公園に来た亜矢と鈴音。
亜矢は息を深く吸ってから、歌い始めた。
その歌声は、まるで女神のように、美しく透き通っていた。

「すっごい〜!!やっぱり亜矢ちゃんの歌は最高だよ〜!!」
「…満足した?」
「うん!!ありがとうね!!」

鈴音は興奮気味に答えた。
すると…。

「ねえ君…元歌手の中洲亜矢ちゃんだよね?」

そこに現れたのは、黒いコートを着た男だった。

「そうだけど…」
「驚かせてごめんね。私、音楽プロデューサーをしている者でね。君の歌声、聴かせてもらったよ。素晴らしい歌声だ!!君が良ければ、また歌手として売り出してみないか?」

男の言葉を聞いて、亜矢は閃いた。

(もう一度歌手に…そしたら、まりあに近付く事が出来る…!!そうすれば今度こそ…)

亜矢はニヤリと笑みを浮かべた。

「はいっ、喜んで…!!」