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「遅くなってごめん!」
今日は淳の誕生日だ。
「まだ大丈夫ですよ。あと5分後に柳沢君が木更津君を連れて来ますから。」
「おい、来て早々わりぃけどこっち手伝ってくれ!」
「分かった!」
本当なら男子寮に女子は立入禁止だが、観月が上手い事言ってくれたおかげで解禁だ。
「スゴ…!!これ赤澤が作ったの?!」
ムサイ男が作ったとは想像もつかない、繊細なケーキがそこにあった。
「まぁな。」
純白三角巾が黒い肌に映えている。
「赤澤部長!スウィートポテトできました!」
「おう!今行く!」
「あたしは何手伝えばいい?」
「そこに観月の買って来た紅茶があるから出しといてくれ!」
純白三角巾をなびかせて赤澤は金田の元へ。
「伝説のハジケリストさん!俺も手伝いますよ!」
「ありがとう!」
口の横にクリームの付いた裕太(おそらくつまみ食いだろう)と一緒に紅茶の用意をした。
準備は整った。
「おまたせだーね!」
「あれ?みんな揃ってどうしたの?伝説のハジケリストまで…。」
予定通り柳沢は淳を連れてきた。
「んふ。今日はあなたの誕生日ですよ?さぁ、こちらにおかけなさい。」
「そういえば今日だっけ・・・。」
「わお!おいしそうだーね!淳、早く座るだーね!」
柳沢に背中を押され、淳があたしの隣に座った。
「ねぇ、なんでまだハチマキしてんの?」
私服にハチマキとはどんなオシャレ関係だ。
「あぁ、忘れてた。ハチマキが体の一部みたいになっちゃってるのかも。」
言ってもハチマキを取ろうとしない。なにげにお気に入りか?
「おい、電気消すぞ?」
「お願いします。」
「あ!俺消します!」
金田が日に日に赤澤の舎弟と化していく。
電気が消され、蝋燭に火が燈る。
『おめでとう(ございます)!!』
「みんな、どうもありがとう。嬉しいよ。」
「これが俺達からのプレゼントだからな。」
それから、赤澤の手づくりお菓子と観月の紅茶に舌鼓を打った。
「裕太君、そんなにお砂糖を入れては体に悪いですよ?」
「そうなんですか?これくらい普通だと思ってました。」
裕太のティーカップの半分が砂糖で埋まっていた。
「赤澤部長!おいしいですっ!!さすがです!」
「ホントうまいだーね!とても赤澤が作ったとは思えないだーね。」
「そーか?//まだあるぞ。」
赤澤は大絶賛のスウィートポテトを大量に追加した。
「ケーキもおいしー♪」
生クリームは決して甘すぎず、スポンジはきめ細かい。
「淳、いちごあげる!」
いつもは奪うところだが、誕生日の時くらいは分け与えたい。
「ありがとう。」
「そうそう、プレゼントなんだけど、今お金無いからもうちょい待って?」
今あたしの財布の中には札が一枚もない。
どうせならいいものあげたいし…。
「待てないよ。」
淳はハチマキを取ってあたしの首にかけた。
「もっと甘い物が食べたいなぁ。生クリームもあることだし…。」
「Σえ?!」
そう言いながら、淳はあたしをお姫様だっこした。
「まじで…?」
「クスクス…。いただきます。」
あたしを抱えつつケーキを持つという器用な淳。
こいつのどこにこんな力が隠されているというのか。
みんなイモに夢中で気付かない中、
「お待ちなさい!主役がどこへ行くんですか?!」
観月に気付かれた。
「Σあ~!淳が伝説のハジケリストのこと拉致ってるだーね!」
淳はあたしを抱えたまま振り向き言い放った。
「今日は本当にありがとう。せっかく伝説のハジケリストがここにいるわけだし、これから【ピーッ】するけど覗いたり邪魔したりしたら【ピーッ】るよ?じゃ、おやすみ…。」
淳の肩越しに見えたのはイモを落とした赤澤と金田、真っ赤な顔の裕太、そして真っ青な観月と柳沢。
「ちょっ…いいの?」
「クスクス…こんな機会、滅多にないからね。それより…今日は特別なんだから【ピーッ】とか【ピーッ】とかしてもらうよ?あ、【ピーッ】もいいなぁ…クスクス。」
「………。」
来年の誕生日にはどんな事を要求されるのか、そして明日観月に怒られるのだろうかとか、そんな事を考えながら夜は更けていく。
終わり
[後書き]
ダメだこりゃ!
淳、HAPPY BIRTHDAY!