HELLSING夢主・夢魔サキュー
夢魔サキュバリエスは、器を愚弟に預け、魂を一度地獄へと返還した。
菊弘との契約違反の時と同じように、地獄の貴族街層にある屋敷にリスポーンする。する、はずだった。
ふんわり、と花の香りに包まれる。そこはシルクのシーツの上。裸体が惜しげなく広げられ、爪先までに魔力と気品が満ちていた。
「うーーーーーーーーぅん~、あぁ~っすごい久しぶりに自分のベッドで寝たなぁ~」
起き上がって大きく伸びをすると、恥ずかしげもなく大口を開けてあくびをした。
「んぁ?我輩の召使いは?寝起きの紅茶と風呂を用意して待ってない?なんで?みんな勝手に辞めちゃったぁ?」
目を擦りながらサキューは裸足のまま、寝室をのんびりと歩き出した。
「いやしかし、久しぶりとはいえこんなにも外観が変わるものかねぇ?我輩が留守にして一体どのくらい経っておるのだぁ?地獄は…。こんなメルヘンチックだったわけないんだがぁ?」
窓からはバラの花畑が見えている。色とりどり…白薔薇が多く、そして香りもそれなりにむせ返る。
サキューの記憶では、所狭しと成り上がりの貴族たちの家がみっちりと本が詰められた本棚のように並んでいたはずだ。
「オーーーーーイ、誰かいないの~?」
あくびを噛み殺しながら腑抜けた声を出す。椅子に引っ掛けてあったガウンを羽織ってぺたぺたと足音を立てた。
「さるかたちに、いづこへ行かむとすや。リリー」
「げ!その声は…」
ぐにゃり、と壁付近の景色が歪む。そこからは桃色かかった白髪の男が立っていた。背中には蝿の羽根が生えている。
「バルゼ!バルゼ・ゼブル!?貴様ー!?まぁた我輩の屋敷に勝手に入ったな!?いい加減にしろストーカーめ!」
「さりかしまづは…召し物をしたためたてまつらむ」
パチン、と男が指を鳴らせば、サキューに虹色のリボンが巻き付いて可愛い効果音とともにドレスが翻った。
彼女の明るい金髪を引き立てる、アクアブルーのマーメイドドレスだ。
「おい勝手に着替えさすなー!ん?まさか貴様…うちの使用人を買収したな!?手回しだけは一流だ、この卑怯王!」
「さりかし、この卑怯王…今や天魔の王となりき。つきてこの土地一帯を買取りて、きみの屋敷は改装させたまへき。閨…はそのままに、一面薔薇に飾り付けを。かくて門には強固なる結界を。きみは我が許し無しには、ここよりはいでられず」
サキューはドレスの裾を持ち上げて、とても嫌そうな顔をした。
「なんだこのドレスの色、最悪だ!黒にしろ黒に!あと聞き捨てならんことを言ったなあバルゼ!だ、れ、が!」
ぐおう、と唸りをあげて燃え上がる。青い炎がサキューを包み、ドレスはたちまち、背中の大きく開いたセクシーなブラックドレスに変身した。
「誰が、天魔の王だと?悪魔の王になっただと?その地位は、いずれの我が婿に与えられるという認識だったのだが?違ったか」
かつん、と高いヒールが鳴る。純白の礼装のバルゼの胸元を引っ掴んだ。男は目を伏せたまま、微笑みを浮かべる。
「婿になるは、きみに認められしよりにたてまつる。つつみかたじけなくさうらふ百合。我が白百合、我はきみの薔薇」
「ああもう黙れ黙れー!話にならん!ルシフはどうしたルシフは!なんであいつがこんなボケ変態ストーカーに王の地位を譲ってるんだよ!?」
「そのことわりもせばやと考へたりし、我が女王。いかで、我が屋敷に招かれたまへ」
「……我輩は腹が減った、アフタヌーンティーを用意して!」
バルゼはこくりと、頷いた。
そういうことになった。
つづく?
