お題DEキリ番夢小説
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本日は終業式。明日からは勉強と無縁の、待ちに待った夏休みが始まる。
だがその前に、乗り越えなければならないものがある。
あたしは手に“あるもの”を握り締め、部室の扉を開けた。
◇◆◇◆◇◆
テスト期間最後の日。一週間ぶりに全員集まった放課後の事だ。
『テストどうだった?』
あたしが問い掛けると、みんな愚問だなくらいの勢いで、余裕に構えていた。
『俺を誰だと思ってんねや…氷帝の天才…やで?』
一番近くにいた忍足が眼鏡を直しながら言った。
『ふーんじゃあできたんだ。宍戸は?』
『まぁまぁだな。』
宍戸はタッチ完全版を読みながら適当に答えた。その隣では、ジローがジャンプを読んでいる。
『ジロー、テストどうだった?』
『ん~?普通。』
漫画族はテストなんてどうでもいいようだ。
『長太郎は完璧そうだよね!』
『そんなことないですよ。俺本番に弱いんで、ケアレスミスが多いんです。』
はははと頭に手を当てて笑うという、オタク的なポーズを長太郎がやると、それさえ上品に見えるからすごい。
『若(わか)様は?』
『さぁ。どうでしょうね。』
いつもこんな感じだが、いつもよりも不機嫌に感じてしまうのは、あたしが日吉の鞄に、忍足からもらったドコモ茸をこっそり付けたのがバレたからだろうか。
『がっくんは?テストどうだったの?』
ほとんどの着歴が自宅からの携帯をいじっていたがっくんが、待ってましたとばかりに顔を上げた。
『今回すげーよ!負ける気しねーもん!英語なんて絶対満点だぜ!』
『へぇ!すごいね!がっくん英語得意だもんねー。』
『へへっ!まぁな♪』
屈託なく笑うがっくんがかわいくて、そのVカットをくしゃくしゃしたくなったけど、怒られそうなのでやめといた。
『樺ちゃんは?』
『けっこう、できました。』
相変わらず、年中無休で跡部の斜め後ろにいる樺ちゃんは、答え方に自信があるように思えた。
『みんなできたんだー。まぁあたしも割とできたけどね♪』
『おい。この俺様を無視するなんて、いい度胸してるじゃねーの。アーン?』
専用ソファにどっしり座り、ひじ掛けで頬杖をつきながら不機嫌そうに跡部が言った。
『だって、跡部はどうせ完璧なんでしょ?聞くまでもなく。』
『まぁな。俺様に不得意なものなんざねぇからな。』
じゃあいいじゃないか、と言おうとしたら、
『でも…今回の数学のテスト…跡部よりできてる自信あるで…?』
忍足が無駄に挑戦的言った。
『なんだと?』
『あ!俺も英語だけなら勝ってるかもしんねー!』
『せやろ…?ものっそ勉強したもんなぁ…。宍戸も社会科だけはアホみたいにできるみたいやし…今回は…分からへんで…?』
忍足の発言を、跡部は鼻で笑い飛ばした。
『お前らが俺様に勝てるって…?フッ、上等だ。この勝負、受けて立つぜ。全員終業式が終わったら成績表持ってここに集合だ!』
『Σえ!!あたしも?!』
『当たり前だ。』
『げ。』
あたしができた教科といったら数学と化学だけど、忍足に勝ってるかは微妙だし…
『あの、学年違う俺達はどうすればいいですか?』
『全員って言っただろーが。まぁ、逃げたきゃ逃げてもいいんだぜ?』
『フン。逃げるわけないでしょう。下剋上だ!』
『お、俺だって逃げません!』
『決まりだな。』
それを聞いた忍足は、鞄からレポート用紙とペンをだした。
『せっかく競うんやったら…、罰ゲームとかあった方がおもろない…?』
『どーゆーこと?』
『成績表2枚配られるやろ…?評価のとテストの点数の…。』
うちの学校は、5段階評価のオーソドックスな成績表と、教科別平均点と自分の点数が書かれた成績表の2つが配られるのだ。
