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一週間前、『裕太の誕生日会、うちでやるから裕太連れて来て!お願いね!』というようなメールが由美子さんから来た。
絶対嫌がるだろうから、上手く誘わないと…。
「裕太ー!裕太ー?!」
「Σ伝説のハジケリスト先輩!?どーしたんスか。わざわざ教室に来るなんて…。」
裕太は友達とカードゲームをやっていたらしく、手にカードを握り、小走りでこちらにやってきた。
「この前裕太の家に遊びに行ったじゃん?」
「はぁ…///あの、ちょっと場所変えましょう!」
周りを見ると、裕太のクラスの子達が冷やかし目線であたし達を見ている。
裕太に背中を押され、廊下の一番端に移動した。
「ここならいいか…」
裕太はキョロキョロと辺りを見回してから溜め息をついた。
「何恥ずかしがってんのよ。」
「別に恥ずかしがってないですよ!///」
「耳まで赤くしちゃってさ。」
「…っ///で…、うちに来た時がどうしたんですか?」
裕太は赤くなった耳を隠した。
「(耳隠さなくても…)忘れ物しちゃってさー。だから一緒に取りに行ってくれない?」
「別にいいっスけど…。」
あの日は柳沢と金田とあたしで裕太の部屋でゲームして、寮に帰った。手ぶらで行ったので忘れ物なんかしてない。
「今日取りに行きたいんだけど。」
「じゃあ行くとしたら練習終わってからですよね。」
そんな事してたら時間が短くなってしまうので、その辺も抜かりは無い。
「練習なんだけど、観月が『んふ。たまには息抜きも必要ですから、今日はオフにしましょう。』って言ってたよ!」
本当は観月に無理言って賄賂回して休みにしてもらったんだけどね。
「そうですか…。じゃあ帰りに待ち合わせて行きましょう。」
「校門で待っててよ。」
「嫌ですよ!///何でそんな人が多い場所で待ち合わせするんスか!?」
なんか…照れ屋も度が過ぎるとアレだね。
「分かった分かった。じゃあ駅で待ち合わせしよう?」
「そうしましょう。じゃ、また後で///」
裕太は両耳を隠したまま走って行った。
あたしはすぐに由美子さんに『成功しました』とメールを打った。
―放課後―
「意味なかったね。」
「……。」
駅に向かう途中、裕太とバッタリ会った。
そりゃそうだろう。同じ場所から同じ場所に向かってるのだから。
「いくら?」
「210円です。」
電車に乗り、裕太の地元の駅で降り、他愛のない話をしながらしばらく歩いて不二家に着いた。
「ただいま。」
「お邪魔しま~す。」
「あら!伝説のハジケリストちゃんいらっしゃい♪」
「さ、上がって?」
裕太ママと由美子さんが出迎えてくれた。
「兄貴は?」
「周助ならまだ帰ってないよ。」
「ふーん。」
(合図を送るまで裕太を部屋から出さないでね!)
(分かりました!後でタイミングを見計らってプレゼントをそちらに置かせてもらいに行っていいですか?)
