重症を負った鈴音は、病院に運ばれた。
幸い、命に別状はなかったが、意識不明の重体だった。
病室に来た亜矢は、鈴音を見下ろした。

「私のせいだ…鈴音は関係ないのに…」

鈴音が寝かされているベッドに突っ伏して、亜矢は涙を流した。

(一体どうしたら…)

その時、亜矢の脳裏に、とある店が浮かんだ。

(そうだ…!!あそこに行けば…!!)

亜矢は病院を出て、森の方へ向かった。
その道中、亜矢は一人の少女とすれ違った。

フリルの付いたロイヤルブルーのワンピースと、青い小さな帽子をかぶった少女は、亜矢をチラッと見ると、小さく微笑んだ。

「迷える歌姫…あなたの運命はどちらに向かうかしら…」