忍足は、その点数の成績表で、各教科の最下位に罰ゲームを課そうと提案した。
『まぁ、別にいいけど…。』
どうせあたしに拒否権はない。
『面白そうだな♪評価表だと授業態度も入るからな!俺はいいと思うぜ!』
これは余談だが、がっくんは小学生の頃から【注意力散漫】と書かれ続けているって本人から聞いた事がある。
『俺もそれに賛成で!』
『俺も。』
『ウス。』
2年生トリオも異存はないみたいだ。
『跡部は…?』
『なんでもいい。俺様が負けるなんてありえねぇからな。』
『決まりやな…。ほしたら…1人1個、紙に罰ゲームの内容書いて、このティッシュ箱に入れて…あ、その前に…あの漫画組に今の状況教えたって…。』
なぜか司会進行係の忍足に言われ、あたしは宍戸とジローから漫画を奪うと、簡単に説明をした。
『マジかよι』
『マジ。』
『ヤベェじゃん!俺全然勉強してねぇC~。』
興味の無い事は全くやらないオフタリサンは、説明を聞いてややブルーになった。
と思いきや
『でもまぁ、自分より下がいりゃいいんだろ?』
宍戸はジローをちらっと見て言った。
『そっか!宍戸頭E~☆』
『ははは…。じゃあ、忍足に紙貰って罰ゲームの内容書いてね。』
あたしは目の前の、どこまでも前向きな宍戸とジローをうらやましく思った。
そして、各自レポート用紙を小さく切った紙に、罰ゲームの内容を記入して折りたたみ、ティッシュ箱に入れた。
ティッシュ箱には最後に1枚だけティッシュが入っていたので、あたしが油を取るのに貰っておいた。
罰ゲームの書かれたティッシュ箱は、あたしのロッカーに保管された。
◇◆◇◆◇◆
部室の扉を開けると、すでに全員揃っていた。
「あ、伝説のハジケリストさんこんにちは!」
長太郎の爽やかスマイルも、この時ばかりは悪魔の笑顔に見える。マッチの言葉を借りれば、『天使のような悪魔の笑顔』だ。
「ほな…早速始めるで…?」
忍足はホワイトボードに教科名を書き始めた。その間、みんなの顔を眺めてみたけど、ここにいる誰もが「俺は大丈夫だろ」みたいな表情をしていた。このくらい自信家でないと、氷帝テニス部にはいられない。
「音楽は今回筆記テストなかったから…これでよし…と。ワースト3作るから、成績表…俺んとこ持ってきて…。」
「待て。テメェは疑わしいんだよ。俺様も見る。」
ここはやはり部長。みんな納得したように成績表を跡部に提出した。
忍足はホワイトボードをみんなに見えないように裏にして、跡部に言われた通りに書いていった。二人ともホワイトボードの裏にいるので、あたし達からは二人の下半身しか見えない。
二人が作業してる間、変な緊張感に襲われているあたしをよそに、みんなは余裕で別の事をしていた。
長太郎は宍戸にすすめられたタッチを読み、日吉は配られたプリントの整理。ジローは眠り、宍戸は素振り(バッティング)をし、がっくんは財布の中のお金を数えていた。耳鼻科の診察カードが見えたので、鼻炎かしら?それとも中耳炎かしら?なんて考えていたら、ホワイトボードの裏から忍足と跡部が出てきた。
「書けたで…。」
すると、みんな一斉にホワイトボードに注目した。
「こういう結果になりました…。」
ホワイトボードを表にすると、そこには各教科のワースト3と点数が書かれていた。しかし、バラエティー番組のように、教科ごとに紙で覆われて見えないようになっている。
凝りすぎだ。
「まずは…これや。」
忍足は勢い良く、一つ目の紙を取った。
《国語》
1.ジロー (24点)
2.宍戸 (62点)
3.岳人 (68点)
「ジロー!起きて!あんた罰ゲーム決定だよ?!」
あたしはすやすや気持ち良さそうに眠っているジローを叩き起こした。
「ん~…?……Σえぇ?!マジで?!」
跳び起きると、ホワイトボードに飛び付いた。
「だぁー!俺途中で寝ちまったんだった!長い文章見てっと眠くなんだよー。」