菊弘との契約違反の時と同じように、地獄の貴族街層にある屋敷にリスポーンする。する、はずだった。
ふんわり、と花の香りに包まれる。そこはシルクのシーツの上。裸体が惜しげなく広げられ、爪先までに魔力と気品が満ちていた。
「うーーーーーーーーぅん~、あぁ~っすごい久しぶりに自分のベッドで寝たなぁ~」
起き上がって大きく伸びをすると、恥ずかしげもなく大口を開けてあくびをした。
「んぁ?我輩の召使いは?寝起きの紅茶と風呂を用意して待ってない?なんで?みんな勝手に辞めちゃったぁ?」
目を擦りながらサキューは裸足のまま、寝室をのんびりと歩き出した。
「いやしかし、久しぶりとはいえこんなにも外観が変わるものかねぇ?我輩が留守にして一体どのくらい経っておるのだぁ?地獄は…。こんなメルヘンチックだったわけないんだがぁ?」
窓からはバラの花畑が見えている。色とりどり…白薔薇が多く、そして香りもそれなりにむせ返る。
サキューの記憶では、所狭しと成り上がりの貴族たちの家がみっちりと本が詰められた本棚のように並んでいたはずだ。
「オーーーーーイ、誰かいないの~?」
あくびを噛み殺しながら腑抜けた声を出す。椅子に引っ掛けてあったガウンを羽織ってぺたぺたと足音を立てた。
「さるかたちに、いづこへ行かむとすや。リリー」
「げ!その声は…」
ぐにゃり、と壁付近の景色が歪む。そこからは桃色かかった白髪の男が立っていた。背中には蝿の羽根が生えている。
「バルゼ!バルゼ・ゼブル!?貴様ー!?まぁた我輩の屋敷に勝手に入ったな!?いい加減にしろストーカーめ!」
「さりかしまづは…召し物をしたためたてまつらむ」
パチン、と男が指を鳴らせば、サキューに虹色のリボンが巻き付いて可愛い効果音とともにドレスが翻った。
彼女の明るい金髪を引き立てる、アクアブルーのマーメイドドレスだ。
「おい勝手に着替えさすなー!ん?まさか貴様…うちの使用人を買収したな!?手回しだけは一流だ、この卑怯王!」
「さりかし、この卑怯王…今や天魔の王となりき。つきてこの土地一帯を買取りて、きみの屋敷は改装させたまへき。閨…はそのままに、一面薔薇に飾り付けを。かくて門には強固なる結界を。きみは我が許し無しには、ここよりはいでられず」
サキューはドレスの裾を持ち上げて、とても嫌そうな顔をした。
「なんだこのドレスの色、最悪だ!黒にしろ黒に!あと聞き捨てならんことを言ったなあバルゼ!だ、れ、が!」
ぐおう、と唸りをあげて燃え上がる。青い炎がサキューを包み、ドレスはたちまち、背中の大きく開いたセクシーなブラックドレスに変身した。
「誰が、天魔の王だと?悪魔の王になっただと?その地位は、いずれの我が婿に与えられるという認識だったのだが?違ったか」
かつん、と高いヒールが鳴る。純白の礼装のバルゼの胸元を引っ掴んだ。男は目を伏せたまま、微笑みを浮かべる。
「婿になるは、きみに認められしよりにたてまつる。つつみかたじけなくさうらふ百合。我が白百合、我はきみの薔薇」
「ああもう黙れ黙れー!話にならん!ルシフはどうしたルシフは!なんであいつがこんなボケ変態ストーカーに王の地位を譲ってるんだよ!?」
「そのことわりもせばやと考へたりし、我が女王。いかで、我が屋敷に招かれたまへ」
「……我輩は腹が減った、アフタヌーンティーを用意して!」
バルゼはこくりと、頷いた。
そういうことになった。
つづく?
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