お題DEキリ番夢小説
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本日の部活も無事に終わり、部誌の備考蘭に『切原赤也の調子が悪いようだ』と書いた、ちょうどその時だった。
「はぁ~…」
また、赤也がため息を吐いた。
「どうかした?練習中もずっとその調子だったみたいだけど。」
「幸村部長…」
あたしが赤也に声を掛けるよりも先に、赤也の隣で着替えていた幸村が尋ねた。
「言いたくないなら、言わなくてもいいけど。」
「いや…その…」
「はっきりせんか。お前の迷いがプレーにも出ていた。そんな状態でコートにいられても皆に迷惑が掛かるのだぞ。」
相談しにくいランキングテニス部部門第一位の真田が言うと、赤也は少しムッとした。
「まぁまぁ真田君。切原くんもお年頃ですから、言いにくい悩みの一つや二つはあるでしょう。」
「どーした赤也、女にでもフラれたか?」
「違いますよ!ジャッカル先輩じゃあるまいし。」
ジャッカルは冗談で言ったはずだったのに、素で否定された。大丈夫、きっとジャッカルのこと好きな子がどこかにいるはず、とフォローを入れようかと思ったが、よけい切なくなるだろうと思いあたしは言葉を飲んだ。
「言えねーことなのか?」
「いや、そーいうわけじゃねぇっスけど…」
ブン太が尋ねても、きまずそうに口篭もる。もしかしたら…
「ねぇ、あたし席外そうか?」
「え?なんでですか?一緒に帰りましょーよ!」
「え?あ、別にいいけど…。」
男同士じゃないとできない会話だと思ったから言ってみたが、どうやらそうではないようだ。
「で、何だっつーんだよ!怒んねーから言ってみろぃ!」
「いや、怒られるとかじゃなくて…」
はっきりしない赤也。しばし沈黙が流れたが、意を決したように顔を上げた。
「最近、保健室の物が無くなるようになって、保健の先生が困ってるんスよ。」
「泥棒に入られてるってこと?」
あたしがそう聞くと、赤也は首を横に振った。
「無くなるんスけど、次の日になるとまたあって、今度はまた別のモンが無くなってるらしいっス。しかも中身が減ってるとかはなくて、そのまんまの状態で返ってくるって。不思議でしょ~?」
「返ってくんならいいじゃねーか。」
「でも先生は気味悪がってるし…。俺あの先生好きだから助けになってやりたいんスよ。」
確かにあたしも保健の先生は好きだ。寝に行っても快くベッドを使わせてくれたり、たまに内緒で飴をくれたり、とても優しくて生徒に人気がある。赤也も英語の宿題を忘れた時に保健室に寝に行ったことがあって、今回だけ特別だと言って寝かせてくれたことがあったと言っていた。もちろん、真田には極秘事項だ。
「そういうことは警察に言った方がいいんじゃねぇか?」
「俺もそう言ったんスけど、盗難じゃないしオオゴトにしたくない、けど気になるって。だから困ってるんスよ。」
「保健室って鍵掛けてないの?」
「ちょうど今壊れちゃってて、修理が入るのは来週だって言ってました。それまでに何とかできたらいいんスけど…。」
「ふふ、赤也は優しいね。分かった、俺達でなんとかしてみようか。」
「マジっスか?!」
セリフとはちょっとかみ合わない感じで、幸村はめちゃめちゃ楽しそうな、わくわくした笑顔を見せた。こうなっては誰も止められない。
「幸村、我々だけでは危険ではなかろうか。」
「恐いの?」
幸村の挑発したような言い方に、真田がぐっと口篭もる。その様子を見ながら、反対しそうなのにさっきから何も言わない柳生に声を掛けた。
「柳生は反対しないの?」
「困った人をお助けするのが道理でしょう。」
「ふーん。」
「そんなこと言っとるけど、ホントはミステリー好きなだけじゃ。」
「完全に否定はできませんが、保健の先生をお助けしたいという気持ちがあるのは本当です。」
金田一少年やコナン君ばりにアリバイを聞きまわったり、最後には「犯人はこの中にいます、アデュー」とか言い出したらどう止めようか。そんなことを考えていると、真田が口を開いた。