「残念だったな!」
宍戸が得意げにジローの肩に手を置いた。自分もワースト3に入っているのが見えていないのだろうか。
「でもよ、つーことはみんな70点以上だったんだよな?すげーな!」
がっくんも安心したみたいで、椅子の上で体を揺らした。当のジローは「ま、いっか!」と、特に気にしてない様子だ。
「次行くで…」
《数学》
1.岳人 (49点)
2.樺地 (60点)
3.宍戸 (67点)
「マジかよ…!」
さっきまで揺れていたがっくんの体がピタリと止まった。
「樺ちゃん数学嫌いなの?」
「苦手…です。」
「おいジロー!お前何点だったんだよ!」
「俺?68点☆」
「1点差かよ、くそ…!」
宍戸が心底悔しそうに歯を食いしばった。
「伝説のハジケリストは跡部に2点差で負けとったで…?」
「え!マジで?!」
「ちなみに1位は俺やけどな…。」
「チッ。さっさと次やれ。」
「はいはい…」
なんだかんだで数学は、いつも忍足とあたしと跡部でいい勝負だったりする。でも、この二人に付いていけるのは数学と化学だけだ。後は知らない。
《英語》
1.宍戸・日吉 (53点)
2.ジロー (60点)
3.忍足 (78点)
「またジローに負けた!!お前勉強してねぇとか言ってしてたんだろ!」
「してねーよ?英語はいっつも寝てんもん。」
「じゃあなんで60点も取れんだよ!」
「さ~?なんでか知らねぇけど書けたんだよ。特にリスニング。」
恐るべし睡眠学習!
ワースト3の常連宍戸は、納得いかないという感じで舌打ちをした。
「ピョンってば英語苦手だったの?」
「その呼び方止めて下さい。」
まぁ、日吉は日本的だし、何より異文化を好まなそうだ。アイラブジャパン!といった感じだ。そう言えば、日吉がパンを食べてるところを見た事がない。
「なぁ侑士!俺跡部に勝ってた?!」
がっくんはここぞとばかりに身を乗り出した。
「残念ながら…跡部はおろか鳳にも負けとった…」
「ガ━(゚Д゚;)━ン!」
「でも近差やったし…そんな落ち込むことないねんで…?」
忍足の声も耳に入らず、がっくんは膝を抱えてうずくまってしまった。
「あの、俺…、すみません。」
がっくんの様子を見て、長太郎がオロオロしている。一方跡部は、
「俺様に外国語で勝とうなんて、100年はえーんだよ。」
と、いじめっ子根性丸出しだ。
「気を取り治して…次いくで…?」
《社会》
1.伝説のハジケリスト (58点)
2.岳人 (62点)
3.ジロー (67点)
「Σいやぁー(T□T)!!」
終わった。だから社会なんてこの世から無くなればいいんだ。
「伝説のハジケリストさんって理数系だったんですね。なんかカッコイイっスね!」
長太郎がフォローらしきものをこんな時に入れてきたが、あたしにはそれを喜んでる余裕はなかった。
罰ゲーム決定だ…。
「さっきから同じ人達ですね。」
日吉が呆れたように言い放ったが、それに反応している余裕もなかった。
「宍戸…、跡部と点数近かったで…。」
「本当か?!跡部何点だったんだよ。」
「98点だ。俺様としたことが、漢字を書き間違えちまってな。それさえなけりゃ満点だったっつーのに。」
「宍戸は96点…。取り柄はこれだけやねんから…これからもしっかり勉強し…?」
跡部と近差と聞いて、すっかり浮かれモードに入った。だが、次のワースト3を見て、すぐに表情が曇った。
「ほな次…」
《化学(理科)》
1.鳳 (76点)
2.ジロー・宍戸 (79点)
3.樺地 (82点)
「長太郎って化学苦手だったんだ。」
「はい…。」
正直なところ、長太郎よりもジローの点数が気になった。宍戸はあたしが勉強を教えたから、この点数なのは分かる。
ジローは実は頭いいのではないだろうか…。
「ほな次行くで…」
《美術→50点満点》