(ええ。キッチンに隠しておくわ。)
あたしは由美子さんとコソコソ打ち合わせをし、裕太の部屋に向かった。
「何忘れたんスか?」
「キーホルダー。」
「どんなやつですか?」
「丸いやつ。」
テキトーに受け答えをするものの、このままでは持たない。
「飲み物持ってきます。」
「待って!Σ( ̄□ ̄;)」
ドアノブに手を掛けた裕太の手を、必死に掴んだ。
「飲み物はいいから!ね?」
「あの…分かりましたから…その…手を…///」
裕太はあたしから視線を外してまたもや照れ始めた。
「あっ、手ね!ごめんごめん。キーホルダー、一緒に探してくれない?」
「はぁ…。」
ちょっと腑に落ちないといった感じの裕太。だがもう少しの辛抱だ。
-3分経過-
「ごめん。お手洗い借りていい?すぐ戻るから、それまで探してて!」
こう言っておけば、素直な裕太は部屋から出ずに探して続けるはずだ。
あたしは鞄を持ち、1階のキッチンに入った。
「由美子さん!これお願いします。」
「OK!あと5分くらいだから、それまで粘って!」
「はい!お手伝い出来なくてすみません。」
裕太ママが焼きたてのパンをテーブルに運んでいた。
「伝説のハジケリストちゃんの好きなチョコクロワッサンも焼いたわよ。」
「わーwありがとうございます!」
「ただいま。」
キッチンから出ると、青学の不二君が調度帰ってきた。
「お邪魔してます。」
「いらっしゃい。いつも裕太がお世話になってます。」
試合等でよく顔を合わせているし、同い年なので何か微妙な感じだ。
「こちらこそお世話になってます。そろそろ戻らないとマズイんでまた後で!」
階段を昇っている時、
「姉さんチェリーパイ焼くって言ってなかった?」
「なんか当て付けみたいだからやめたの。ほら、裕太もお年頃だから気にするんじゃないかと思って。」
という会話を聞いてしまった。彼女としては複雑だ。
「お待たせ!あった?」
裕太の部屋のドアを開けると、予想通りに一生懸命探し続けていた。
「ないですよ。どこに置いたんですか?」
「確かテーブルに置いたと思ったんだけどな。」
「おかしいっスね。」
「う~ん…ちょっと休憩しようか!」
「そうですね…。」
流れで裕太と漫画を読んでいると、携帯が鳴った。
「失礼。」
携帯を開くと、裕太ママから『準備できました』というメールが来ていた。
よし!いざ参らん!
「裕太、下行かない?」
「何でですか?」
「いいから!」
「はぁ…。」
不思議そうにしている裕太の腕を引っ張ってリビングに入った。
「「「「誕生日おめでとう♪」」」」
「え…?」
「裕太ごめん!忘れ物したって嘘なの。」
「あ…、え…?」
見事に混乱している裕太を由美子さんが引っ張った。
「もう…しっかりしてよね!ほら、ここ座って。」
「ふふ。もしかして忘れてたの?」
「わ、忘れてねーよ!うるせーな!」
「はいはい。始めましょうか。」
こうして無事に裕太の誕生日会を始める事ができた。
「ところで…二人はどこまで進んでるの?」
「ぶっ!!」
「Σなっ!…姉貴には関係ないだろ!///」
さっきの事もあり、ドキッとしてチョコクロワッサンが鼻に昇った。
「裕太は奥手だからねー。伝説のハジケリストちゃんも大変よね。」
「ははは…。」
あたしに振らないで欲しかったが、それは免れない。
「そうだ。今度僕とゆっくり話さない?裕太の事も聞きたいし。」
何を言い出すんだこの人は。
「なんでだよ!!兄貴は伝説のハジケリスト先輩に話かけるな!」
「もう…。そんな事言うから裕太が嫌がるのよ?」
「ふふ。冗談だよ。」
独特なアットホーム具合に押されつつ、裕太の誕生日会が終わった。
「寮に電話しておいたから、二人共泊まって行きなさいよ。」
という裕太ママの提案で、不二家に一泊する事になった。
「でも…伝説のハジケリスト先輩はいいんですか?///」
「ご迷惑でなければ。」
「裕太…何赤くなってるの?心配しなくても伝説のハジケリストちゃんは僕の部屋で寝るから。」
「Σ何言ってんだよ!そして下の名前で呼ぶな!」
「周助、あんたそのうち本気で裕太に嫌われるわよ?伝説のハジケリストちゃんは客間で寝ましょうね♪」
「はい。」
こうして裕太の誕生日に、裕太と裕太のご家族と一日を過ごせて凄く嬉しかった。
「裕太、姉さんは裕太の味方よwね、母さん!」
「ふふふ。そうね。」
「……///」
そして、不二家が意外に明るいというか、オープンなのに驚いた一日でもあった。
裕太、誕生日おめでとう!
終わり
[後書き]
長くなりすぎた…。
かい摘まんで書けば良かったのに、誘うとこから書いてしまった。読んでて疲れる…。
裕太君好きだから気合い入れて取り組んだのですが、ザマァありません。裕太君ごめんなさい。でも好きだ!
ここまでお付き合いいただき有難うございました
m(__)m
裕太HAPPY BIRTHDAY!