2時間くらい経った頃か、名無しが目覚め1人で起き上がりトイレへ向かった。
見る様子足取りがしっかりしてる。そろそろ体調も良くなり始めてるようだ。それを見たミケランジェロは戻って来た名無しにシリアルを用意した。

「マイキーが用意してくれたの？」
「うん、朝ごはんあまり食べられなかったでしょ？これだったら食べれるかと思って」
「ありがとう！いただきます！」
名無しはニコニコしながらもゆっくり食べて完食した。
「マイキーありがとう！意外と食べれた！それとちょっと寝たからか今は少し良くなった気がする！」
安心したミケランジェロは名無しの笑う顔を見れて喜びが隠せない。

「あのね」
「うん？」

ミケランジェロはトラベル雑誌を手に取り名無しが見やすい位置でページを開いた。
「さっき名無しが寝てる間にこれ読んでて体調が良くなったら日帰り旅行でも行きたいなぁって思ったんだ」
そうやって見せてきたページはニューヨークの定番旅行のあれこれ。
ファミリー向けやカップル向けもある。
その中で名無しが指差した所は海だった。

「あたし海に行きたいな」

ミケランジェロは少し固まった。ニューヨークの海は何処も混雑。夜になっても誰かしら居るので姿を見られる心配があるから迂闊に行けないのだ。
そもそもトラベル雑誌を読んでいるのが間違えている。雑誌に載ってる場所は一押スポットなので人が来ないわけがない。
それでもミケランジェロは顔がニヤついてしまう。名無しの行きたい所がわかったから。

名無しとのデートは海で決まり。