その他の生活
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昼間は晴れていた。気温も暖かく、気持ちのいい日だった。
そんな日に雨が降るなんて、誰が予測できただろうか。
「どうしよう・・・。」
下校途中に降られたあたしは、とりあえず近くのコンビニに入った。幸いなことにすぐ近くにコンビニがあったので、あまり濡れずにすんだ。
このためだけに傘を買うのは嫌だったので、立ち読みをして夕立が去るのを待つことにした。
しばらくすると、カバンの中から携帯のバイブが鳴った。
From 伝説のハジケリスト ##NAME2##
Sub 無題
寄り道か?
-END-
顔を上げると、傘をさした伝説のハジケリストが立っていた。雑誌を元の場所に戻し、ちょっとだけ急ぎ足でコンビニを出た。
「どうしたの?つーか何で傘持ってんの?」
「質問するのはかまわないが、一度につき一つにしてくれないか。」
あたし達は、なんとなく駐車場のわきに移動した。屋根が無いので、伝説のハジケリストの傘に入れてもらった。
「雨が急に降り出し、傘の無いお前が慌ててコンビニに入っていったのが見えたからな。この一時の雨をしのぐためにお前が金を遣うとは思えない。おおかた雨宿りでもしていたんだろう。」
「当たってるけど、なんであたしが傘買わないと思うのよ。」
「ケチだからな。」
「くっ・・・。」
「誰かと一緒にいたなら違っただろう。」
伝説のハジケリストは、ずれたテニスバッグを掛け直した。骨っぽい、大きい手が視界に入った。
「どういう意味?」
「ケチなのは自分に対してだけということだ。」
「誉めてるの?」
「あぁ。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
あたし達は互いに向き合う事無く、車が流れる道路を見続けていた。
「で、なんで傘持ってるの?天気予報では何も言ってなかったのに。」
「梅雨入り間近だから折り畳み傘を持ち歩くのは当然だろう。」
「当然の事ができてなくて悪かったわね。」
「全くだ。忘れ物、落し物、遅刻、居眠り・・・先が思いやられるな。」
ため息交じりに言われ、まるで先生と居るような気さえした。
「うるさいなー。ほっといてよ。」
「好意を持っている女性を放っておけるほど冷徹にはなれない。」
「え・・・?」
突然の出来事に、あたしは思わず伝説のハジケリストの顔を見上げた。言葉の意味は分かったが、唐突すぎて頭の整理ができなかった。
信じられなかった。
横顔の伝説のハジケリストは、まっすぐ前を見たままだ。
あたしはその横顔から目が離せなかった。
「過ぎたな。」
伝説のハジケリストがつぶやいたと同時に、あたしは視線を前に戻した。
雨は上がっていた。
「帰ろう。」
伝説のハジケリストは傘をたたむと、水気を含んだ地面を進みだした。あたしはその後ろに黙ってついていった。
さっきの雨が嘘みたいに、雲が完全に晴れていた。
けど、あたしにはそれを喜ぶ余裕はなかった。
終わり
[後書き]
遅ればせながら教授と博士の誕生日を記念して、普通な小説を書きました。この小説をどこに置こうか迷いましたが、なんとなくその他の生活になりました。
告白の返事は、これを読んで下さった貴女様にお任せします☆乾と柳の他に、別の名前を入れてもいいかもしれませんな。
博士、教授、誕生日おめでとう!!