お題DEキリ番夢小説
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俺様は暇じゃねぇ。暇じゃねぇのに、部活が終わった今、何故部室に残ってるかというと、
「だから、後ろからきゅーってされんのがいいんだってば。」
「まぁ…分からんでもないけどな…。俺としては前からがばっといきたいねん…。」
伝説のハジケリストを家まで送ってやろうっていう、俺様の優しさだ。(本人にはまだ言ってないが)それなのに、さっきからこの勘違い野郎とくっちゃべって、一向に帰ろうとしねぇ。
しかも話題は『絶好のいちゃいちゃシチュエーション』。かれこれ15分は話してやがる。
だが俺様は余裕のある男だ。無理矢理連れて帰るような野暮な真似はしねぇ。本でも読んで伝説のハジケリストが帰ると言い出すのを待つことにする。
「前も確かにいいんだけど、例えば…男の子が壁を背もたれに地べたに座ってるとするでしょ?あ、ちょっとやってみて。」
すると伝説のハジケリストは忍足を地べたに引きずり降ろすと、足を広げるよう言った。
「こう…?」
「違う!Σ( ̄□ ̄;」
すると忍足は、何故か膝をMの字に折り曲げて足を開いた。
「インリンに負けてへんやろ…?なんなら…明日から“侑士オブジョイトイ”て呼んでくれてもええで…?」
「いや、いいから。ホントそーゆーのいいから。」
いんりんて何だ…?それにしても忍足のヤツ、気持ちわりぃ格好してやがる。しかしアレだな…。理科の解剖用のカエルみてぇだな。
「ジョークやん…。伝説のハジケリストの言いたい事は分かるで…?でも…男の足が、俺みたく長くないと格好つかへんやろ…。」
「あぁ、確かに。足長い人…かぁ。」
「俺今スルーされた…?」
足の長い男っつったら俺様しかいねぇだろうが。氷帝、いや、日本人足の長い男ランキングベスト3には入るな。
「そういえば、長太郎って足長いよね?制服だとよく分かるよ。顔もかっこいいしさ。」
鳳か…。確かにヤツも足が長い。しかしだ、あれは身長が高い。だから足も長く見えるってわけだ。腰の位置は俺様とそう変わらねぇはずだ。
「鳳はタッパあるからそう見えるだけやないの…?」
そうだ忍足。よく分かってんじゃねぇか。さすがは氷帝の天才と呼ばれているだけのことはある。
「そうかな?長太郎帰っちゃったから確認できないね。」
「身長からしたらあの腰の位置は普通やて…。俺と同じくらいやない…?」
「あ、そういえば日吉もさりげなく足長くない?」
ここへ来て2度目のスルーか。素でやってんのか意識してやってんのか、流石の俺様も見抜けないほどに絶妙だ。つーか目の前にいるこの長く、それでいて美脚の俺様をもスルーしてる気がしてならねぇんだが…。いや、シャイな伝説のハジケリストの事だ。最後に愛する俺様の名前を出すに違いねぇ。『跡部が一番よ』ってな!
「日吉はアレやで…?腰パンせんで、ウエストでズボン履いてるから足長く見えんねん…。」
「そうなの?」
「まぁ…一種のトリックアートや…。」
「さすが足フェチ!よく見てるね。」
忍足のボケかは知らねぇが、野郎の足なんか見て何が楽しいんだよ。
「そういえばがっくんは?」
「焼きたてジャぱん見るから言うて、急いで帰ったで…」
「ふーん。がっくんは足短い?」
岳人の足だと?あいつのつむじは見ても、足元を見るなんて事はねぇな…。つーか伝説のハジケリストの理想のいちゃつきポーズとやらを岳人とやっても様になんねぇだろ。
「岳人な…。あいつは短くもないけど長くもない…、つまり普通や…。」
「普通?」
「せや…。まぁ、若干短めかもしれん…。お前よか座高は低そうやけどな…。うちの部で足短い言うたら宍戸と樺地やない…?」
確かに樺地は胴長の日本人体型だな。宍戸は短足だったか…?