「しかし、何かあってからでは遅いのだぞ。」
「大丈夫だよ。真田は本当に恐がりだなぁ。」
ため息混じりの幸村に、真田は眉間の皺を深くした。
「よかろう。そこまで言われて黙っているほど、俺は腰抜けではない。」
「ふふ。そうと決まれば、作戦会議しなくちゃね。蓮二、後はよろしく頼む。」
「あぁ。」
「ちょっと待った!もしかしてあたしも入ってる?」
こういう事は、女であるあたしは邪魔なような気がする。そしてこのメンツで何かをするとなると、“普通に”ということがまずありえないので、色々と覚悟しなければならない。
「勿論だよ。大丈夫、伝説のハジケリストを危ない目にあわせたりはしないから。」
そう言ってにっこりと笑う幸村に何を言えるはずもなく、諦めてため息を吐いた。
「珍しいじゃん。お前のことだから、めんどくせーから自分でなんとかしろぃ!って言うと思ってたぜ。」
「お世話になってる保健の先生が困ってるんだ。それに、かわいい後輩の頼みだからね。」
「部長…」
とかなんとか言って、絶対楽しんでる。機嫌の悪い時は別として、台風ではしゃぐ子どものようにハプニングを楽しむのが幸村という男だ。
あたしは仁王と目を合わせ、互いに苦笑した。
そうこうしている間にも話は進められていく。
「赤也、お前はどう思う。」
「う~ん、やっぱり張り込みが一番じゃないっスかね!」
「そうだな。現行犯で捕まえるのがベストと言えよう。」
「待て連二。凶器を持っている可能性もあるぞ。迂闊に跳び出したら…」
「その可能性は極めて低い。いや、ゼロとみてもいい。」
あたしもそれを心配に思っていたが、蓮二によってスッパリ切られた。
「犯人は金目の物ではなく、保健室にある医療医薬品のみを持ち出している。そしてそれは、全く手を付けられていない元の状態で戻ってくる、その繰り返しだ。よって、犯人の目的は盗難ではない。ともなると、凶器を持ち歩く必要性は見出せない。」
「そうですね。それに、先生がお帰りになる時には物品があり、朝学校にいらした時にはなくなっている。ということは、学校内に誰もいない時間帯に行動していると考えて間違いないでしょう。誰もいない時間帯に、まして保健室に入るだけで凶器を持ち歩くとは考えにくい。私が犯人なら、凶器は邪魔になるだけですので持ち歩きませんね。」
蓮二と柳生のやたら長い反凶器持ってる説に、真田もみんなも納得したようだった。
「そんじゃあ張り込み決定?」
「反対意見が出なければ決定だ。」
「反対のひとー。」
ブン太の呼び掛けに誰も返事をしない、ということは決定だ。ジャッカルが小さくため息を吐いたのをあたしは聞いた。
それから細かい作戦が練られたが、その内容は至極単純なものだった。大勢での行動は、作戦を複雑にすると混乱が生じてうまくいかない場合が多いので、ということらしい。
正門と裏門で待機するのが各二名ずつ、保健室内に潜んで現行を抑えるのが五名だ。
正門組は蓮二・ブン太、裏門組は仁王・柳生。不振人物が入っていくのを確認次第連絡を入れる。保健室内では、先生の机の下に赤也、ベッドの下にあたし、その隣のベッドの下に幸村、掃除用具用の大きい物置に真田、ジャッカル。息を潜めて待機し、物置の通気口から犯人が物をしまったのを確認し捕まえる。あとの人達は、物置組が出たのを合図に出てきて援護する、という作戦だ。
「作戦決行は明日の夜だな。目立たぬよう、全員衣服は黒で統一しよう。保健室組は、一度じっくり現場を見てくるといい。」
「当日は何時集合にしますか?」
「そうだな、職員全員が帰るのは20時だ。その5分前には集まりたい。」
「了解っス!」
「なんか楽しくなってこねぇ?俺も保健室がよかったなー。」
「変わってやろうか?真田と密室。」
「勘弁。」
でもホント、一体誰が何のために保健室の物を持ち出しているのだろうかと、みんなの賑やかな様子を見ながら考えていると、肩に手が置かれた。