1.日吉 (19点)
2.岳人 (25点)
3.宍戸 (36点)
日吉を見ると、この世の終わりの様な表情をしていた。無理もない。逆の意味で下剋上してしまったのだから。
あたしはそんな日吉にかける言葉が見付からなかった。
ワースト3常連の宍戸とがっくんに至っては、目からいつもの輝きが失せてしまっている。
他のみんなも段々口数が減ってきて、部室内が静かになった。
もはやあたし達負け組の脳裏には、“罰ゲーム”という言葉しかない。みんな、自分何書いたっけ?と思ってるに違いない。
「サクサク行くで…」
《保健体育→50点満点》
1.岳人 (28点)
2.宍戸 (35点)
3.伝説のハジケリスト (44点)
「俺もう全部どうでもよくなってきた…」
がっくんは顔面を両手で覆い、小声で呟いた。そんな切ない場面を見てしまったのは、おそらくあたしだけだろう。
「ちなみに1位はこの俺と…跡部や…」
そうだろうよと言ってやりたかったけど、どんよりした空気の中、発言できなかった。
「次で最後やな…」
最後のワースト3が発表されたその時、みんな息をのんだ。
《技術・家庭》
1.跡部 (61点)
2.日吉 (70点)
3.鳳 (76点)
「跡部…残念やったな…。」
跡部は舌打ちし、バツが悪そうに目を逸らした。
3年生の家庭科のテスト範囲は、『洗濯』だった。洋服に付いてる表示を見て、それに合った洗濯の方法等、まさに家庭的な問題が出題されていたのだ。
おぼっちゃマンの跡部が分かるはずがない。長太郎もその類だろう。
「樺地とジローが高得点やったで…」
「へへっ♪店手伝わされてっからな~☆」
「ほな…結果も出たとこやし…罰ゲーム決めよか…」
あぁ、ついにこの瞬間が訪れてしまった。明日から夏休みだと浮かれていた、さっきまでの明るかった雰囲気に戻りたい。
「伝説のハジケリスト…、ロッカーから出してきて…。」
「はい…。」
忍足に言われ、ロッカーからティッシュ箱を出した。もはやこれはティッシュ箱ではない。地獄への招待状が入った悪魔の箱だ。
「ジローと宍戸と伝説のハジケリストと鳳と跡部…岳人と日吉は2枚取ってな…。」
気付けば忍足と樺地以外の全員が罰ゲームをするハメになっている。
みんな表情を曇らせながらティッシュ箱に手を突っ込んでいく。
「マジこえ~!!」
「……(-_-;)」
「あー、もう終わった。あたしの青春終わった。」
「自分で書いた罰ゲーム当たったら、なんとなく微妙な気分になりますよね。」
「どーせたいした事書いてねぇんだろ?ビビる必要なんてねぇよ。」
「クソクソ!こうなったら2個でも3個でも一緒だぜ!かかって来やがれ!」
「フン。」
各自紙を取り終えた。
「どうします?一斉に開けますか?」
「取った順に開けてこうよ。ジローから!」
「あいよ!」
「ボードに書くから読み上げてな…」
【すね毛とわき毛を脱毛テープで除毛する】
「なんだよコレ?!絶対ヤダよ!」
「元から薄いのにな!」
「向日には言われたくないC!」
そういえば去年、「伝説のハジケリスト伝説のハジケリスト!見て、男の勲章~☆」ってあたしに見せてくれたっけ。下手したらあたしより薄かったけど、「すごいじゃん♪」って言ってあげたんだ。
「次、宍戸さんですね!」
長太郎がやや興奮気味に言った。
「分かってる!…開くぞ。」
【母親に電話し、“いつもありがとう”と言う。】
「なっ…!///」
「変なのじゃなくてよかったね!」
何を隠そう、あたしがこれを書いたのだ。
「マジかよ…///」
女の子でも照れ臭いから、男の子はもっと恥ずかしいだろう。
「宍戸さん、頑張って下さい!」
長太郎は割と出来そうだが。
「おい、何にやにやしてんだよ。次お前だろ?」
「あ、はいはい!」
宍戸に言われ、あたしは慌てて紙を開いた。
