ハロウィン当日。
名無しはガイズに呼ばれた。

「みんなどうしたの？まだ出発の時間じゃないよね？」
「名無し、君に渡したい物がある」

そう言ってレオナルドは1つの袋を渡した。
「ありがとう！これは？今開けても良いの？」

ああ、というレオナルドの返事に名無しは袋を開けて中身を取り出した。
すると中には薄い水色のワイシャツ、薄い紫色のカーディガン、緑生地のオレンジチェック柄のスカート、赤色のリボンのタイ、靴下とローファーが次々と出てくる。
このセットはいわゆる女子高生の制服だ。

「これってもしかして女子高生…の仮装？」
「良くわかったね！ほらこのスカートのチェック色！僕と同じマスクの色だよ」
ミケランジェロが自分のマスクを外してスカートの上に重ねる。

本当に同じ色だ。

「でね、これを今から着て欲しいんだよね〜」

きっと衣装をあたしの為に用意してくれたんだ...！

サプライズプレゼントに心が飛び跳ねた。

しょうがないなぁ、と名無しは後ろを向いて着ているTシャツをたくし上げる。
「ちょちょちょちょちょちょ！！！」
「えっ？」
背中半分が見えるくらいでミケランジェロに止められた。

「ここで着替えるの！？見えない所に行って良いんだよ？」
「ああぁ...そんなこと言って、本当は見たかったんでしょ？生着替え」
「なっ...」
えへへ、なんて笑いながら名無しは制服の仮装セットを持って寝床に行った。


「ねぇ、名無しって...あんな可愛い意地悪するっけ？」

普段揶揄わない名無しがあんな態度を取って驚きを隠せないガイズでした。