「そんなに不安そうな顔しなくてもいいよ。万が一何かあったら、真田を置いて逃げればいいしね。真田なら大丈夫だから。」
幸村があたしの顔を覗き込み、ものすごく綺麗に微笑みながら言った。
考えてたこととは大きく違ったけど、この一件の真相が知りたかったあたしは笑顔で頷き返した。
時刻は19時55分。学校の近くにある公園に集合した。誰も遅刻はしていない。約束通りみんな黒い服なので、なんか怪しい宗教団体のようだ。
こうも集まると本当に怪しい集団にしか見えないが、黒は大人っぽく見えるので単体で見るとかっこいい。
幸村と仁王なんてそれはもうかっこいい。並んで話し掛けられれば、どっちにしようか迷うほどだ。真田も年齢不詳に拍車が掛かっているが、もともと落ち着いているのでいつもの何倍もかっこよく見える。赤也は普通な感じだが、ブン太は普段あまり黒を着ないので新鮮だ。連二は私服となんら変わりない。ジャッカルに至っては服と肌の境目が分からない、闇に紛れている、と赤也にからかわれていた。
「最後に確認しておく。俺と丸井は正門の監視、仁王と柳生は裏門の監視。校内に人が入り次第門を監視している者とジャッカルの携帯にワンコールだ。」
「何者かが侵入し、物品を持ち出入り口に手を掛けたところを抑える…ということだったな。」
「あぁ。携帯電話だが、俺と柳生とジャッカル以外は電源を切ってくれ。俺達はマナーモードにし、無駄な使用は避ける。」
「分かりました。」
「なんかドキドキするっスね!」
すると、学校の電気が消えた。
「時間だな。では、各自持ち場へ移動しよう。」
「伝説のハジケリスト先輩!恐かったら俺が手ぇ繋いであげるっス♪」
「いや、大丈夫だから。」
「じゃあ俺が恐いんで手ぇ繋いで下さい♪」
「それなら俺が繋いであげるよ。」
そう言って幸村は手を差し出した。
「やっぱ平気っス…」
「そう?残念だな。」
「私語はそこまでだ。」
裏門から入り、誰もいないことを確認してから校舎内に入った。
夜の学校とはやはり不気味で、今にもすすり泣く声とかそういうのが聞こえてきそうだ。
あたしが少し恐怖を感じたのを察したのか、幸村があたしの手を握り、にこっと笑って見せた。先頭を行く真田も、チラチラとあたしの方を見て気にしていた。
「入るぞ。」
音を立てず扉を開け、それぞれ持ち場についた。幸村がベッドに潜んでいる姿を見て、シックスセンスに出てきた女の子を思い出してしまいまた少し怖くなったが、
「不謹慎かもしれないけど、なんだか楽しいね。」
「うん、まぁ…。」
幸村の弾んだ声にすぐかき消された。
「倉庫からこっちの様子見えますー?」
「あぁ、問題無い。」
倉庫は出入り口のすぐそばにあり、医療用品が入っている棚の方を向いている。赤也が隠れている先生の机は、その棚のすぐ真横にある。隠れるには最高の場所だ。
しばらく沈黙が流れると、物置から真田の「うっ」といううめき声がした。
「すまん、我慢しきれなかった…。」
「いや、仕方のないことだ。気にするな。」
なんのことだろうと思い幸村の方を見ると、大きなあくびをしていた。
「眠いの?」
「うん、少し。ベッドの上じゃなくてよかったよ。」
「あー、あたしもベッドの上だったらヤバイかも。」
「へぇ、伝説のハジケリストはベッドの上だとヤバイんだ。」
何かやらしい感じに言われた気がするが、ここでまた否定するようなことを言えば幸村をさらに喜ばせるだけなので、シカトすることにした。
「え?!何の話っスか?!俺も混ぜて下さいよ~!」
「静かにせんか!!」
鼻が詰まったような真田の小声の怒鳴り声で、再び静寂に包まれた。
時計を見ると、20時30を回ったところだった。
―裏門組―
「なぁ、ホントはこんな地味配置じゃのうて、保健室につきたかったじゃろ?」
「いえ、これも重要な役目ですから。」
「伝説のハジケリストと一緒がよかったって、顔に書いてあるぜ?」
「……。仁王君は随分と余裕がおありなんですね。」
