20XX年、某日。

『それ』はやってきた。

世界にウイルスが蔓延し、人間がゾンビになるという怪奇現象が起きたのだ。
そのウイルスは、血管から入る事によって感染する為、ゾンビに噛まれた人間もまた、ゾンビになってしまうのだった。
政府は対策を考え、軍を率いてゾンビの駆除を試みたが、無駄だった。

何と、ゾンビは不死身だったのだ。

ゾンビは日に日に増え、僅か一週間で世界中の人間がゾンビになってしまい、生き残った人間の数は、指で数える程度だった。

この一週間を、人々は『絶望の一週間』と呼んだ。

このまま世界は、ゾンビに埋め尽くされてしまうのか…。
誰もが希望を失い、恐怖に震えていた。


…ただ一人を除いては。