【全校集会の最後、みんながいる時に「俺(私)の足は臭い」と叫ぶ】
「何コレー?!Σ( ̄□ ̄;」
「ははは!!お前今までで一番最悪じゃん!」
がっくんはあたしを指差して笑った。あんたなんて2つもやるくせに、とここまで出かかったが、ここは大人になってぐっと堪えた。
「次、長太郎だよ。忍足書けた?」
「いつでもどうぞ…」
「じゃあ…行きます!」
長太郎は額にうっすら汗を浮かべながら紙を開いた。
【新学期までにマツケンサンバⅡをマスターして、部員の前で歌いながら踊る】
今更かよというのはあるが、罰ゲームとはそんなものだ。
「宍戸さん、俺…」
「あぁ。練習、付き合ってやるよ。」
「あ、ありがとうございます!」
やっぱり後輩思いな宍戸が頼もしく見えた。だけど、練習に付き合うからには宍戸もマツケンサンバをマスターしなければならないという事は頭にないのだろうか。さすがワースト3のほとんどにランクインしていただけの事はある。
「次は俺様の番だな。」
「跡部、ずいぶん余裕だね。」
「お前らの考えた罰ゲームなんてたかが知れてるからな。」
【10分休中、ずっとトイレの前でうずくまる。】
「ほらな?こんなもんだろ?」
紙を人差し指と中指に挟み、高らかに掲げているが、トイレの前に10分もうずくまる事でどんな誤解を生むことか。
「跡部の罰ゲーム面白そ~☆うんこマンって呼ばれないように気ぃつけてな!」
「跡部の場合は“うんこマン様”じゃねーか?!」
「アーン?意味不明な事言ってんじゃねぇ。おい岳人、次はお前の番だ。」
ジローとがっくんの言う通り、跡部がうんこマン様なんて陰で呼ばれないように願おう。嫌だ。そんな跡部は。
「俺2個あんだよ。いっぺんに開けるぞ?」
【乳首にフジテレビのマークを描いて、上半身裸で部活に出る】
【コンビニでえんぴつや靴下をレジに持って行き、「あっためて下さい」と言う】
「想像してたよりはマシだな!」
「これも結構ヒドくない?」
「監督ネタよりはいいだろ!」
がっくんが言った後、日吉が凍り付いた。監督ネタが書かれていないはずがない。
「若…」
「ピョンちゃん…」
日吉は深呼吸をすると、ゆっくりと紙を開いた。
【本屋でりぼんを朗読する(止められるまで)】
【マックでお姉さんに「スマイル1つ」と言う】
「監督じゃない…。」
「よかったね!本当によかったね!」
だがしかし、はたしてこれを日吉ができるのだろうか。
「これで全部やな…。罰ゲーム決行は新学期始まったらや…忘れんといて…。」
夏休みの始まりに、こんな事になるなんて誰が想像しただろうか。
「なぁなぁ!脱毛してもまた生えてくるよな?!」
「知るかよ。つーか誰が俺の乳首にペイントすんだ?」
「スマイルなんて簡単じゃねぇか。お前が笑うわけじゃねぇんだぜ?なぁ樺地。」
「ウス。」
「だったら代わって下さいよ。なんで俺がこんな事…」
「マツケンサンバⅡってプロモありますかね?」
「さぁ?帰りTSUTAYA寄ってみようぜ!」
なぜみんなこうも明るいのか。
ホワイトボードに書かれた罰ゲームの内容を見て、例年よりも新学期を迎えるのが憂鬱になった。
あたしは忍足に返されたこの成績表を、なるべく見ないように鞄にしまった。
終わり
[後書き]
大変お待たせ致しました!氷帝の『成績表』でございます!
無駄に長くなってしまってすみません!思ったよりつまらなくてすみません!私の存在自体すみません!
さて、あの罰ゲームの内容ですが、一体誰がどれを書いたのでしょうか!?
紗宮羅ちゃん、楽しみにして頂いていたのに、オチが微妙になってしまって申し訳ございません(T_T)少しでも「ふっ」と笑って頂ければ光栄です!書き直し、苦情、24時間承ります!
伝説のハジケリスト様、ここまでお付き合いして頂いてありがとうございましたm(__)m