「余裕ねぇ…。」
「しっ!誰か来たようです。」
「一人…じゃな。」
「えぇ、そのようですね。柳君とジャッカル君に連絡しましょう。」
―正門組―
「なぁ、忍び込むのに正門から入るバカなんていんのかよ。」
「さぁな。念のため、だ。」
「ふーん。あ~、腹減ったー…。」
「む、柳生からだ。どうやら何者かが侵入したらしい。」
「おー!いよいよ、って感じだな!」
「そうだな。」
「なぁ、あいつら大丈夫か?」
「特に伝説のハジケリストが心配、か?」
「別に~?」
「ふっ。」
「何笑ってんだよ。」
「いや、気にするな。」
―保健室内―
「来たみたいだぞ。」
「そうか。」
物置からコンコンという音がした。ということは、いよいよ侵入者のお出ましというわけだ。心拍数が上がり、掌に汗が滲んできた。
スーっと扉が開く音がして、あたしは口元を手で抑えて幸村を見た。視線に気付いた幸村はあたしを見て頷くと、鋭い視線で前を見た。暗くてよく見えないけど、なんとなく口は笑っている気がした。
そうだ、幸村より恐いものなんてない、だから大丈夫。と自分に言い聞かせていると、誰かの足が見えてきた。
その足は、棚の前で止まった。
どうやらあたし達が潜んでいることに全く気付いていないらしい。棚を開け、ゴトゴトと何かを置いた音がする。特に焦っている感じはしないので、きっとこの人が犯人だ。
あとは真田とジャッカルがタイミングを見計らって出てきて、捕まえるだけだ。
果たしてうまくいくのだろうか。連二も柳生も凶器を持っていないと言っていたが、万が一持っていたらどうしよう。
緊張が極限に達したその時。
『ぐぅ~…きゅるる』
腹が、幸村の腹が鳴った。
侵入者はそれに気付き、慌てて飛び出して行ってしまった。
「チッ、逃がすかよ!」
すかさず赤也が出て行った。倉庫の中の真田とジャッカルまでは腹の音が聞こえなかったので、出遅れて追いかけた。あたしと幸村もすぐに後を追った。
今、非常に緊迫した事態だというのに、
「あはは、ごめん。鳴っちゃった。」
と笑う幸村がおかしくて、あたしは爆笑しながら走った。
「あはは!幸村サイコ―(笑)タイミング良すぎだから!」
「ひどいな。そこまで笑わなくてもいいじゃない。」
「だって、は、腹が……!!」
「声出てないけど(笑)」
校舎から出て裏門に駆けつけると、そこにはみんなが揃っていて、騒がしくしていた。
「捕まえたぜ!お前が犯人なんだろ?!」
赤也に取り押さえられ、犯人と思われる人物はバタバタと足を動かしている。
「名を名乗らんか!」
真田が一喝すると、その人はひたすら謝り続けた。
連二が落ち着かせ、柳生が優しい口調で質問をすると、彼は全てを話した。
どうやら彼は野球部の一年生で、救急箱の中身を揃えるよう先輩に言われたらしい。そこで何を買ってきたら良いかを聞くタイミングを失った彼は、保健室から拝借した物と同じ物を薬局で揃えてから返していたのだそうだ。
今度からちゃんと先輩に聞いて、こんな真似はしないと真剣に謝るが、真田は腕を組んで彼を見下ろす。
「野球部たるんどる!部長と顧問に知らせねばならんな。何かしら罰を受けるだろうが自業自得というものだ。」
真田に厳しく言われ、その子の目に涙が滲んできたのが分かった。
「ねぇ、かわいそうだから誰にも言わないでいてあげようよ。反省してるみたいだしさ。」
「私も伝説のハジケリストさんと同意見です。」
「しかし…!」
すると、先ほどお腹を鳴らした幸村が、赤也をどかせるとその子の肩に手を置いた。
「今回君のしたことはここにいる俺達だけの秘密にしておくよ。けど、保健の先生にはちゃんと謝るんだ。いいね?真田も、それなら文句は無いよね。」
「あぁ。」
「じゃあ、気をつけて帰ってね。」
一年生は野球部特有のお辞儀をし、お礼を言って帰っていった。
なんだか一気に気が抜けてしまい、あたしはその場にしゃがみ込んだ。
「参謀、今何時じゃ。」
「21時16分だ。」
