一通り案内が終わりダイニングテーブルであろう椅子に腰掛け、それを見て皆も腰掛ける。
また最初に口を開いたのはスプリンターだった。
「気は済んだかな？」
「はい！夢なのに映画の中に自分が居るみたいで興奮しています」
私の言葉を聞いた皆の顔が曇った。
「それはどういう意味だ？」
レオナルドが聞く。
「え？...あの、だから、今...映画ミュータントタートルズの夢を見てて...映画とそっくりだから凄いなって...」
皆の不思議そうな顔に名無しは不安になった。
どう言う事？
「映画ミュータントタートルズは知らねぇけど、夢っていうのは痛みを感じねぇって言うよな？」
頭を抱えた赤いマスクのタートルズが言いながら名無しの腕を掴み強めに握る。
「ぃ...痛っ...っ痛い...痛い！」
腕に激痛が走った。夢なら痛みを感じないか目が覚めるはず。

起きれない.......起きれないというよりかは既に起きてる.....！？

より一層不安な顔で赤いマスクのタートルズを見つめると、悪かったという顔で握ってた腕を解放した。

目の前にあるテーブルを触ればリアルな触り心地、椅子もどんな素材で出来てるか判断出来る程何もかもがリアルに見えてきてしまっていた。
息が少しずつ荒くなる、胸に手を置いて激しくなった鼓動を抑えようとするけどどんどん苦しくなるばかり。

「ここ何処...！？私は何なの！？」

椅子から立ち上がり、走ってタートルズの家を出た。
皆が呼び止める声も聞こえず下水道の出口を目指す。