことはあたしが働くんや!ほんで旦那が主夫か!
それも有りやなと思った時、参謀さんが2回目の質問をした。
「伝説のハジケリストが本当に慕っている人物は誰ですか?」
あたしが本当に慕ってる人…?それって好きな人って事やんなぁ。自分でもよう分からんし、好きな人なんていない気すんねんけど…。
"に"
に…?
"お"
お…?!
ってまさか!!んなアホな!!
"か"
って二岡?!巨人のか?!ありえへん!阪神裏切って巨人なんて…パパに勘当される!!
「どうした。顔色が悪いぜ?」
「なぁ、もうやめへん?なんか気分悪いわ…。」
「そう言うのであれば仕方ない。」
巨人の選手に恋を…?あたしが…?自分でも気付かない心の奥で…?好きになってはいけない禁断の恋やから…?あたしはどうしたらええの…?
「しっかりしんしゃい。終わらせるぜよ。」
「はい…。」
「「「コックリさんコックリさんお帰り下さい。」」」
心にモヤモヤを抱えたまま、占い(?)は幕を閉じた。
「お疲れ。」
「あぁ。これでよかったのか?予定では…」
「いいんじゃよ。気が変わった。」
「そうか。」
柳は仁王の心情を何となく読み取り、柔らかく微笑んだ。
「お前にも弱点があったんだな。」
「ピヨ」
終わり
[後書き]
お待たせして申し訳ございませんでした(>_<)リク内容は『おもひでじょろじょろ系の仁王夢』です!
10円玉を動かしていたのは勿論仁王です。最後の一文字は"う"にして自分を意識させる予定でしたが、伝説のハジケリストさんの反応が恐くなって止めたという事なのですが…。こんな後付けしてすみませんm(__)m
ライ様、いかがでしたでしょうか??もうホントすみません(土下座)書き直し、苦情受け付けます(>_<)