名無しの寝床から出るとドナテロが真剣な顔付きになって口を開いた。
「名無し、君の事を改めて調べないといけないと思って言いにくいんだけど、検体検査を健康診断の感覚で先ずは採血をさせて欲しい」
髪の毛から遺伝子の検査をしたがそれだけでは不十分ということもあり、正確に調べるには血液が良いと判断。
名無しも元の世界には無かったこの体を知りたい想いがあるので協力する事にした。


ドナテロのラボに行くと映画で見た通り、沢山のモニターにスケボーで組み立てられた大きな椅子。奥には沢山の薬品が置かれていた。
それなのにシールや面白い置物が沢山で10代だなぁと顔がニヤついてしまう。

「ここに座って腕出して手は握ったまま、楽にしててね」

ドナテロの言う通りにしてると手際良く腕にゴムチューブを巻いて血管を探しては腕に針を刺した。チクリと痛みを感じる。

「はい、終わったよ」
一瞬だった。ドナテロが上手いのか血の取りやすい腕だったのか、少しの痛みを感じたと思ったら素早く血を引き抜いて、針を抜いて終わり。

「ドニーってAI技術専門かと思ってたけどメカを作ったり、薬品扱ったりで科学の分野も勉強して出来るようになったの？」
「そうだよ。勉強しないと知識がつかないからね
僕はやりたいと思った事を身に付けたかったから勉強したんだ
今は医学も勉強したいなぁって思ってるところ」
「凄い！ドニーは頭の回転力が凄まじいから勉強というよりちょっと資料を読むだけで応用がきいちゃうんだろうなぁ」

そんな事ないよと苦笑いしながら採血に使った物品を片付け始めた。