「ふーん。宍戸って足短いの?わりと身長あるからそう見えないね。つーかお前今失礼な事サラっと言いましたよね?」
「せやから、身長と足の長さはあんま関係ないねんて…。ほんであいつ腰パンしてるやろ…?余計短足に見えとんねん…。」
忍足のヤツ…反撃に出たな。さっきまでことごとくスルーされてきた仕返しってわけだ。目には目を、スルーにはスルーを、精神か。根に持ちやがって大人げねぇ野郎だぜ。
「まぁどっちにしろ、激照れ屋の宍戸があの体勢になってくれるわけがないしね。」
その点伝説のハジケリストは大人だな。スルーされた事をスルーしやがった。流石は俺様の見込んだ女だ。やるじゃねぇの。
「宍戸は奥手中の奥手やもんなぁ…」
宍戸?はっ。手ぇ繋ぐだけでも一苦労しそうなヤツがそんな体位とれるわけねぇだろ。俺様くらいになると、後ろから耳元で愛を囁けるようになるがな。
「それじゃあ意外なトコでジローは?」
「あぁ…。ジローな…あいつは意外に長いねん…。言うてもそないに長いっちゅーわけでもないねんけどな…。」
アーン?どっちだよ。
「どっちだよ!」
…フッ。やはり俺様と伝説のハジケリストは考えてる事が一緒だな。いわゆる以心伝心ってヤツだ。そういやだいぶ前にカラオケでジローがそんなような歌うたってやがったな。
「正直ジローの足は分からへんねん…。起きてたとしても、俺が見る時いつも前屈みやねんもん…。」
「そっかぁ。でもさ、私服見る限りでは長い方だと思うんだけど。」
「あいつの私服ったって、ゆったりしたズボンを腰パンしてるのが多いやんか…。」
ジローや宍戸なんかはピッタリした服着ねぇな。その上、だらし無くベルトを垂らしてやがる。ハイセンスな俺様には理解できねぇ。
「腰パンの割にはって事!」
「なんでもええわ…。そろそろ帰らん…?俺が一番足長いっちゅーこどでええやん…。」
「ハイハイ。もうそれでいいよ。」
ちょっと待て。俺様の足についてまだ話してねぇじゃねぇか。
「つれへんなぁ…。」
忍足め。鞄持って立ち上がりやがって…。帰る気満々か。だが伝説のハジケリストの鞄は俺様が座るこのソファの裏にある。嫌でも俺様の真横を通らなければならねぇ。そこで俺様の美しく長い足を視界に入る様、アピールだ!
「明日みんなの腰の高さチェックしよっと。…よっこいしょ。」
伝説のハジケリストが立ち上がったと同時にさりげなく組んでた足を投げ出した。
今だ!見るがいい。俺様の美脚を!
《ガッ!!》
「Σうわっ?!」
なんてことだ…。こともあろうか、俺様がアピールのために投げ出した足につまずきやがった。ここまでトロかったなんて計算外だぜ…。まぁそんなところもいいんだがな。
「跡部。」
「アン?」
さぁ!『やっぱり跡部って足が長いのね!驚いちゃった。』と言え!そしてさっきの体位を要求してこい!
「随分足が長いのね…(怒)」
「今さら気付いたか?」
「ええ、身を持って。…じゃあね!忍足帰ろう。」
は…?何で怒ってんだ?しかも忍足と一緒に帰るつもりか?そうはさせねぇ。
「待ちな。」
「何?人に足掛けといてさらに喧嘩売る気?跡部なんてどっかの角に小指ぶつけちゃえ!ふーんだ!」
「それは痛いなぁ…。ほなお疲れ…。」
「お、おい!ちょっと待…」
そして部室には俺様一人が残された。
俺様は暇じゃねぇ。暇じゃねぇのに、部活が終わった今、何故部室に残ってるかというと、伝説のハジケリストを家まで送ってやろうっていう、俺様の優しさだ。
足の長い俺様の…
終わり
[後書き]
大変お待たせ致しました!リク内容『跡部中心の氷帝』です。
あれ?中心っていうか跡部視点?そして跡部と忍足以外、登場は名前だけ?甘めって言ったのにお前、コレのどこが甘いんだ?と思いますよね…。
すみませんすみません(>_<)
どこにでもあるような、ありふれた会話をさせてみたかったんです…。
ちあき様、初リクなのにやっぱりこんなんでごめんなさい!m(__)m書き直し、苦情、平手打ち受け付けます!
伝説のハジケリスト様、ここまでお付き合いして頂いてありがとうございました!!