君が為
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*月島視点
和田 大尉を山に埋めた後、夜も完全に更けて吹雪がより一層厳しくなっていた。後処理を終わらせたら馬に跨り帰路へと着く。
下級兵士から鶴見中尉宛の手紙が来ていることを報告され、急ぎの用ではないと確認の後、**くんを探す。無意識的か、もしくは監視の役を仰せつかっているからかはわからなかった。丸一日以上会っていない****のことが気になっていた。玄関先に彼、はいた。
だが鶴見中尉が既に彼を捕まえていたようで、彼の肩を執拗に撫でていた。ふと先日の会話が思い起こされ、声を掛けてしまっていた。
「鶴見中尉、手紙が届いておりますので急ぎ部屋に戻りご確認ください」
咄嗟に急ぎの要件でもないのにそう言ってしまった。自分は一体何がしたいのかと、内心汗をかく。そうしていたら**くんに声をかけられる。
「月島さん……お疲れ様です。明日も、捜索に出るのですか?」
「いや、この雪では全ての痕跡は覆いつくされてしまう。現状出来ることはほぼもう、ない。**くんも今日は一日ほったらかしてしまって悪かったな」
「いえ!第七師団が大変な時だというのに僕の我儘なぞ。それより……月島さんのお顔の色が悪いのが気になります。ちゃんと休息は取っていらっしゃいますか?」
ずいと顔を覗き込まれ思わず、身を引いていしまった。彼の瞳とかちりと目が合ってしまった瞬間に心臓がいやにはねた心地がした。何故そんな事態になるのかと顔がゆがむ。
彼が俺の体調を気遣う言葉を放つ。そうしてふわりと香るこの香りは、彼に先日借りた石鹸か。柑橘系の香りで洗い流したあとも良い香りが漂っている上物の石鹸だった。だがそのせいで彼を組み敷く夢を見てしまったのは、誰にも言えないが……。彼にいつ石鹸を返せばよいかと尋ねる。だが自分が曖昧な返答をしてしまったがために、彼は自室まで訪れると言う。
「そうでしたか、すみません。僕が肌が荒れたことがなかったので気にしないで渡してしまいました。この後、部屋まで回収しに参りましょうか?」
それは、まずい。何がまずいかはわからないが、とにかくまずいことになりそうな気がして歯切れ悪く否、と答えた。彼は小さく笑んだあと、また一言繰り返し丁寧に俺を労った。悪いことをしてしまったような気になり、すぐに**くんの側を横切り、自室へと帰った。その瞬間の彼の柔らかな香りのせいでまた夢見が悪かったことは、口が裂けても言えない。
下級兵士から鶴見中尉宛の手紙が来ていることを報告され、急ぎの用ではないと確認の後、**くんを探す。無意識的か、もしくは監視の役を仰せつかっているからかはわからなかった。丸一日以上会っていない****のことが気になっていた。玄関先に彼、はいた。
だが鶴見中尉が既に彼を捕まえていたようで、彼の肩を執拗に撫でていた。ふと先日の会話が思い起こされ、声を掛けてしまっていた。
「鶴見中尉、手紙が届いておりますので急ぎ部屋に戻りご確認ください」
咄嗟に急ぎの要件でもないのにそう言ってしまった。自分は一体何がしたいのかと、内心汗をかく。そうしていたら**くんに声をかけられる。
「月島さん……お疲れ様です。明日も、捜索に出るのですか?」
「いや、この雪では全ての痕跡は覆いつくされてしまう。現状出来ることはほぼもう、ない。**くんも今日は一日ほったらかしてしまって悪かったな」
「いえ!第七師団が大変な時だというのに僕の我儘なぞ。それより……月島さんのお顔の色が悪いのが気になります。ちゃんと休息は取っていらっしゃいますか?」
ずいと顔を覗き込まれ思わず、身を引いていしまった。彼の瞳とかちりと目が合ってしまった瞬間に心臓がいやにはねた心地がした。何故そんな事態になるのかと顔がゆがむ。
彼が俺の体調を気遣う言葉を放つ。そうしてふわりと香るこの香りは、彼に先日借りた石鹸か。柑橘系の香りで洗い流したあとも良い香りが漂っている上物の石鹸だった。だがそのせいで彼を組み敷く夢を見てしまったのは、誰にも言えないが……。彼にいつ石鹸を返せばよいかと尋ねる。だが自分が曖昧な返答をしてしまったがために、彼は自室まで訪れると言う。
「そうでしたか、すみません。僕が肌が荒れたことがなかったので気にしないで渡してしまいました。この後、部屋まで回収しに参りましょうか?」
それは、まずい。何がまずいかはわからないが、とにかくまずいことになりそうな気がして歯切れ悪く否、と答えた。彼は小さく笑んだあと、また一言繰り返し丁寧に俺を労った。悪いことをしてしまったような気になり、すぐに**くんの側を横切り、自室へと帰った。その瞬間の彼の柔らかな香りのせいでまた夢見が悪かったことは、口が裂けても言えない。