「何か食って帰らん?」
「お、いいねー♪」
「弦一郎、お前はどうする。」
「たまには付き合おう。」
こんな時間に未成年が入れる店など無いので、コンビニでカップラーメンやパン等、それぞれ自分の好きなものを買って公園に移動した。
食べながらついさっき起きたことを話す。
「なにもあのタイミングで腹鳴らすことないっスよねー(笑)」
「まさか、幸村の腹の音で逃げられるとはな。部長だというのにたるんどるぞ。」
「うるさいなー。無事に解決したんだからいいだろ。」
やっぱりお腹が空いていた幸村は、とんこつ味のカップラーメンを豪快にすすった。
「今回は切原君が大活躍でしたね。」
「そんなことねーっスよ!先輩達が協力してくれたお陰っス♪」
「ありがたいと思ってんなら、お礼としてコレ貰うぜ?」
「Σあ!俺の油揚げ!」
「伝説のハジケリスト、あげ半分食う?」
「太るからいらなーい。」
「そうっスよ!丸井先輩ブン太じゃなくてブタになっちゃいますよ~?」
「てめー!( ̄皿 ̄+」
いつものようにギャーギャーもめ出した。それがおかしくて笑っていると、冷えてきたからと言って仁王がジャケットをあたしの肩に掛けてくれた。ありがたく借りると、こんどは連二があったかいお茶をくれた。
「伝説のハジケリスト、よく頑張ったな。」
「頑張るも何もないよ。結構…」
「楽しかったし、か?」
連二にあたしのセリフを先読みされ、少しうわーちょっとコワイんですけどと思ったが、いつものことなので笑って流した。
「あ、ストロー入ってねぇ。」
「私のを差し上げましょうか?ペットボトルなので使いませんから。」
「いや、大丈夫だ。サンキューな。」
そう言ってパックのコーヒー牛乳をゴクゴク飲むジャッカルを見ながら、先ほどまでもめていたブン太と赤也が耳打ちして笑っている。その内容は安易に想像できる。
いつもしている会話とたいして変わりはないのでけれど、なんだかとっても楽しくて。
それから、ロッカーの中でジャッカルが放屁した話とか、門で待ってる間誰それのお母さんを見掛けたとか、実は理科準備室に幽霊が出るとかそんな話を延々とした。
楽しい時間ほど過ぎるのは早くて、連二が腕時計を見た。
「そろそろ帰ろう。」
「伝説のハジケリスト先輩は俺が送ってくっス!」
「待てよ。みんなで一緒に帰んねぇ?」
ブン太が言うには全員であたしを送り届け、そこから家が近い順にまとまって帰っていってはどうか、ということだ。
「それはいい考えですね。」
「皆を送り届けて最後一人になるのは…弦一郎だな。」
「じゃあ問題無いね。行こう。」
そんなわけで、黒い団体のまま帰路についた。みんないつもより口数が多く、道中話が尽きることはなかった。
今回の保健室騒動は、あたしにとって一生忘れないだろう。みんなの優しさや心強さがよく分かった、そんな夜だった。
終わり
[後書き]
大変長らくお待たせしてしまい、申し訳ございませんでしたm(__)mリク内容は『立海逆ハーギャグ』ということですけども、やっぱりこういう結果に。特に笑いがドッカンくるとこもなく、(私の人格のように空回る)それでいて逆ハーですかコレ?みたいなね。ダヴィンチコードよりも謎な話になってしまいました。(ある種の芸術である)
いやー、中学生の時って夜にみんなで集まったり、誰もいない学校に行ったりするのってワクワクしませんでしたか?なんか特別って感じで。ちょっといけないことしちゃってる感じで。それでみんなやたらテンション上がっちゃう、みたいな。ハイ、どうでもいいですね。
愛梨様、長い間お待たせしてしておいてコレですみません(>_<)お前ホント書き直せと思われましたら、遠慮なくメールボックスにて「ゴミ虫!」とお送り頂ければと思います!もちろん苦情もお受け致します!すみませんすみませんすみません!(ひたすら土下座)
伝説のハジケリスト様、ここまでお付き合い頂いてありがとうございました!往復ビンタは5回まででお願い致します。